大規模修繕

【大規模修繕の用語集】知っておきたい基礎・専門用語まとめ

2022.04.28
【大規模修繕の用語集】知っておきたい基礎・専門用語まとめ

管理会社や施工会社と大規模修繕の打ち合わせを重ねていくと、知らない専門用語が飛び交う場合もあるでしょう。

そこで、大規模修繕の計画策定や打ち合わせで知っておきたい住宅の基礎用語から工事の専門用語まで、50音順でまとめました。

あ行

・RA種、RB種、RC種(あーるえーしゅ、あーるびーしゅ、あーるしーしゅ)
塗装を補修する際の下地調整(ケレン)の種別。RA種(全ケレン)は外壁塗膜の完全除去を行う。RB種(準ケレン)は劣化・損傷した塗膜を部分的に除去。RC種(洗浄)は塗膜の劣化が軽度な場合などに用いられ、塗膜表面の研磨・洗浄を行う。

・RC造(あーるしーぞう)
コンクリートの中に鉄筋を入れる構造や工法を指す。耐震性、耐久性、防音性に優れるが、熱伝導率が高く外気の影響を受けやすい。RC構造、鉄筋コンクリート構造とも呼ぶ。

・上がり框(あがりかまち)
玄関の土間と、玄関ホールや廊下との段差部に水平に渡した横木。

・アクリルエマルションペイント(あくりるえまるしょんぺいんと)
塗料の一種。アクリル樹脂を水に乳化・分散させた水性の艶消し塗料で、高い透明性と耐衝撃性を有す。ベランダ、廊下、階段室の天井などで広く利用される。

・アクリル樹脂塗料(あくりるじゅしとりょう)
アクリル樹脂を主成分とする塗料。無色透明で光沢や耐水性に優れるが、耐久年数は約5年と比較的短い。

・アクリルシリコン樹脂塗料(あくりるしりこんじゅしとりょう)
シリコン樹脂とアクリル樹脂を用いた塗料。耐用年数は約15年と長く、コストパフォーマンスに優れる。シリコン塗料とも。

・上裏(あげうら)
庇や階段、上の階のベランダの裏側など、見上げて目に入る裏側部分。

・足場(あしば)
屋上や外壁の修繕など、高所作業のために組む仮設設備。脚立足場やくさび式足場といった種類がある。

・アスファルトシングル(あすふぁるとしんぐる)
軽量で優れた防水機能を誇る屋根材。施工も比較的簡単で安価だが、湿気による影響を受けやすい側面もある。

・アスベスト(あすべすと)
「石綿」とも呼ばれる鉱物の一種。優れた性能を持つ安価な建材として広く使われていた。現在は発がん性が指摘されたため、全面的に使用禁止となっている。

・アプローチ(あぷろーち)
道路や門といった敷地の入口から、建物の玄関までを指す。マンションであれば1階の入口付近のスペースを含むことも。

・雨樋(あまどい)
屋根や屋上に流れる雨水を集め、地上や地下に流すための設備。屋根に流れる雨水を受け止める半筒上の「軒樋」、雨水を地面に流す「竪樋」などの種類がある。

・アルコープ(あるこーぷ)
共用廊下から少し後退させて造った玄関前スペース。廊下から視線を遮る効果が期待でき、プライバシー保護につながる。アルコーブとも呼ばれる。

・アンカーピンニング(あんかーぴんにんぐ)
アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法。建物を修繕する際に行われる工法の一つ。アンカーピンとエキポシ樹脂で下地コンクリートと仕上げ材を接着し、外壁の剥離・剥落を防ぐ。アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法とも。

・囲障(いしょう)
隣り合った建物の所有者が敷地の境界の上に設けた垣根、塀、その他の囲いを指す。

・入隅(いりすみ)
壁や板などの2つの面が出会うところの内側のへこんだ部分。出っ張った角の部分は出隅(ですみ)という。

・インターロッキング(いんたーろっきんぐ)
レンガのような形状のコンクリートブロックを嚙み合わせる施工方法。玄関までのアプローチや駐車場といった外構に用いられる。

・インバーター(いんばーたー)
直流または交流から周波数の異なる交流を発生させる電源回路、またはその回路を持つ装置のこと。用途に合わせてモーターの回転速度や加速度を柔軟に変えられるため、省エネ効果がある。

・浮き(うき)
壁や床のモルタルやタイルが、下地から剥離しつつある状態。

・打替え(うちかえ)
外壁やサッシ、タイルの目地に打ち込まれているシーリング材を、新しいシーリング材に替える作業。

・内断熱(うちだんねつ)
柱の隙間に断熱材をいれて、断熱層を作る工法。外壁と柱の間に断熱材を入れる工法は外断熱という。

・打継ぎ目地(うちつぎめじ)
コンクリートの打設作業を中断する際に計画的に設ける継ぎ目ならびに、そこに充填するシーリング材。

・ウレタン樹脂塗料(うれたんじゅしとりょう)
塗料を構成する「顔料」「樹脂」「添加剤」「水もしくは溶剤」のうち、樹脂がウレタンの塗料。比較的価格が安く、約5〜7年の耐久性がある。

・上塗り(うわぬり)
外壁塗装の最終工程で、防水性や耐久性を高めるための仕上げとなる塗装。トップコートとも呼ぶ。

・ALC(えーえるしー)
軽量気泡コンクリートの意。断熱性・耐火性・遮音性が高く、普通のコンクリートよりも軽い。板状に加工したALC板(ALCパネル)は、火災時に有害なガスや煙を出さない建築材料として、屋根や床、外壁などに使用されている。

・EXP. J(えきすぱんとじょいんと)
2つの建築物の隙間を埋める接合材。Expansion(伸張) Joint(つなぎ目)の略語。地震などで建築物が受けるダメージを最小限に抑えるため、マンションやビルは規模や形によって隙間を挟んで複数の躯体に分けて設計することがあり、その隙間を埋める際に使われる。

・SRC造(えすあーるしーぞう)
鉄骨鉄筋コンクリート造の一種。耐震性能と耐火性能が非常に高く、防音性・耐久性にも優れているため、高層ビルなど大規模な建築物に用いられる。鉄骨と鉄筋コンクリートを併用するため、材料費がかかる点や工程が複雑で工事期間が長期化しやすい点はデメリット。

・SI住宅(えすあいじゅうたく)
柱や外装などの建築物の骨格(スケルトン)部分と、設備・内装(インフィル)部分が分離可能な住宅。間取りや内装などを比較的自由に変更できる。骨格部分の耐用年数は50年以上と言われており、長く住み続けられるのが特徴。

・FRP(えふあーるぴー)
ガラス繊維などの強化材で補強されている繊維強化プラスチック。耐久性・耐水性・成型性に優れており、屋根の防水材、浴槽やプールなどにも使われる。屋根の防水材は塗料タイプで、既存の形に合わせやすい。

・エフロレッセンス(えふろれっせんす)
コンクリートやモルタルの表面に白華(はっか)という白い生成物があらわれる現象。コンクリート内の水分が水酸化カルシウムとともに表面に出て、空気中の二酸化炭素と結合して起きる。湿度が高い時期や、コンクリートが日陰にあったり新しかったりする場合に生じやすい。白華は市販の洗剤でも落とせる。

・エポキシ樹脂(えぽきしじゅし)
合成樹脂の一種。接着力が強く、柔軟性があってひび割れしにくいほか、紫外線に強い、塗った場合の透明度が高いという特徴がある。また、撥水性・耐熱性・耐水性・耐薬品性・耐候性・電気絶縁性もあり、さまざまな工業製品や電子機器にも使われている。建築現場ではサビ止めや仕上げ材、モルタルやコンクリートの床、壁、天井などに生じた浮きや亀裂などの補修材として用いられる。

・MDF盤(えむでぃーえふばん)
外部に通じる通信・電話回線をすべて収容し、集中的に管理する主配線盤。共有部に設置し管理することで、新たな回線を開通したり回線を切り替えたりする際のスムーズに作業を促す。

・MDF板(えむでぃーえふばん)
木材などの植物繊維をほぐし、接着剤などを配合して板状に成形した木質ボード。中質繊維板ともいう。加工がしやすく構造上の強度も安定しており、天然板よりも安価。家具や階段、耐震壁の構造部材としても使用されている。

・MB(えむびー)
メーターボックスの略。電気や水道やガスのメーターをまとめて収納した場所。外部の人間が検針できるように居住空間の外に設置されている場合が多い。

・塩化ゴム系塗料(えんかごむけいとりょう)
塩化ゴムを基体樹脂とした塗料。速乾性があり付着力が強いため、1日に2回塗ることもでき厚塗り塗装が可能。耐水性・耐塩水性・耐薬品性・耐候性に優れているため、橋梁や船舶や海沿いの建築物の他、油がかかるような工場施設にも用いられる。

・塩ビシート(えんびしーと)
ポリ塩化ビニルという防水材。耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶解性に優れている。屋根の防水材や水道管、電線の被覆など幅広く使用されている。

・屋上ハッチ(おくじょうはっち)
屋上へと繋がる出入り口。避雷針の点検や大規模修繕工事の状況確認の際に利用される。

・屋上緑化(おくじょうりょくか)
屋上に植物を植えること。緑化土壌の断熱作用や植物が日射を遮ることで、屋内ならびに周辺の温度上昇を抑えられる。

・踊場(おどりば)
階段の途中で平らになっている部分。階段の方向を変えたり、転落の危険を緩和するために設けられる。

か行

・外構工事(がいこうこうじ)
駐車場や塀、門扉、外周のネットフェンス、植栽、遊具施設など、敷地内の建物まわりの工事すべてを指す。外構はエクステルアとも呼ばれる。

・改修(かいしゅう)
建物の性能や機能を、建築当初よりもグレードアップさせるための工事。耐震性、断熱性の向上、バリアフリー化、省エネ化、警備システムの強化など。「修繕」は建設当時の水準まで戻す工事を指す。

・階段梁(がいだんはり)
柱と柱を水平に繋ぐ部分を梁といい、階段にある梁を階段梁という。

・外壁タイル(がいへきたいる)
石や土、粘土を約1300度の高温で焼き固めたもの。素材を活かした素朴なデザインから凝ったものまでさまざまな種類があり、セメントやセラミックの外壁材よりも重厚感や高級感がある。

・外壁目地(がいへきめじ)
コンクリートブロックやレンガ、タイルなどの目地(繋ぎ目)。また、外壁の素材が温度変化で膨張、収縮して歪みが出た場合に備えて、調整する目的で儲けられた隙間。目地はモルタルやシーリングで埋められる。

・開放廊下(かいほうろうか)
片側に住戸が並び、もう一方が外に面している状態の廊下。片廊下ともいう。廊下の両側に住戸がある「中廊下」よりも、防犯が求められる。

・界面破壊(かいめんはかい)
接着材やシーリング材が接着面から離れてしまっている状態。接着破壊とも呼ぶ。

・嵩上げ(かさあげ)
構築物の高さを従来より上げること。ダムや堤防の高さを上げたり、建物の基礎を補強したりする際に行われる。

・笠木(かさぎ)
手すりや腰壁、パラペット(屋上にある落下防止の壁)の上部に取り付ける仕上げ材。プラスチック製、金属製、木製など機能やデザインも多様。

・瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)
売買した物に通常では見つからない瑕疵(欠陥や不良)があった際、売主が買主に対して追う責任。買主に落ち度がない場合、瑕疵を知ってから1年以内であれば損害賠償や契約解除を求められる。

・仮設足場(かせつあしば)
工事において高所作業を行う際に設けられる設備。足場と同義。

・仮設工事(かせつこうじ)
建築・修繕工事期間中に行う、一時的な施設や設備の施工工事。仮設トイレや工事用電力・用水、養生など。残材処理とともに撤去される。

・花台(かだい)
一般には花瓶をのせる台を指す。住宅においては、腰高窓の外側や、バルコニーの内側にある、植木鉢やプランターを乗せる場所。

・片流れ(かたながれ)
勾配屋根の1つで、一方のみが傾斜している屋根。面が少ないため、複雑な形式の屋根よりも修繕費用がかからない傾向にある。

・かぶり厚さ(かぶりあつさ)
鉄筋コンクリート構造において、コンクリート表面から内部に埋め込まれている鉄筋の表面までの厚さ。アルカリ性のコンクリートが空気中の炭酸ガスと反応したり、ひび割れによって水分が入ったりすると中性化が起こるが、中性化が鉄筋に到達するとサビてしまうため、鉄筋までの厚みが必要。

・カラー鋼板(からーこうはん)
表面に塗料を塗って、色調を変えたり、防水性や耐久性といった機能を加えたりした鋼板。

・ガラリ(がらり)
雨水や虫の侵入を防ぐ目的で外壁の給排気部分に取り付ける蓋。一般的には丸い形状をしている。換気口カバーやベントキャップとも呼ばれる。

・仮囲い(かりかこい)
工事期間中、敷地の境界線に沿って設置される仮の囲い。現場や資材置き場の安全を確保したり、関係者以外の侵入を防いだり、騒音を抑える目的がある。

・管理組合(かんりくみあい)
マンションの管理・運営を共同で行う組織。区分所有法により、区分所有者全員で構成されると定められている。

・脚立足場(きゃたつあしば)
2つの脚立の間に足場板を架け渡したもの。屋内の壁や天井の作業に用いられる。

・給排水(きゅうはいすい)
給水と排水の意。水道管、トイレ、雨樋、貯水タンク、排水管などが給排水の役割を担う。

・共用部分(きょうようぶぶん)
分譲マンションなど区分所有できる建物において、特定の区分所有者が単独で所有している「専有部分」に対し、区分所有者全員で共有している部分を指す。エントランスやエレベーター、ベランダも共用部分にあたる。

・均等積立方式(きんとうつみたてほうしき)
修繕積立金の積立方法の一つ。中長期的な計画に基づき、毎月の積立金が一定額になるように調整して集める方式。

・金抜き明細書(きんぬきめいさいしょ)
金額を記載せず、数量や人数だけを記載した明細書。条件を揃え各社の見積もりを比較しやすくするために用いられる。

・くさび式足場(くさびしきあしば)
正式にはくさび緊結式足場。一定間隔に緊結部を備えた支柱に手すりなどをくさびで緊結する。低中層建築工事や外壁の塗り替え、補修工事で使用される。

・躯体(くたい)
建物を構成する基礎や柱、梁、壁面、床などの構造体の総称。

・グラウト注入(ぐらうとちゅうにゅう)
隙間やひび割れ、空隙、空洞の補修のためにセメント系やガラス系、合成樹脂といった液体を注入する作業。

・クラック(くらっく)
外壁や内壁、基礎部分にできる亀裂やひび割れ。

・グレーチング(ぐれーちんぐ)
道路や公園等にある、排水路にかける蓋。格子状になっているため、雨水の排水を行いながら、人や車両の通過を可能にしている。

・蹴上げ(けあげ)
階段の一段の高さを指す。建築基準法により、住宅の蹴上げは23㎝以下と規定。

・警報設備(けいほうせつび)
火災等を通報するために設けられる感知・警報・通報の設備の総称。漏電やガス漏れによる火災警報器も含む。一定の建物や施設には消防法により設置基準が設けられている。

・欠損(けっそん)
コンクリートやモルタルの一部が欠けて無くなること。雨や地震、紫外線などの影響で経年劣化していくと、致命的なダメージになる。

・ケラバ金物(けらばかなもの)
切妻屋根(三角屋根)の、雨樋のついていない外壁から出ている部分を「ケラバ」といい、そこに取り付ける金物を指す。雨風による劣化を抑える効果がある。

・ケレン(けれん)
主に鉄部の汚れやサビをヤスリなどで落として素地を整える作業。新たに塗料を塗る際に密着度を高める効果がある。剥離塗膜とも。

・玄関ポーチ(げんかんぽーち)
玄関の上に突き出ている屋根(庇)のある空間。一戸建て住宅に設けられるが、マンションでも門扉を設けて、門扉から玄関までの空間をポーチとする場合もある。

・現地調査(げんちちょうさ)
建物の劣化状況を目視や打診により把握するため、ならびに打診状況を踏まえて修繕工事の見積りを作成するために、担当者が該当の建物におもむいて行う調査。

・現場管理費(げんばかんりひ)
工事にかかる費用のうち、資材等の価格ではなく人件費や交通・通信費、工事保険の保険料といった諸経費の総称。

・現場代理人(げんばだいりにん)
工事請負業者の経営者に代わって、工事現場全体の管理を行う責任者。工程管理や請負代金の管理、周辺住民からの苦情への対応などを担う。

・高圧洗浄(こうあつせんじょう)
高い圧力で水を噴射し、その勢いを利用して外壁や排水管のカビや苔といった汚れを落とすこと。

・高架水槽(こうかすいそう)
中高層建築物に用意されている給水設備で、屋上などに設置される貯水タンクのこと。水道管からポンプで押し上げて受水タンクに水を貯め、水槽から落下する勢いで各戸へ給水する。

・鋼製朝顔(こうせいあさがお)
工事や補修作業中に落下物を防止するために斜めに張り出したかたちで儲けられる防護棚。仮設足場の下を通る歩行者などを守る。

・高置水槽(こうちすいそう)
高架水槽と同様に、中高層建築物に用意されている給水設備で、屋上などに設置される貯水タンクのこと。タンクに足(架)がついていないものを高置水槽という違いがあるが、区別していない場合もある。

・勾配屋根(こうばいやね)
傾斜がある屋根のこと。勾配屋根のなかでも、屋根の棟(頂上にある水平な部位)に対して三角形の面積が少ない「切妻屋根」や「片流れ屋根」は修繕費用が安い。一つの棟を頂点として複数の三角形が結合するなど形が複雑になると修繕費用も上がる傾向。

・コーキング(こーきんぐ)
建物の気密性や防水性を向上させるために、隙間を目地材などで埋めること。シーリングと同義。

・コールドジョイント(こーるじょいんと)
先に打ち込んだコンクリートの下層と後から打ち込んだコンクリートの上層が一体化せず、重ねた部分に継ぎ目が生じてしまうこと。耐久性や水密性を低下させる原因となる場合がある。

・ゴンドラ足場(ごんどらあしば)
昇降装置により可動する機械足場。壁面全面に足場を立てる必要がなく、手間が少なく防犯性も高い。ただし、風に弱いという欠点もある。

さ行

・サイディング(さいでぃんぐ)
建物の外壁に張る仕上げ板材。

・ササラ(ささら)
鉄骨階段の両側に走る斜めの板材。ササラのない階段もある。

・錆汁(さびじる)
コンクリートの中の鋼材が腐食によって生じた腐食生成物が、ひび割れを通して表面に滲み出たもの。

・サビ止め(さびどめ)
鉄が雨にさらされるなどしてサビつくのを防ぐこと。腐食の原因となる酸素や水分から鉄を保護する塗料を塗る。

・散水栓(さんすいせん)
屋外に設置され、庭や外部の水まきなどに利用する水栓のこと。地中に埋めてあって、使用する際に地面の蓋を開けてホースを取り付ける。

・三方枠(さんぽうわく)
戸や扉の設置に先立って取り付ける枠。開口部の上方と左右の三面に取り付ける。

・シート防水工法(しーとぼうすいかこう)
下地に接着材を塗布し、塩ビ樹脂や加硫ゴムを原料とした防水シートを貼り付ける工法。塩ビシートが主流。

・シーリング(しーりんぐ)
建物の気密性や防水性を向上させるために、隙間を目地材などで埋める作業。コーキングと同義。

・支持金物(しじかなもの)
配管をさせる金具。重量を支え、膨張による移動や振動を抑える。また、足場の組み立てに用いられる金具も支持金物という。

・下地(したじ)
壁や床の仕上げ材の内側になる部分。クロスを貼る石膏ボードや、フローリング下のコンクリートを指す。

・下地処理(したじしょり)
付着させる塗料が密着するよう、下地面の汚れを落とし、なめらかに整える作業。下地処理が行われていないと、塗料が剥がれやすくなったり、劣化が進行しやすくなったりする。

・下地補修(したじほしゅう)
塗装や防水施工を行うにあたって、下地部分の凹凸や亀裂を削ったり埋めたりして整える作業。

・下塗り(したぬり)
塗装工事や防水工事に際して、下地と塗料の密着力を高めるために行う作業。仕上げの前に施して上塗りの発色をよくする目的でも行われる。

・縞鋼板(しまこうはん)
鉄鋼製の板の表面に滑り止め用の突起を設けたもの。チェッカープレートとも呼ぶ。

・遮光性塗料(しゃこうせいとりょう)
太陽光を高い水準で遮蔽し、室内温度を下げる効果を持つ塗料。水に含まれている微量の藻類はわずかな太陽光でも増殖する藻類が増殖する可能性があるため、水道水を貯水する槽に使用される。

・臭気筒(しゅうきとう)
日常生活で生じるトイレなどの匂いを外へ排出するための筒。外壁や屋上に設置され、金属で作られているケースが多い。

・修繕(しゅうぜん)
一般に、見た目も含めて建設当初の水準に戻す工事を指す。材料等もできるだけ建設時と同じ、もしくは近いものを利用する。マンションの外壁の修繕は足場を組む必要がありコストがかかるため、計画的に行う必要がある。

・修繕委員会(しゅうぜんいいんかい)
マンションの管理組合員で構成された、大規模修繕工事を進める専門チーム。期間が長く業務量も多い大規模修繕において、理事会の負担を軽減させるとともに専門知識を有するメンバーを集められるといったメリットがある。組織の位置づけとしては理事会の諮問機関にあたる。

・修繕積立金(しゅうぜんつみたてきん)
劣化状況を測る建物診断や大規模修繕工事に向けて積み立てておく資金。共用部分の維持管理のために集められる「管理費」とは別に毎月集められる。

・充填(じゅうてん)
隙間や欠損部分にものを詰めて埋める作業。コンクリートのひび割れをモルタルで埋めたり、防水のためにつなぎ目をシリコン材などで埋めたりする。

・樹脂モルタル(じゅしもるたる)
モルタルに樹脂製の混和剤を混ぜて化学反応を起こし、硬化させた材料。外壁の補修や下地の調整として用いられる。エポキシ樹脂モルタルのように混和剤を用いない材料もあるが、樹脂モルタルのほうが軽量である点から重宝されている。

・受水槽(じゅすいそう)
ビルやマンション、学校、病院など、多くの水を使用する建物において、水道局から供給された水道水を貯めておく容器。なお、貯水槽は水道水に限らず、防災用や工業用も指す。

・シュミットハンマー(しゅみっとはんまー)
コンクリートに打撃を与える機器で、返ってきた衝撃の反射の強さを測ることで強度を測定するもの。

・主要構造部(しゅようこうぞうぶ)
建物の構造において重要な役割を果たしている部分。建築基準法2条5号では、「壁・柱・床・梁・屋根・階段」と定義される。構造上重要でない最下階の床、間仕切り用の壁、間柱、つけ柱、局所的な小階段などは除外されている。

・竣工(しゅんこう)
建築工事が完了すること。落成、完工ともいう。

・浄化槽(じょうかそう)
水洗トイレと連結し、微生物の働きなどを利用して汚水を浄化、公共下水道以外に放流するための設備。

・消火用補給水槽(しょうかようほきゅうすいそう)
消防用ポンプ内に水を満たしておくために、屋上などに設置する補給水槽。消火栓補給水槽、消火用呼水槽とも。

・植栽剪定(しょくさいせんてい)
成長する樹木や草花を切りそろえたり、日当たりや風通しをよくすることの総称。

・シリコン樹脂塗料(しりこんじゅしとりょう)
塗料の樹脂成分がシリコンである塗料。耐熱性だけでなく、耐候性や耐水性、撥水性、耐薬品性、電気絶縁性に優れる塗料。オイル、レジン、ゴムなど性状も多様。価格の耐用年数のバランスがよく、外壁塗装で多く採用されている。

・伸縮目地(しんしゅくめじ)
温度変化による膨張や収縮でコンクリートに生じる亀裂を最小限にとどめるため、一定区画ごとにコンクリートを区切って、境界を弾力性のある素材で繋いだ部分。

・伸頂通気管(しんちょうつうきかん)
排水管の最上部を最上階や屋上まで伸ばし、延長部分を外部に開口する管。空気を取り込むことで、管内の真空状態を阻止し、逆流を防ぐ。

・ステージ足場(すてーじあしば)
建物内部、天井部分の作業をする際に設けられる足場。フラットな作業床を支柱で支えているもの。

・スラブ(すらぶ)
鉄筋コンクリート(RC造)の床または屋根。

・スリーブキャップ(すりーぶきゃっぷ)
エアコンの室内機と室外機を繋ぐ配管や電線を通す穴を塞ぐキャップ。クーラーキャップやウォールキャップとも呼ぶ。

・スロープ(すろーぷ)
傾斜または傾斜した道路。階段での昇り降りが適さない場所や、人や自転車、車椅子が通行しやすくなるために設けられる。

・脆弱塗膜(ぜいじゃくとまく)
塗料によって外壁や屋根に作られた膜(塗膜)が、劣化により本来の効果を果たさなくなった状態のこと。見た目が衰えるだけでなく、雨漏りの原因になり構造の劣化にも影響する可能性がある。

・責任施工方式(せきにんせこうほうしき)
工事の発注者である管理組合と、受注する施工会社が請負契約を結ぶ方式。

・設計監理方式(せっけいかんりほうしき)
工事の内容や見積りの精査、施工品質のチェックを、実際に工事を行う施工会社とは別の管理会社や設計コンサルタントに依頼する方式。

・セットバック(せっとばっく)
建物を前面道路から後退して建築すること。前面道路の幅員が狭い、対岸が川である場合などでは、一定のセットバックを設けるよう建築基準法で定められている。

・専有部分(せんゆうぶぶん)
分譲マンションなどの区分所有建物において区分所有者が所有権を持つ部分。ベランダは共用部分にあたる。

・増圧直結給水方式(ぞうあつちょっけつきゅうすいほうしき)
配水管のポンプの圧力だけでは届かない中高層建築物に増圧ポンプを設置して給水する方式。

・増幅器(ぞうふくき)
電気信号を増幅させる装置。テレビ受信ブースターや音響アンプ、Wi-Fiの電波を増幅させる装置などを指す。

・側溝(そっこう)
排水のために道路や線路に沿って設けられる溝。

た行

・大規模修繕工事(だいきぼしゅうぜんこうじ)
マンションの経年劣化に合わせて実施するまとまった修繕工事。資産価値や住みよい環境を維持するために行う。工事費が高く工期も長期間にわたるため、事前の計画が不可欠。修繕費用は管理組合が集めた修繕積立金を充当する。

・耐震改修促進法(たいしんかいしゅうそくしんほう)
地震に対する建物の安全性の向上を促進させる目的で設けられた法律。現行の耐震規定に満たない建築物は、耐震診断の実施が義務づけられている。

・耐震補強(たいしんほきょう)
建物の耐震性を高めるために、壁や柱、梁を補強すること。新たな壁を鉄筋コンクリート等で増設したり、免震装置を設けるといった方法がある。

・ダイノックシート(だいのっくしーと)
木や石などの素材に限りなく近づけられているシート。粘着材が付いており、テーブルやドアなどに貼り付けられ、リフォームやDIYでも利用されている。

・タキストロン(たきすとろん)
塩化ビニールの床材で、表面に施された凹凸の加工が滑りを防止する。耐水性にも優れ、雨風にさらされるマンションの廊下や階段、ベランダ、バルコニーで使われる。

・宅配ボックス、宅配ロッカー(たくはいぼっくす・たくはいろっかー)
不在時に荷物を受け取るための設備。配達人がボックスに荷物を入れると鍵がかかり、暗証番号や認証カードで解錠して受け取る。マンションでは共用部分に設けられる。

・立上り(たちあがり)
建築用語で、床から垂直に立ち上がった部材のこと。屋上の平場にあるパラペット(小さい壁)や、ベランダ・バルコニーの腰壁も該当する。

・脱気筒(だっきとう)
屋上において、コンクリートの下地部分と防水層の間に発生した水蒸気を排気するための筒。温度差や太陽の熱による水蒸気で防水層が膨らんでしまうのを防ぐ。

・建物診断(たてものしんだん)
建物の経年劣化の程度や資産価値を測る診断。修繕の優先順位がわかるため、長期修繕計画の策定や大規模修繕の見積もりにもメリットがある。

・タラップ(たらっぷ)
屋上や屋根、マンホール内の昇降のため、外壁などに設置されている金属製の足かけ。はしご状のものや階段状のものがある。

・段裏(だんうら)
階段の裏側。上げ裏の一種。

・段階増額積立方式(だんかいぞうがくつみたてほうしき)
長期間にわたり一定額で修繕金を集める「均等積立方式」に対し、修繕の必要性や程度に応じて修繕資金を集める方式。時間の経過とともに劣化は進むため、長期的に住まう予定の住民にとっては年齢を重ねるほどに費用負担が大きくなる。国土交通省から出されている「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」では、増額の合意形成が懸念点としてあげられている。

・単管足場(たんかんあしば)
単管パイプを交差させ、金具で留めて作る足場。足場の高さや位置を比較的自由に設計できる一方、足場がパイプになるため滑りやすく、安全性が低い。

・単管抱き足場(たんかんだきあしば)
垂直の単管パイプを2本のパイプで平行に挟んで抱き合わせて作る足場。

・単管ブランケット足場(たんかんぶらけっとあしば)
単管パイプに足をのせる板をボルトで固定した足場。1つずつ板とボルトを固定するため工期が長くなるが、単管足場より安全性が高い。

・断熱(だんねつ)
熱が伝わるのを防ぐこと。建物においては断熱材を構造躯体内に施す「内断熱」と構造躯体を包むように外側に施す「外断熱」の2通りがある。外断熱のほうが外気温の影響を受けにくいが施工コストが高く、一般的には内断熱が用いられる。

・端末シーリング(たんまつしーりんぐ)
壁と床のように、部材と部材の境界をシーリング材で埋め、気密性や防水性を確保する作業。

・チャッキ弁(ちゃっきべん)
水などの流体を防ぐために配管に取り付けられる弁。「逆止弁」「逆流防止弁」「チャックバルブ」とも呼ばれる。

・中性化(ちゅうせいか)
モルタルやコンクリートが、大気中の炭酸ガスなどに反応してアルカリ性から中性になること。鉄筋が錆び、本来の強度を維持できなくなる。

・長期修繕計画(ちょうきしゅうぜんけいかく)
マンションの寿命を延ばし資産価値を維持するため、10〜20年後を見据えて修繕の予定を組むこと。またその実行のための予算を備えること。

・チョーキング(ちょーきんぐ)
雨や紫外線による劣化で、外壁の塗料に含まれている顔料がチョークのような粉になって浮き出る現象。

・通気管(つうきかん)
排水管内の圧力を調整し、スムーズに水が流れるようにするために設けられる配管。

・出隅(ですみ)
2面の壁や板が出会ったときにできる隅の出っ張った部分。内側の凹んでいる部分は入隅という。

・鉄筋コンクリート造(てっきんこんくりーとぞう)
コンクリートの中に鉄筋を入れる構造。耐震性、耐久性、防音性に優れている一方、熱伝導率が高く冷暖房の効きが悪くなる傾向にある。

・鉄骨造(てっこうつぞう)
鉄や鋼でできた棒状の部材を柱と梁に使用した構造。耐久性が高く、鉄筋コンクリートに比べて軽い。主要部材を現場で組み立てるため、工期も短くコストも低い。

・鉄骨鉄筋コンクリート造(てっこつてっきんこんくりーとぞう)
鉄筋コンクリートに鉄骨も内蔵させ、さらに強度あげた構造。建築コストが他の構造よりも高くなる。

・テラス(てらす)
建物の一階部分からせり出し、ダイニングやリビングから直接出入りできるようになっている屋根のない空間。

・天井換気口(てんじょうかんきこう)
室内の空気を排出し、新鮮な空気を取り込むために天井に設置されている換気口。トイレやバスルームに設置される。

・天端(てんば)
建築物の最頂部または各部位の上面の部分を指す言葉。上端とも。

・樋(とい)
雨樋に同じ。屋根や屋上に流れる雨水を集め、地上や地下に流すための設備。屋根に流れる雨水を受け止める半筒上の「軒樋」、雨水を地面に流す「竪樋」などの種類がある。

・塔屋(とうや)
ビルやマンションの屋上にあって、突き出した部分。機械室や階段室、空調・給水設備室として利用される。

・トップコート(とっぷこーと)
外壁塗装の最終工程で、防水性や耐久性を高めるための仕上げとなる塗装。上塗り材ともいう。

・トップレール(とっぷれーる)
ベランダやバルコニー、屋上の腰壁に取り付けられる手すり。落下防止や、高級感の演出に効果的。耐久に優れ錆びにくい、ステンレス製やアルミ製のものが一般的。

・塗膜(とまく)
塗料が固まってできた膜を指す。建物の保護や防水の役割を果たす。塗膜が劣化し、本来の効果を発揮しなくなったものを、「脆弱塗膜」という。

・塗膜付着力試験(とまくふちゃくりょくしけん)
外壁の塗膜が剥がれ落ちてしまう可能性を数値化して測る試験。壁面に鋼製アタッチメントを装着し、「引張試験器」で引っ張り、破断した時点の数値を読み取る。

・塗膜防水(とまくぼうすい)
防水工事で行われる工法の1つ。ウレタンを原料にしたものが多く、塗料状のウレタンゴムを塗って防水層を形成する。

・ドライエリア(どらいえりあ)
地下室の採光、喚起、防湿のために、外壁を囲むように掘り下げられた空間。空堀りとも。

・トラップ(とらっぷ)
排水管の汚染物質や臭気の流入をたまり水で阻止するため、管がS字やU字、P字に湾曲した部分。

・取合(とりあい)
建築用語で、部材どうしの接点の具合や接合方法を指す。サッシとタイル、タイル面と塗装面の接合部など。

・ドレーンレール(どれーんれーる)
エアコンの室外機から流れる排水を、排水溝へと導くための部材。中心に溝がある形状で排水が広がらない仕様になっており、床面を清潔に保てる。

・ドレン(どれん)
水抜きのための装置。排水管や排水溝などを指す。

な行

・中塗り(なかぬり)
外壁塗装において、下塗りと上塗りの間に塗りつける層。下地を整えたり、上塗り材を補強したりといった効果がある。

・ネット養生(ねっとようじょう)
足場と建物の間に、落下防止を目的に設置されるネット。

・熱割れ(ねつわれ)
窓などのガラスが太陽や室外機の熱で温められ、温度が低い部分との温度差によってひび割れる現象。

・軒天(のきてん)
屋根の裏側。一般住宅の三角屋根や被災、軒、階段の裏側も指す。

・ノンスリップ(のんすりっぷ)
階段の踏板(踏面)の縁についている、滑り止め。階段先端部の破損、摩耗の防止も目的にしている。金属製やタイル製のものが一般的。

は行

・排煙設備(はいえんせつび)
火災時に発生した煙を屋外に排出し、避難時間の確保や円滑な消防活動の支援を目的とした設備。設置基準は建築基準法と消防法で定められている。

・排水ドレン(はいすいどれん)
排水、雨水、汚水を流す設備。排水口。

・剥離(はくり)
タイルや塗膜された塗料が浮いたり剥がれたりしてしまう現象。

・爆裂(ばくれつ)
コンクリートの亀裂から侵入した雨水などで、内部の鉄筋が錆びて膨張し破裂する現象。

・斫(はつり)
コンクリートを削る、壊す、切る、穴を開けるなど、サッシや窓枠に合わる作業。

・ハト小屋(はとごや)
建築用語で、エアコンの室外機や冷却塔への渡り配管を屋上へ貫通させる際に、配管の防水を目的に設けられる小屋。

・巾木(はばき)
壁と床の境目を仕切る横板。壁と床の隙間にある隙間を塞ぎ、隙間風やほこりの蓄積を防ぐ効果がある。

・はめ殺し(はめごろし)
開閉ができないよう固定された窓。喚起目的ではなく、採光を目的として取り付けられる。FIX窓とも呼ぶ。

・パラペット(ぱらぺっと)
落下防止などを目的として、平らな屋根や屋上、バルコニーの外周部に設けられた低い壁。

・梁(はり)
建物の柱と柱を水平方向に繋ぎ、床や屋根などの重量を支える部分。階段部分の梁を階段梁という。

・バリアフリー(ばりあふりー)
高齢者や障がい者が安全に生活できるよう、道路や建物にある段差や物理的な障壁をなくすこと。

・バルコニー(ばるこにー)
室外に張り出している屋根のないスペース。ベランダは屋根があるスペースを指す。下の階の屋根部分を利用して作られた空間はルーフバルコニーと呼ばれる。

・パルハンマー(ぱるはんまー)
打診棒ともいい、コンクリートやモルタル、タイル面、塗装面が、下地から剥離していないか調査するための棒。

・ヒートポンプ式電気温水器(ひーとぽんぷしきでんきおんすいき)
室外から取り込んだ空気の熱をポンプ内のCO2が吸収、コンプレッサーで圧縮することでさらに高温にして、その熱でお湯を沸かす機器。

・引込開閉器盤(ひきこみかいへいきばん)
集合住宅の各戸へ電源を供給するための共有分電盤。

・庇(ひさし)
窓や玄関の上にある小さな屋根。日避けや雨避けの効果がある。

・PC造(ぴーしーぞう)
あらかじめ工場で作られたコンクリート部材を運搬可能な大きさにして運び現場で組み立てる「プレストキャストコンクリート」を使用した建築構造。

・避難設備(ひなんせつび)
災害発生などの緊急時に、建物内の人が避難できるよう設けられた設備。避難はしごや救助袋などの「避難器具」と、避難通路や階段に誘導するための「誘導灯・標識」に分けられる。

・避難ハッチ(ひなんはっち)
バルコニーに設置してある避難器具。はしごが収納してあり、緊急時に階下へ避難できる。

・避雷針(ひらいしん)
建物への落雷を防ぐため、自ら放電をして雷を誘導し、電流を安全に地表へと流す棒状の装置。建物の一番高いところに設置する。

・平場(ひらば)
建築用語において、建物の屋根や屋上の平面を指す。

・ピロティ(ぴろてぃ)
2階以上の建物で、1階部分のうち壁がなく柱だけで構成された空間。1階部分をエントランスホールや駐車場として用いる際にとられる形式。

・ピンホール(ぴんほーる)
外壁塗装の不良によりできた針でついたような小さな穴。塗装時の気温や乾燥時間、塗膜の厚みが適切でない場合に発生する。見た目が悪くなるだけでなく、劣化に繋がる可能性がある。

・FIX窓(ふぃっくすまど)
開閉ができないよう固定された窓。喚起目的ではなく、採光を目的として取り付けられる。はめ殺し窓とも呼ぶ。

・フィラー擦り込み(ふぃらーすりこみ)
外壁のコンクリートやモルタルのひび割れを補修する工法のひとつ。Uカット工法のようにひび割れ周辺をを切り取らず、フィラーよ呼ばれる詰め物をすり込むため、工程が少なく簡単な工法。軽微なひび割れに適用する。

・吹付タイル(ふきつけたいる)
外壁の仕上げ方法の一種。塗料を下塗材、主材、上塗材の3回塗り重ね、ローラーやコテを使って表面に凹凸模様を付けて仕上げる塗装方法。

・吹付塗装(ふきつけとそう)
スプレーガンと呼ばれる道具などを用いて、塗料を外壁に噴出させて塗布していく方法。霧状に吹き付けるため細かい凹凸が表現できる。

・フッ素樹脂塗料(ふっそじゅしとりょう)
フッ素樹脂を配合した塗料。耐久性、耐水性、艶にも優れ高レベルな塗料であると同時に、コストも高い傾向にある。

・フッ素トップ(ふっそとっぷ)
フッ素樹脂を使用したトップコート(塗装の表面に塗って保護する仕上げ材)。

・プライマー(ぷらいまー)
塗料を綺麗に仕上げるため、材料の下地として塗る塗料。壁や屋根と上塗り用の塗料の双方になじむ成分でできている。

・ブリード汚染(ぶりーどおせん)
外壁などのひび割れをシーリング材等で補修した際、シーリング材の成分と塗料が化学変化を起こてしまい、成分がにじみ出たために汚れやホコリを吸着して汚れてしまう現象。

・分電盤(ぶんでんばん)
電力会社から幹線を通して送られる電力を、複数の回路へ分岐して家庭内の電子機器に分配する機能を持つ設備。漏電を検知して電気を止める「漏電遮断機」や、規定以上の電流が流れた際に自動で遮断する安全ブレーカーが備えられている。

・隔板(へだていた)
ベランダやバルコニーにあり、隣接する住戸間を区切るパーテーション。非常時には蹴破って隣戸のベランダへ避難できるようになっている。

・変性エポキシ(へんせいえぽきし)
鉄をはじめ金属素材への密着性が高く、防錆材に優れる塗料の素材。通常のエポキシ材のように専用の溶剤や中和材を必要とせず使い勝手が良い。

・ベントキャップ(べんときゃっぷ)
雨水や虫の侵入を防ぐ目的で外壁の給排気部分に取り付ける蓋。ガラリや換気口カバーとも呼ばれる。一般的には丸い形状をしている。

・防火管理者(ぼうかかんりしゃ)
多数の人が利用する建物において、火災等の被害を防止するために防火管理の消防計画を作成し、管理業務を行う責任者。

・ポリエチレン管(ぽりえちれんかん)
プラスチックの一種でもっとも生産量の多いポリエチレンを利用した管。上下水道や灌漑用水管など、広くライフラインに関わる部分に用いられている。

・ポリッシャー(ぽりっしゃー)
円形のブラシやパッドをモーターで回転させて、床の洗浄や磨き、ワックスの剥離作業を行う清掃機械。片手でも扱える小型の物はハンドポリッシャーと呼ばれる。

・ポリマーセメント(ぽりまーせめんと)
外壁やベランダ、屋上など雨水にさらされる部分に用いられる防水下地。有機溶剤を含まないため環境や人にやさしい。

・ポンプ室(ぽんぷしつ)
蓄えた上水を各戸へ送るためのポンプが設置されている建物や部屋。給水方式にかかわらず必要な設備。多くの場合、1階や屋上に設けられている。

ま行

・幕板(まくいた)
壁や屋根に取り付けられる横長の板。外壁において1階と2階の境目や屋根の縁など、境界線の役割として用いられる。

・マスキング(ますきんぐ)
塗装時に、塗料の付着を防ぐ目的で、テープやビニールシートを使って該当部分を覆うこと。養生ともいう。

・マスターキー・システム(ますたーきーしすてむ)
複数の錠前を1つの鍵(マスターキー)で開けられるシステム。全戸を開けられるマスターキーではなく、一定戸数ごとにマスターキーを分けるケースもある。

・丸環(まるかん)
高層建物の屋上に設置されている金属製の輪。外壁や窓の清掃にあたって、清掃員が命綱として用いるロープを固定する。

・見切目地(みきりめじ)
壁と天井、床と壁の間など、異なる素材がぶつかる部分。また、そこに入るつなぎ目の部材。

・密着メッシュ工法(みっちゃくめっしゅこうほう)
均一になりにくいウレタン防水塗膜を用いる際に、下地にメッシュシートを貼り付け、その上から塗装する工法。下地との密着性を高め、塗膜の厚さを均一にできる。

・メーターボックス(めーたーぼっくす)
電気やガス、水道などの計量器を、検針しやすいよう一箇所に集めて収納する空間。

・目地(めじ)
タイルやレンガなどを貼ったり積んだりする際にできる隙間、継ぎ目の部分。

・面格子(めんごうし)
窓の外側に取り付ける格子状の枠。窓からの侵入者を防ぐ目的で、主にキッチンやバス、トイレに取り付けられる。

・模様替(もようがえ)
建築物の構造・規模・機能を変えず、既存のものとほとんど同じ材料・形状・寸法で作り替えること。クロスの張り替えやカーテン、キッチンの変更など。

・モルタル(もるたる)
砂と水とセメントを混ぜ合わせて作る建築材料。ペースト状で時間が経つと固まる。壁や床の仕上げ材、タイルやレンガを装飾する時の目地剤、なめらかな平面を作るための下地材として使われる。粗骨材である砂利が加えられたものがコンクリート。

や行

・Uカットシーリング(ゆーかっとしーりんぐ)
コンクリートに生じたひび割れを補修するため、ひび割れ部分をU字にくりぬき、シーリング材を充填する工法。

・誘発目地(ゆうはつめじ)
コンクリートの乾燥や温度変化によって発生するであろう亀裂を事前に想定し、計画的に一定の場所へひび割れを集中させるため、故意に設ける目地。比較的安全な位置でひび割れるようコントロールできるとともに、修繕箇所が集中することで工事がしやすいというメリットがある。

・養生(ようじょう)
建築・工事作業中に材料が飛散したり、物がぶつかって汚損したりするのを防ぐために保護すること。打設したコンクリートの表面にかけるブルーシートや、壁紙塗装時に使用するマスキングテープなどが養生にあたる。マスキングと同義。

ら行

・ラーメン構造(らーめんこうぞう)
垂直に立つ「柱」と、水平方向に柱を繋ぐ「梁」でできた長方形の骨組みに囲われている構造。「ラーメン」とはドイツ語で「枠」の意。

・ライニング更生工事(らいにんぐこうせいこうじ)
古い配管を新しいものに取り替える「更新工事」に対し、既存の配管をクリーニングして専用の塗料を流し新管のように再生させる工事。

・ライニング配管(らいにんぐはいかん)
配管の内側にサビ止めや摩耗防止の目的で、タールエポキシ、モルタル、ゴム、テフロン、塩ビ管等を接着した配管。強度や衛生面で優れており、コストも低い。多くの配管に利用されている。

・ラスカット工法(らすかっとこうほう)
配管の腐食を抑えて延命させる工法の一つ。電流を流して防食を図る。

・ラッキング(らっきんぐ)
配管の保温や断熱に用いられている素材を保護する薄い金属の板材、またその板材を巻く作業を指す。

・陸屋根(りくやね、ろくやね)
傾斜のない平面上の屋根のこと。平屋根、フラット屋根とも。

・リノベーション(りのべーしょん)
リフォームが老朽化した建物を元の状態に戻すことを指すのに対し、既存の建物に新たな機能や価値を付け加える改装工事を指す。

・ルーバー(るーばー)
羽板と呼ばれる細長い板がブラインドのように平行に連なっているものの総称。日避けや雨避け、目隠しを目的として設置される。

・ルーフドレイン(るーふどれいん)
ベランダや平面状の屋根の雨水を集め、排水するための金物。

・ルーフバルコニー(るーふばるこにー)
階下の屋根を利用したバルコニーのこと。建物から外へ張り出しているような構造で、屋根がなく、周りが柵やフェンスで囲われている。ルーフテラスやルーフガーデンとも呼ばれる。

・劣化診断(れっかしんだん)
建物がどれほど劣化しているかを見る調査。外壁や躯体、防水機能、配管の劣化を確認する。修繕箇所がわかると、工事の優先順位や費用を把握できる。

・連結送水管(れんけつそうすいかん)
消防活動で消防隊が使用する設備。送水口、放水口、放水用具格納箱等で構成される。外部からの消火活動が困難な高層建築物や地下街に設置される。

・連結送水管ボックス(れんけつそうすいかんぼっくす)
連結送水管が収納されている箱。

・ロータリングタワー足場(ろーりんぐたわーあしば)
キャスターが付いていて、組み立てたままの状態で移動できる足場。2階建て程度の高さの作業に適している。

・ローバル塗装(ろーばるとそう)
高温で加工処理が必要な溶融亜鉛めっきと同等の防錆性能を持つ亜鉛含有率が高い塗料。常温で施工できるため「常温亜鉛めっき」とも呼ばれる。

・露出防水(ろしゅつぼうすい)
目に見えている表面部分に防水加工が施されている工法。下地によってアスファルト防水、シート防水、塗膜防水といった仕様が使い分けられている。

わ行

・枠組足場(わくぐみあしば)
工事現場でよく使用される足場で、単管だけでなく複数の部材で構成されている。組み立てはボルトや番線を使うため騒音が少ない。くさび足場や単管足場よりも強度が高く、安全性も優れている。

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