大規模修繕

修繕積立金の適正額は? 計算方法と相場を解説!

2021.03.18
修繕積立金の適正額は? 計算方法と相場を解説!

マンションを快適に暮らせるように維持するため、定期的な修繕は欠かせません。そこで、修繕費用を確保するために大切な修繕積立金。ところが、国土交通省の「マンション総合調査」によると、修繕積立金が不足するマンションは約6割にも及ぶといいます。

「修繕費用が足りない……」という事態を防ぐためにも、修繕積立金の適正金額を把握しておく必要があるでしょう。この記事では、修繕が必要になったときに困らないために、修繕積立金の適正額の求め方や相場、不足時の対策について紹介していきます。

約6割のマンションは修繕積立金が不足!? 解消するには?

国土交通省の「マンション総合調査」によると、現在の修繕積立金が計画に比べて余剰があると回答した割合は33.8%でした。逆に言うと残りの6割近くは、計画と比べて修繕積立金が不足している可能性があるわけです。

不足分を解消するためには、駐車場を外部に貸し出したり、管理会社との業務委託契約を見直して支出を抑えたりなどいろいろと考えられますが、一つには修繕積立金の値上げがあげられます。値上げを行うために、まずは適正金額を把握しておきたいところ。そこで以降では、適正金額を算出する方法を紹介していきます。

修繕積立金の適正額って? 求め方を紹介

適正額

適正額の求め方は、2種類あります。

【算出式1】「マンション修繕積立金に関するガイドライン」から求める

修繕積立金の適正額は、国土交通省「マンション修繕積立金に関するガイドライン」に記載のある、以下の算出式から求めることができます。

専有床面積当たりの修繕積立金の額(※1)×マンションの専有床面積(㎡)+機械式駐車場の修繕工事費(※2)×駐車場数÷住戸数

専有床面積1㎡当たりの修繕積立金の額や機械式駐車場の修繕工事費については、建物全体の延べ床面積や階数、また機種に応じて以下の値を当てはめて計算します。

※1.専有床面積当たりの修繕積立金の額

専有床面積当たりの修繕積立金の額

※2.機械式駐車場の修繕工事費

機械式駐車場の修繕工事費

例えば、10階建てで建築延べ床面積が8,000㎡、専有面積が80㎡のマンションの場合、専有床面積1㎡当たりの修繕積立金の額は「202円/㎡・月」なので以下の計算式が成り立ちます。

80㎡×202円/㎡・月=1万6,160円/月

つまり、毎月の修繕積立金は1万6,160円/月が適正な金額ということです。

さらに50台の車が入る2段の乗降式駐車場があり(7,085円/台・月)、購入予定者の負担割合が80/6,000だった場合の加算額は以下の通り。

7,085×50台×80/6,000=4,723円/月

最終的に1万6,160円/月に4,723円/月を足した「2万883円/月」が修繕積立金の適正金額というわけです。

【算出式2】修繕積立金の平均値から求める

とはいえ、マンションの建築延面積や機械式駐車場の種類がわからないというケースもあるでしょう。

そこで国土交通省のガイドラインに記載のある値の平均値を取り、修繕積立金は200円/㎡・月、機械式駐車場の修繕工事費は9,000円/月として以下の式に当てはめれば、適正額の目安を簡単に導き出すことができます。

(200円×占有床面積) + (9,000円×機械式駐車場数÷住戸数)= 修繕積立金の目安

例えば専有床面積80㎡、機械式駐車場台数30台、総住戸数100戸のマンションの場合の計算は以下の通り。

(200円×80㎡)+(9,000円×30台÷100戸)=1万6,250円

これより、上記のマンションでは月額1万8,700円が目安となります。

修繕積立金は築年数が古いほど高くなる!?

国土交通省が発表している「マンション総合調査」を見ると、修繕積立金の相場がわかります。例えば2018度版の完成年次による修繕積立金の相場は次の通りとなっています。

修繕積立金平均額

この相場からもわかるように、築年数が古いマンションほど修繕積立金は高い傾向にあるようです。これは多くのマンションで、年数とともに値上げを行う「段階増額積立方式」という積立方法を採用しているためだと言われています。

戸当たり修繕積立金の徴収相場の傾向

国土交通省の「マンション総合調査」では、戸数ごとの修繕積立金の相場も確認することができます。

修繕積立金平均額

表を見るとわかる通り、戸数が少ないマンションと、150戸を超えるような大規模な建物において修繕積立金の額が高くなる傾向にあるようです。

背景としては修繕費を負担する戸数が少ないと、どうしても1戸当たりの修繕積立金の額が大きくなってしまうことが考えられます。またマンションの規模が大きくなると、今度は共用部分の面積の増加や充実した付帯設備の導入などにより、修繕費用が高くなるようです。

修繕積立金に関して知っておきたい2つの注意点

修繕積立金の適正金額を把握したり納めてもらったりするうえで、最後に3つの注意点を紹介していきます。

【注意点1】修繕積立金は値上がりする可能性がある

修繕積立金は常に一定というわけではなく、将来的には値上がりする可能性もあります。理由としては修繕費用の上昇や予定していなかった修繕の実施、また値上げを前提とする段階増額方式を導入しているなどがあげられるでしょう。

国土交通省の調査でもお伝えした通り、古いマンションほど修繕にかかる費用も高額になることが予想されるため、築年数が経過するごとに修繕積立金は値上がりする可能性も踏まえて資金計画を組みたいところ。値上がりの理由や対策については、以下の記事でも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

【注意点2】ガイドラインは参考程度にする

冒頭で紹介した国土交通省の「マンション修繕積立金に関するガイドライン」に載っている適正額は、あくまでも平均値です。そのため、建物の形状や導入設備の違いによりすべてのマンションに当てはまるわけではないため、参考程度に考えておいたほうが良いでしょう。

また「毎月の積立額」のみならず「マンションとしてどのくらいの修繕積立金残高があるのか」「長期修繕計画と積立金額の残高は一致しているか」なども確認しておきたいところ。必要に応じて設計事務所などに依頼し、長期修繕計画の見直しなども実施しておきましょう。

修繕費不足の解消は適正額の把握から!

不足する修繕費用を確保する手段の一つである、修繕積立金の値上げ。そのためにも「マンション修繕積立金に関するガイドライン」などを参考に、修繕積立金の適正額を把握することから始めたほうが良いでしょう。

あわせて「修繕積立金残高はどれぐらいあるのか?」「長期修繕計画と残高は一致しているか」なども確認し、必要であれば計画の見直しなども検討してみましょう。

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