大規模修繕

修繕委員会の立ち上げ手順を解説! 運営のポイントも紹介

2022.02.17
修繕委員会の立ち上げ手順を解説! 運営のポイントも紹介

大規模修繕に向けて立ち上げる修繕委員会。「そもそも修繕委員会ってどんなもの?」「立ち上げるメリットは?」と疑問に思う人もいるでしょう。

そこでこの記事では、修繕委員会の概要やメリット、実際の立ち上げ手順や運営の注意点まで丁寧に解説します。

修繕委員会は大規模修繕に向けて組織される

修繕委員会は大規模修繕の専門組織

マンションの管理・運営業務のうち、より専門性の高い内容がある場合には、理事会へ意見を進言する諮問機関として専門委員会を組織できます。

専門委員会のうち、マンションの大規模修繕の実施に向けてマンションの居住者を中心に有志でメンバーを募って組織するのが「修繕委員会」です。

詳しくは下記の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。

修繕委員会を立ち上げると理事会の負担が減る

では、修繕委員会を立ち上げるとどんなメリットがあるでしょうか。

そもそも大規模修繕には、修繕計画の立案や施工業者の選定、住民への説明会の実施など、多くの業務があります。期間も2〜3年におよぶケースが多いです。

修繕委員会を設置しない場合は理事会主導で計画を進行しますが、一般的に任期が1〜2年の理事会では、期間や業務量の面からみても負担が大きいといえます。

修繕委員会を組織すれば、大規模修繕の知識がある、もしくは前向きに業務に臨む意志のあるメンバーが集まります。綿密な計画が立てられるだけではなく、大規模修繕が終わるまで一貫して業務に取り組めるため、理事が担う業務の負担を軽減できるといったメリットがあるのです。

修繕委員会を立ち上げる3つの手順

【ステップ1】メンバーの公募

メンバーは有志で募るのが基本

修繕委員会を立ち上げるにはまずメンバーを募りましょう。

委員会発足の理由や経緯をマンションの住民に周知し、有志で参加を求めます。活動終了のタイミングについても事前に説明しておけると良いですね。

専門知識を持つ人の参加が望ましいですが、必ずしも知識のある人が立候補してくれるとも限りません。管理会社の人や外部の専門家にお願いしてみるのも一つの手です。

外部の人が参加する際には、その人の立ち位置や参画期間を規定しておくとトラブルを防げます。

【ステップ2】理事会・総会での決議

マンション標準管理規約の第55条に「理事会は、その責任と権限の範囲内において、専門委員会を設置し、特定の課題を調査又は検討させることができる。」と記載されており、理事会の承認があれば修繕委員会を組織できます。

ただし、同条文にはコメントが付されており、下記のいずれかに当たる場合には総会での決議が必要です。
・専門委員会の検討対象が理事会の責任と権限を越える事項である場合
・理事会活動に認められている経費以上の費用が専門委員会の検討に必要となる場合
・運営細則の制定が必要な場合

運営細則については次の手順でも説明しますが、トラブルを防ぐためにも設けておきたいところ。修繕委員会を発足するには、総会で決議を取る方向で進めると良いでしょう。

【ステップ3】運営細則の制定

委員会の位置づけや業務内容を明確に定めておかないと、計画の遂行や施工業者の決定において意見が食い違うトラブルになりかねません。

委員会メンバーに報酬を支払う場合や経費で物品を購入する場合など、お金に関わる内容も同様です。

修繕委員会はメンバーを集めるだけでなく、運営の取り決めとして細則を規定しておきましょう。

細則については下記の記事でも詳しく説明していますので、参考にしてみてください。

修繕委員会の運営で注意したい3つのポイント

【ポイント1】修繕委員会に決定権限はない

修繕委員会は理事会の諮問機関であり、修繕工事においても決定権はありません。委員会で独自に決断し修繕を進めてしまうと、理事会の運営方針や経費と食い違ってしまう可能性もあります。

あくまでもマンションの管理・運営を担う中心は理事会だと、メンバー全員が認識しておきましょう。

委員会の独断専行によるトラブルは下記の記事でも紹介しているので、参考にしてみてください。

【ポイント2】理事会と密に連携を取る

運営母体である理事会との連携が重要

前述の通り、決定権は理事会にあるため、修繕委員会だけで大規模修繕工事の進行はできません。

また、避難訓練の実施など、修繕工事の時期を避けたい運営・管理業務もあるでしょう。運営母体である理事会とはしっかり方向性を共有し、連携をとる必要があります。

【ポイント3】住民に情報共有する

修繕委員会が行っている業務や今後の計画は、マンション内で共有しておきましょう。

大規模修繕工事は、実際の工事期間だけでも数ヶ月間に及びます。情報共有がされていないと、不安に思う住民もいるでしょうし、クレームに発展してしまう可能性もあります。

工事に関する説明会の開催や、スケジュールのこまめな共有といった広報活動が大切です。

立ち上げた後も情報共有は不可欠

修繕委員会を組織すると、大規模修繕に対して一貫性を持った綿密な計画を立てられるだけでなく、理事会の業務負担を軽減できるメリットがあります。

立ち上げの手順は、「1.メンバーの公募」「2.理事会・総会での決議」「3.運営細則の制定」の主に3つ。いずれの段階でも、クレームやトラブルを防ぐためには理事会や住民とのコミュニケーションが不可欠です。

委員会での検討事項や決定事項は、理事会で報告したり掲示板で告知したりして情報共有を行いましょう。

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