マンション暮らしでNHKの衛星契約は拒否できるの?
BS対応マンションなら衛星契約のNHK受信料を払わないとダメ?
NHKの受信料には地上契約と衛星契約の2種類ありますが、自分はどちらの契約に該当するのか迷われる方も多いでしょう。
そんな方に向けてこの記事では、契約形態ごとのNHK受信料の違いをはじめ、衛星契約を行う必要があるのはどんな世帯なのかなどを紹介していきます。
NHKの公正な放送をサポートするために受信料を納めている
1950年、NHKは放送法にもとづく「公共放送」として誕生しました。公共放送とは国家から独立し、営利も目的としない、公共福祉のための放送のこと。政府からの干渉を受けることなく、自主性を保障されています。
特定の企業や団体の意見に左右されることなく公正な放送を行うため、企業の広告費などではなく、国民から集めた受信料が主な財源。そのため私たちはほかの放送局とは異なり、NHKだけに受信料を納めているのです。
NHKに納める受信料は2種類ある!
冒頭でも紹介した通り、NHKとの契約形態は主に2種類あり、契約の仕方によって納める受信料も異なります。
【1】地上契約の受信料
日本放送協会放送受信規約のなかで、地上契約については「地上系によるテレビジョン放送のみを受信できるテレビジョン受信機を設置(使用できる状態におくことをいう)した者は地上契約を締結しなければならない」と定められています。
つまり地上系のNHK放送のみを受信できるテレビやレコーダーなどが自宅にある場合、視聴の有無にかかわらず、毎月1260円(口座・クレジット)を納める必要があるでしょう。なお、2020年10月からは値下げが実施され、毎月1225円(口座・クレジット)となります。
【2】衛星契約の受信料
同じく日本放送協会放送受信規約のなかで、衛星契約については「衛星系によるテレビジョン放送を受信できるテレビジョン受信機を設置した者は衛星契約を締結しなければならない」と定めています。
つまりBSやCSといった衛星系のNHK放送を受信できるテレビやレコーダーなどが自宅にある場合、視聴の有無にかかわらず、毎月2230円(口座・クレジット)を納めます。ちなみに、衛星契約の受信料も2020年10月から毎月2170円(口座・クレジット)へと値下げを実施。この金額を見ると、地上契約よりも衛星契約のほうが高いことがわかります。
衛星契約の受信料を払う必要があるケースは?
マンションにお住まいの場合、衛星契約を行う必要があるかは、共同の受信設備の有無で決まります。ただ最近できたばかりのマンションは、そのほとんどが受信設備を備えていると考えて良いでしょう。そのため、BSやCSを見る・見ないにかかわらず、全世帯が衛星契約の対象となる可能性があります。
放送法の第64条1項にも「NHKの放送を受信することができる受信設備が設置されていれば、受信契約をしなければならない」と定められており、共同の受信設備があり、なおかつ自宅にテレビがある家庭は基本的にNHKの衛星契約を断るのは難しいといえそうです。
地デジ専用テレビしかない場合は衛星契約は不要!
ただ、衛星放送を受信できる共同アンテナを設置しているケースでも所有しているテレビなどが地デジ専用の場合、衛星契約の受信料を払う必要はないといえます。「衛星契約はしたくないけどテレビは見たい」という方は、地デジ専用タイプの多い小型のテレビを購入する方法もあるでしょう。
なお、衛星契約を拒否できる基準などは以下の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
正規の受信料を割引する制度もある?
「家族割引」といって、実家と生計が同一であれば受信料が半額になる制度もあります。つまり親元から離れて暮らしている学生や、単身赴任中の会社員など、実家と生計が同一であれば、受信料が半額になるというわけです。
手続きは簡単で、NHKのホームページ上から行うことができます。
この制度、基本的に訪問員が説明してくれることはありません。そのため自分で申し込まない限り、正規の受信料を払い続けることになるので、チェックしておいて損はないでしょう。
間違って衛星契約を行っていることも!?
前述したように自宅内に衛星放送を受信できる機器がないにもかかわらず、衛星契約を結んでいるケースもあります。その場合、1年間で換算すると、1万円以上も余計に受信料を払っていることに。
心当たりがある場合は受信環境を確認した上で、「NHK受信料の窓口」に電話をかけて相談してみましょう。解約が受理されれば、1週間ほどで契約種別変更の申請書が郵送されますので、必要事項を記入して返信すると手続き完了となります。
集金人側で受信環境の確認を行っているとは限らない
受信料の集金は、外部の委託業者が代行していることも。報酬は出来高制と言われており、契約が取れなければ当然ですが収入になりません。そのため契約を取ることが目的となり、利用者の受信環境をいちいち確認しない現状もあります。
本当は払う必要のない料金まで負担しないためにも、事前に自身の受信環境についてチェックしておきましょう。
所有するテレビが地デジ専用なら衛星契約は不要!
マンションに衛星放送の受信設備があり、自宅のテレビやレコーダーなどに衛星チューナーが内蔵されている場合、衛星放送を見る・見ないにかかわらず衛星契約を結ぶ必要があります。
ただ、所有しているテレビが地デジ専用の場合、衛星契約ではなく地上契約となります。そのためもし誤って衛星契約を行っている場合は「NHK受信料の窓口」に電話をかけて、解約の手続きを行いましょう。