人が不快に感じる音の度合いとは?「騒音レベル」について知ろう!
近隣住民とのトラブルを避けるためにも騒音には気をつけたいところ。しかし、音の感じ方は人それぞれです。自分にとっては気にならない音量でも、他の人は騒音と感じているかもしれません。そこで騒音を客観的に評価する騒音レベルの考え方が大切になってきます。
この記事では騒音の目安となる騒音レベルやその計測方法について解説していきます。
騒音レベルは音の大きさを数値化したもの
そもそも騒音とは人が聞いて「騒々しい」「不快だ」と感じる音のことをいいます。この騒音の大きさを客観的に数値で表したものが、騒音レベル。騒音レベルはdB(以下デシベル)という単位で表され、騒音計を使用して計測しますが、この数値が大きいほどうるさい音といえます。
身近な音の騒音レベル
では、普段聞いている音は騒音レベルで表してみると、どのぐらいの数値になるのでしょうか。
表としてまとめると以下の通り。
以降では、各レベルをもう少しだけ詳しく見ていきましょう。
【20デシベル】ほとんど音が聞こえない
20デシベルは、無音とはいかないまでもほとんど音が聞こえないようなレベルです。
木の葉のふれあう音や雪の降る音、また人の声だと小さな寝息程度だといえます。
【30デシベル】小さなささやき声程度
深夜の郊外の静けさや鉛筆の執筆音などは、このレベルに該当。人の声で例えると、小さなささやき声程度です。
【40デシベル】図書館内で感じるレベル
40デシベルは閑静な住宅地の昼間や図書館内で感じるレベル。リビングや寝室など、ゆったり過ごすことを目的とした場所で感じる音のレベルは、40デシベル以下が望ましいとされています。
【50デシベル】静かな事務所の中
50デシベルは、人が通常発する声や家庭用クーラーの駆動音、換気扇が発する音と同レベルになってきます。
人によって音の感じ方は変わり、自分がいる環境によっても適正な音のレベルは異なりますが、50デシベル以上になってくると室内では騒音と感じる方も出てくるようです。
【60デシベル】ここからは少し「うるさい」と感じる
60デシベルになると、「うるさい」と感じる人も多くなってきます。60デシベルは洗濯機やテレビ、トイレで水を流すときやデパートの店内で感じる音とだいたい同じ大きさです。
【70デシベル】声を張り上げる必要が出てくる
70デシベルになると人が極端に多い街頭や掃除機の音など、ある程度声を張り上げなければ、会話が成り立たないレベルになってきます。
【80デシベル】「かなりうるさい」と感じる
80デシベルは、地下鉄の車内やピアノなどの楽器の音、またパチンコ屋の店内や救急車のサイレンで感じる音と同じ大きさになっていきます。つまり、かなり大きな声を出さなければ会話は成り立たなくなるでしょう。
【90デシベル】「きわめてうるさい」レベル
90デシベルまでいくと犬の鳴き声やカラオケルームで感じる音と同じ大きさになります。
ここまでくると、マンションでよく起こる騒音トラブルの原因となってしまう可能性があります。
距離が遠くなると音も小さくなる
なお、音の発生源から2m離れると騒音レベルは6デシベル下がります。隣人には自室で聞こえる騒音より6〜10デシベル程度小さい音だと考えられますね。
ただし、隣部屋と面している壁にテレビや洗濯機を配置していると、思っている以上に大きな音が隣人に聞こえているかもしれません。
日常生活で「騒音」とされる基準値を超えてしまう例
周囲に迷惑をかけないように配慮していても、思いがけず他の人にストレスを与える音を発することもあります。では、具体的にどういった状況がありえるのか。その例を紹介していきます。
【例1】洗濯機の音
洗濯機の騒音レベルは先ほど説明したように、60デシベル後半から種類によっては70デシベルほどとなっています。この基準値を超えてさらにうるさくなる原因としては、洗濯機が不安定な状態で設置されていたり、洗濯物を入れすぎたりしていることが考えられます。
とくに洗濯機のモーター音は壁を伝って隣室や階下、上階にも聞こえやすくなってしまうため、深夜や早朝など他の人が寝ている時間帯は避けるなどの配慮が必要になってきます。
【例2】人の話し声
通常の会話程度だと音のレベルは50デシベル程度ですが、例えば深夜に複数の友人と集まってわいわい騒ぎながら会話するような場合は、音量が90デシベルに達する可能性もあります。これは前述したように、騒音トラブルの原因となるような極めてうるさいレベル。トラブルを防ぐためには、いくら個人の住居とはいえ、夜間に複数人が集まって騒ぐなどはできるだけ避けましょう。