マンションの修繕積立金の相場は? 不足した場合の対応も解説!
マンションの修繕積立金、総額が不足したときの対処法は?
修繕積立金を毎月計画通りに積み立てているつもりでも、大規模修繕工事が近づくと予算不足で困ってしまうケースがあります。今回はそんな修繕積立金の総額を確認すべき理由と、不足したときの対処法について解説します。
マンションの修繕積立金とは?
修繕積立金とは、主に大規模修繕の工事費用の確保を目的として積み立てられるお金です。共用部分の修繕や改修工事、建物の躯体調査などにも使われます。
大規模修繕には多額の費用がかかるため、住民からまとめて一度に集めるのは困難。そのためマンションの所有者(区分所有者)が毎月決まった金額を納め、長期間にわたってコツコツと積み立てていきます。
修繕積立金はマンションの暮らしやすさや資産価値を守るために、大切な資金。必要な金額をきちんと用意できるように、「長期修繕計画」をつくって将来的にかかる修繕費を予測し、そこから逆算して毎月の修繕積立金が算出されています。
修繕積立金の相場について、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
修繕積立金の総額を確認すべき理由とは?
本来であれば計画的に積み立てるべき修繕費用ですが、マンションによっては資金が不足することもあります。
大規模修繕の直前になって資金不足が判明すると、まとまった金額の一時金を徴収しなければなりません。数万円から数百万円という大きな額になるため、家庭によっては支払うのが難しいこともあるでしょう。
予算不足で修繕工事が先延ばしになれば、建物の劣化や資産価値の低下にもつながります。不足分を金融機関で借り入れするという方法もありますが、その分の利息などは今後の修繕積立金に上乗せしなければなりません。
そういった事態に陥らないためにも、修繕積立金の総額を把握し、早めに資金不足に対応することが大切です。
修繕積立金が不足する原因はこの3つ!
長期修繕計画をもとに、必要な金額が算出されているはずの修繕積立金。しかし、大規模修繕直前になって予算不足が発覚するケースは少なくありません。
では、なぜ修繕積立金が不足してしまうのでしょうか。
【原因1】納めてもらう金額が低すぎる
修繕積立金不足の原因として、最も可能性が高いのは「最初の修繕積立金の設定額が低すぎる」ことです。
本来であれば長期修繕計画をもとに適正額が設定されていなければなりませんが、マンションによっては「修繕積立金は管理費の1割」という漠然とした目安から設定されることも少なくありません。
とくに新築時は分譲会社がマンションを売りやすくするため、月々の負担を低く見せようと、修繕積立金を低めに設定するケースがほとんど。どこかのタイミングで値上げや一時金徴収をしなければならないのですが、うまくいかないと資金不足に陥ります。
国土交通省のガイドラインでも、長期修繕計画にもとづいた修繕積立金の設定が推奨されています。分譲時は安く設定されていても、管理組合が早い段階で見直しに着手することが大切です。
なお修繕積立金の適正額については、以下の記事でも解説しています。
【原因2】予定通りに徴収できていない
修繕積立金が不足する2つ目の原因として、滞納者や空き部屋によって予定通りに徴収できていないことがあげられます。国土交通省の「2018年度マンション総合調査」では、約25%の管理組合が「管理費・修繕積立金の滞納者がいる」とも回答しています。
滞納者が出る理由の一つが、住民の高齢化です。最近ではマンションの居住者の2人に1人が60歳以上とも言われています。高齢化が進むと修繕積立金の値上げも難しく、資金不足へつながりやすくなるでしょう。
【原因3】コストのかかる機械が多い
エレベーターや機械式駐車場などメンテナンスコストのかさむ設備が導入されていると、資金不足に陥る可能性が高くなります。
マンションによって異なりますが、エレベータ―の保守点検費用は、30年間で約1000万円にのぼると言われることも。
さらに機械式駐車場の高額な点検・修繕費用は、駐車場使用料だけでは予算が足りないこともしばしば。修繕積立金や管理費から持ち出すケースも多く見られ、修繕積立金の不足の一因となります。
修繕積立金の総額が不足したらどうすれば良い?
では修繕積立金の総額を確認した結果、修繕費用が足りない場合はどうすれば良いのでしょうか。対処法を2つご紹介します。
【対処法1】長期修繕計画を見直す
まずは、長期修繕計画を見直しましょう。例えば大規模修繕の周期を延ばすことができれば、単純に支出は減ります。そのうえで修繕積立金の値上げや、金融機関からの借り入れを検討しましょう。
修繕積立金の値上げや、借り入れのタイミングについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
【対処法2】削減できるコストがないか確認
共用部分の電気代や設備契約、管理会社への委託費など、既存の出費のなかで削減できるものがないか改めて検討するのも効果的。
とくに委託費に関しては、新築時に販売会社の系列の管理会社が受託していることが多く、競争原理が働いていません。そのため管理会社を見直すことで、コストがぐっと下げられる可能性もあるでしょう。
単に金額を下げるのではなく、適切な金額で品質の高い管理業務が受けられるよう、委託内容をしっかり精査することも大切です。
管理会社の見直し方は、以下の記事でも詳しく解説しています。
修繕積立金の総額を確認して早急な対応を!
修繕積立金の総額を早めに確認しておくことで、資金不足などのリスクを回避することができます。もし金額に不足を感じたら、修繕計画の見直しやコストカットなど、今回紹介した対処法を試してみてくださいね。
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