大規模修繕

マンションの修繕積立金の相場は? 不足した場合の対応も解説!

2020.03.16
マンションの修繕積立金の相場は? 不足した場合の対応も解説!

マンションを購入すると住宅ローンの返済以外に「修繕積立金」と「管理費」を負担しなければなりません。この2つの費用はマンションの管理組合が管理しているわけですが、「何に使われるお金なの?」と、疑問を持つ人もいると思います。そこで今回は、とくに金額も大きく、仕組みも分かりづらい「修繕積立金」に焦点を充てて、相場や適正価格、さらに不足した場合の対応なども解説していきます。

「修繕積立金」は十数年先を見越して積み立てられる

そもそも修繕積立金とは「建物内のとくに共用部の修理や修復のために積み立てておく費用」のことです。具体的には、新築10年目から20年目に発生するような大規模な建物の修繕工事(大規模修繕)や建物診断、さらに突然の災害により建物が破損した場合など、日常のメンテンナンスの範囲を超えた修理などで使われます。

建物の外壁や屋上などの修繕工事は多額の費用がかかるため、各区部所有者の住民から一度に納めてもらうのは困難といえます。そこで基本的には毎月少しずつ納めてもらうかたちで、マンションの管理組合が修繕費用を積み立てていくのです。積み立てた修繕積立金を使って定期的に修繕を行うことは、暮らしやすさの向上につながるのはもちろん、大切なマンションの資産価値を保つことにもつながります。

そのためマンションでは新築時に「長期修繕計画」を用意し、将来見込まれる修繕工事の内容や時期などをあらかじめ決めておくのです。そして工事内容から逆算した修繕費用の概算を出し、専有面積に応じて各住戸が負担する修繕積立金の額を割り振っていきます。長期修繕計画は、新築マンションの竣工時に販売会社から所有者(購入者)へ提示されるのが一般的です。

なお所有者が納めた修繕積立金の管理・運用方法や長期修繕計画の立て方などは、国土交通省がガイドラインとしても定めていますので、こちらもぜひ参考にしてみてください。

「管理費」は日常のメンテナンスに使われる

一方で管理費とは、マンションの共有部分の清掃費用や、エレベーターや防犯カメラなどの日常的な維持管理に対して使われる費用を指します。

一般的に日常の清掃業務などは、委託した管理会社の清掃員が行うことがほとんどでしょう。こういった日常的なメンテナンス業務について、マンションの所有者から管理会社に支払うお金は、管理費のなかからまかなわれます。

そのほかマンションの共有部分の水道光熱費や損害保険料なども、管理費から支払われます。

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修繕積立金の相場は月1万円以上!

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では続いて、気になる修繕積立金の相場を見てみましょう。

2018年に国土交通省が行った調査によれば、1戸当たりの修繕積立金の額は平均1万2268円/月となっています。同調査によると1999年は平均7378円であり、ここ20年で4000円近く修繕積立金の額が値上がりしていることがわかります。

また、築年数で区別したときの修繕積立金の平均額は以下の通り。

〜1989年:1万2154円
〜1994年:1万2760円
〜1999年:1万3447円
〜2004年:1万2649円
〜2009年:1万2386円
〜2014年:9846円
2015年〜:6928円

このデータを見ると、築年数の浅いマンションほど修繕積立金が低い傾向にあるようです。新築時には販売しやすいように修繕積立金の額が低く設定されていることや、建物が古くなるにつれて修繕積立金の値上げなど、金額を改定していくマンションが多くなるなどの理由が考えられます。

続いて、戸数別の修繕積立金の平均額も見ていきましょう。

31〜50戸:1万2952円
51〜75戸:1万0581円
76〜100戸:1万1535円
101〜150戸:1万0775円
151〜200戸:1万2698円
201〜300戸:1万2883円
301〜500戸:1万4496円
501戸以上:1万3719円

パッと見ると戸数別で金額の差はないように思いますが、特徴としては31〜50戸などの小規模な建物や、301戸を超える規模の大きいマンションで平均額が高い傾向にあるようです。一概には言えないものの小規模マンションでは、そもそも修繕費を負担する戸数が少ないため、一戸当たりの修繕積立金の額が高くなってしまうことが考えられます。一方で戸数の多い、特に大規模なタワーマンションなどは充実した付帯設備を維持・管理するために、修繕積立金の額も高くなることが予想されるでしょう。

ちなみに管理費の平均は1万5956円/月(2018年)なので、住宅ローンの返済以外に平均して2万〜3万円程度の負担が相場といえます。

自分が日頃支払っている金額とどれぐらい違うのか、ぜひ比べてみましょう。

修繕積立金の適正価格の目安は国交省が定めている

修繕積立金の相場については前述した通りですが、一方で建物の規模や築年数、長期修繕計画の立て方などによって適正価格は変わってきます。そこで国土交通省では、「長期修繕計画作成ガイドライン」に沿って作成された長期修繕計画の84事例をもとに、専有部分の面積1㎡当たりの月額の目安を算出してくれています。

金額の目安については、以下のように建物の階数や延べ床面積(各階の床面積の合計)によって異なります。

■専有面積1㎡当たりの修繕積立金の月額
●15階未満
延べ床面積5000㎡未満:218円/月
延べ床面積5000㎡〜1万㎡未満:202円/月
延べ床面積1万㎡以上:178円/月

●20階建て以上(タワーマンションなど)
206円/月

1㎡当たりの目安だけではイメージしづらいと思うので、具体例を挙げて、適正価格を計算してみましょう。例えば地上10階建てで、専有面積が80㎡、建物全体の延べ床面積が5000㎡のマンションに暮らしている場合、以下のように1万6160円/月が適正価格となります。

202円×80㎡=1万6160円/月

なお機械式駐車場がある場合は少し複雑になるのですが、次の計算式をもとに算出した金額を、上の価格に上乗せします。

A×駐車台数×専有面積÷全住戸の専有面積の合計

Aには、機械式駐車場の機種に応じて以下の金額のいずれかが入ります。
・7085円(ピット1段昇降式)
・6040円(ピット2段昇降式)
・8540円(ピット1段昇降横行式)
・1万4165円(ピット2段昇降横行式)

修繕積立金は返還されない!

居住している間に修繕が行われないとしても、修繕積立金は返還されません。一般的な管理規約では、支払った修繕積立金は管理組合の財産となるため返金の義務はないと定められています。

また、修繕積立金を滞納したままマンションを売却し、支払いを新しい居住者へ肩代わりさせることは可能ですが、新しい所有者は前の所有者に滞納分を請求することができます。

そもそも滞納がある物件は買い手がつきにくいため、修繕積立金の支払いは必須と考えましょう。

修繕積立金は値上がりする可能性も! その理由とは?

各住戸に割り振られる修繕積立金の金額は、毎月毎年同じかというと、そうとも言い切れません。値上がりする可能性もあるのです。では、どういった理由で金額が上がってしまうのでしょうか。

【理由1】新築時の負担金額を抑える「段階増額積立方式」を採用

修繕費用の積立方法として「段階増額積立方式」を採用している場合、新築当初の修繕積立金を安く抑える代わりに、年数を重ねるごとに徐々に引き上げが行われていきます。販売時の修繕積立金を低めに設定することで売りやすくできるといった狙いがあり、多くの新築マンションで採用されています。

ただし値上げを行うためには管理組合の総会で合意を取りつける必要があり、計画通りに値上げができないと、修繕積立金が不足し、将来の修繕金が足りなくなってしまうリスクも持ち合わせています。

修繕積立金が不足した場合、どういった対応を行う必要があるのかについては、後ほど紹介しますね。

ちなみに「段階増額積立方式」のほかには、大規模修繕を実施するまでの期間中、毎月負担する修繕積立金を一定の金額に保つ「均等積立方式」が採用されている場合もあります。毎月一定であるために、修繕積立金の計算や計画が容易になる反面、新築当初から高い金額の修繕積立金を支払う必要があるでしょう。

【理由2】修繕費の相場自体が上昇してしまう

これから施工会社が提示する修繕費の相場が上昇し、それに合わせて修繕積立金も値上げを迫られる可能性はあるかもしれません。

高齢化による現役世代の人口減少で、企業の人手不足が問題視される現在。特に施工会社においては、職人の担い手不足の影響で1人当たりの人件費が高騰し、結果的に全体の修繕費が上昇する可能生もないとは言い切れないでしょう。

【理由3】当初の長期修繕計画になかった工事の実施

築年数が経過すると設備が古くなってしまい、修繕工事だけでなく、設備ごと取り替えるリフォーム工事などが発生する可能性もあります。また住人の高齢化が進めば、バリアフリーなど当初の長期修繕計画には含まれていない工事を実施することになるかもしれません。

結果的に修繕費用はこれまでよりも高額になってしまう可能性があるため、それを見越して、修繕積立金の額を値上げする可能性もあるでしょう。

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