大規模修繕

意外と高額な外壁塗装の相場。内訳や見積書の見方も解説!

2020.03.16
意外と高額な外壁塗装の相場。内訳や見積書の見方も解説!

新築から十数年経ったタイミングで実施される外壁塗装について、「どのくらいの費用がかかるの?」と疑問を持つ方もいることでしょう。そこで今回は外壁塗装全体にかかる費用について、ざっくりとした相場を紹介。受け取った見積書でわかる、信頼できる業者を選ぶポイントについても解説していきます。

外壁塗装の費用は少なくとも数百万円以上かかる!

外壁塗装の相場は、1戸あたり約13〜22万円、80戸あるマンションであれば、全体で1040〜1360万円程度の工事費用がかかる計算です。

この目安は、大規模修繕にかかる費用から算出しているものです。

国土交通省の2017年度調査によると、大規模修繕費用の1戸当たりの相場は、
・75〜100万円が30.6%
・100~125万円が24.7%
という割合になっており、だいたい75〜125万円が相場といえます。

同調査によると全工事金額の内訳のうち外壁塗装の割合は17.3%となっています。1戸当たりの費用を単純計算すると、約13〜22万円が外壁塗装の相場であると考えられるのではないでしょうか。

建物の規模や形状、立地、工事内容などによってもちろん金額は異なりますが、少なくとも数百万以上はかかるといえそうです。

外壁塗装の費用内訳を細かく見てみよう

外壁塗装では、塗装作業だけでなく作業用の足場の設置や外壁表面の高圧洗浄に関する費用などもかかります。

【項目5】塗装代

ここでは、外壁塗装の費用内訳について作業工程順に紹介していきます。

【項目1】足場代

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マンションなどの高所での作業で必要となる足場は、組み立てや解体、さらに運搬に対してかかる費用を合わせて、外壁塗装費用全体のおよそ20%を占めるといいます。

塗装業者自身で足場を組んでいるのか、または専門業者に外注しているのかでも値段は変わってきます。当然、塗装業者が足場まで組むほうが費用は抑えられます。しかし足場材は高額なため、塗装業者で準備していることは少なく、専門業者へ外注するケースが多いようです。

【項目2】養生代

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養生とは、窓などの塗装する箇所以外の部分に塗料が飛散したりはみ出したりしないように、シートやカバーで保護する作業のことです。基本的に、塗装する予定のない箇所はすべて保護する必要があります。

保護用に使用するテープやビニール、マスカーやブルーシートなどのすべてが養生代に含まれています。

【項目3】外壁洗浄代

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足場を組んで養生が終わったら、次は高圧洗浄を行っていきます。外壁の塗装面は劣化すると「チョーキング(白亜化)現象」といって白い粉状になることがありますが、このような状態の外壁に新しい塗料を塗っても、剥がれたり浮きやすくなったりしていまいます。

そのため高圧洗浄によって、古くなった塗装部分をきれいに取り除く必要があるのです。また外壁に付着している汚れを洗い流すことで塗料の伸びを良くし、均一な仕上がりにする目的もあります。

【項目4】シーリング代

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シーリング(コーキング)とは、ひび割れやジョイント部分の隙間などに、合成樹脂や合成ゴム製のペーストを充填する作業です。隙間から雨水が侵入することを防ぐのはもちろん、伸び縮みしやすい性質を持つシーリング材のおかげで、温度変化や地震の揺れによる振動を吸収する目的もあります。

このシーリング材は、10年程度で劣化するといわれており、外壁塗装にあわせて「打ち替え工事」を行うのが一般的です。打ち替えとは、既存のシーリング材を除去して、その上に新しいシーリング材を充填する作業のこと。

なお既存のシーリング材がそこまで劣化していない場合、打ち増しといって、古いシーリング材の上に新しいシーリング材を薄く塗ることもあります。

【項目5】塗装代

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ここまでの作業を経て、ようやく外壁塗装を行ってきます。なお、塗装は3回塗りが基本。1回目を「下塗り」、2回目を「中塗り」、3回目を「上塗り」と呼びます。

下塗りの目的は、外壁や屋根の塗装面と、中塗り・上塗りで使用する塗料の密着性を高めるため。この作業を行うことで、2〜3回目の塗りで使用する塗料が下地に吸い込まれて無駄になったり、塗りムラが発生したり、密着力が低下して剥がれやすくなったりするのを防ぎます。

中塗り・上塗りについては、使用する塗料によって単価や耐用年数が変わってきます。ここでは一般的に使用される塗料ごとの耐用年数、さらにメリット・デメリットなどを表でまとめてみました。

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なおアクリル系やウレタン系は耐用年数が低いために現在使用される機会は減っており、近年、マンションで主流となっているのはシリコン系の塗料といわれています。

費用を左右する要素

費用の内訳でも説明したように、使用する塗料が異なると費用も変わってきます。ほかにも、下記のような要素によって費用は変わるでしょう。

・劣化の程度
当然ながら、劣化が損傷が激しい場合、塗り替え以外の費用も追加でかかってくる可能性があります。

・建物の高さ、形状
階数が多ければ、それだけ必要な足場も増えるでしょう。外壁の形状が複雑な場合や、傾斜がある場合にも足場の組み立てに人数や時間がかかるため、比例して費用が高くなる傾向です。

・外壁そのものの種類
ALC(軽量気泡コンクリート)やサイディングが使用されている外壁の場合、目地があるためそれだけシーリング(コーキング)のメンテンアンスが必要になります。

・使用する色
外壁に使用する塗料の色が複数になるほど、費用がかかると考えられます。

・依頼する業者
管理会社と契約している業者に依頼する場合、仲介料が取られているケースもあります。ただし、安さだけを理由にして依頼してしまうのも考えものです。詳しくは次で説明しますが、信頼できる業者であるかどうかが重要です。

信頼できる業者を選ぼう!

費用はなるべく安く抑えたいところですが、工事にミスがあると、再び足場の組み直しから実施し直す必要が出てしまい、むしろ費用がかさんでしまう懸念もあります。

重要なのは、納得できる適性価格で信頼できる業者にお願いできるかどうか。注目したいのは、まずは下記の2点を押さえておきましょう。

・地元での施工実績がある
マンションのある地域での実績がない業者に依頼すると、出張費用などが加算されてしまう懸念があります。また、地元での実績が多いというのは、評判がいい業者である可能性が高いといえるでしょう。

・丁寧に点検してから見積書を出してくれる
実地点検をせずに見積を出す業者もありますが、それでは著しい劣化があった場合などに対応できません。実際に工事が始まるタイミングになって費用が上乗せされてしまう懸念もあるでしょう。60〜90分程度かけて点検してから見積を出してくれる業者のほうが信頼できそうです。

また、なかなか対応している業者は少ないのですが、「点検時だけではなく工事中の写真も取ってくれる」「塗料メーカーから保証が出ている」業者だと、さらに信頼できるでしょう。

見積もり書で業者を見極める!

見積書は、信頼できる業者かどうかを判断するうえで大事な情報が詰まっています。

例えば作業内容が「一式」と表記されている場合は、外壁塗装で必要な工事が抜け落ちている可能性もあります。

また「塗料メーカー名や商品名」などが明記されているかどうかもポイント。記載があることで、依頼者は各社のホームページでアレルギーを引き起こすような物質が含まれていないかなど確認をすることができます。塗装範囲や、諸経費に何が含まれているのかなどについても、事前に確認しておきましょう。

さらに「足場代無料」など、大幅な値引きがある場合も注意を払いたいところ。

他の項目でその分の費用を上乗せしていることもあります。外壁塗装に限らず業者を選ぶ際には、複数社に相見積もりを取ったうえで比較するようにしましょう。

意外と高額な外壁塗装工事は、複数社見積もりで検討

業者から受け取った見積もり金額について、疑問点があれば随時確認してみましょう。なお、複数社の見積書を比較してみることで適正な価格も見えてきます。

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