連載:ついにやって来た!大規模修繕

修繕で危険を回避!エレベーター修繕について知ろう

2021.08.18
修繕で危険を回避!エレベーター修繕について知ろう

大規模修繕を控えた皆さんに向け、修繕工事のいろはを説明していくこの連載。今回はエレベーターの修繕について。修繕のタイミングや工法、気になる費用について解説していきます!

エレベーター修繕が必要な頻度は?

日常的に使用するエレベーターだから安全のためのメンテナンスはとても重要

マンションで日常的に利用されるエレベーター。老朽化が進めばエレベーター内へ閉じ込められたりといった、故障のリスクが高まります。過去にはエレベーター落下事故で死亡者が出た事例もあるため、安全のためにもメンテナンスはしっかりと行いたいもの。それでは、マンションのエレベーターの修繕はどのぐらいの頻度で行えば良いのでしょうか。

補修は15年、取り替えは30年!

国土交通省のガイドラインではエレベーターの修繕周期は「補修15年、取替30年」とされています。しかし、耐用年数を25年と定めているメーカーもあるため、30年未満の時期に取り替えを行う管理組合もあるようです。

一方で積立金不足で修繕するまでの期間が30年を超えてしまう管理組合も中にはあると聞きます。安全性に関わる重大なことなので、事前にしっかりと修繕計画を立てておきたいものです。

エレベーター修繕3つの工法と費用

エレベーター修繕には3つの方式がある

続いては、エレベーターの修繕における3つの工法とその費用の違いをみていきましょう。

エレベーターはマンション住民の共用設備となるため、修繕費用は管理組合全体で負担します。つまり、エレベーターの修繕費用は、実際には利用することがない一階の住民も含めた管理組合全体で折半することが原則です。一階にお住まいの方も「エレベーターを使わない自分には関係ない」と考えず、しっかりと費用について理解しておきましょう。

全撤去新設リニューアル

その名の通り、既存のエレベーターを丸々新品へ取り替える工法を指します。作業内容が大がかりになるため、交換完了までの工期が約25日と長期間に及ぶ修繕方法です。全撤去新設リニューアルを行う場合には、建設確認申請の届出が必要となります。

全撤去新設リニューアルの費用は一基あたり1,500万円程度が相場と言われています。

準撤去リニューアル

準撤去リニューアルは建物の躯体(建物を支える骨組みの部分)に取り付けてあるエレベーターの機器はそのままに、それ以外の部品だけ取り替えを行う工法です。工期は15~20日間程度とされています。全撤去新設リニューアル同様、建設確認申請の届出が必要となります。

全撤去新設リニューアルと比較すると工費は安く抑えられ、この工法での費用は一基あたり1,000万円が目安とされています。

制御部品リニューアル

エレベーターの経年劣化したパーツだけを新しい部品と取り替える工法です。他の修繕方法と比較すると、作業内容が軽微ですので、一週間程度の工期で修繕が完了するとされています。

エレベーターが一基しかないマンションでは、工事期間中は上の階に住む住民が外出する度に階段で昇り降りすることとなるため、工期が短いこの工法が採用されやすい傾向です。この工法では建設確認申請の届出は不要となります。

費用は他の工法よりも安く、一基あたり500万円が金額の目安です。

日々の点検も重要!

定期的に点検すれば安全性が高まる

一般社団法人日本エレベーター協会は「高度で広範な専門知識を持った専門技術者による、定期的かつ適切な保守点検を行うことによって、性能の維持及び運行の安全を確保することができる」としています。信頼の出来る業者を見つけて、保守点検や定期検査を行うことも安全性を確保する上で重要です。

エレベーターメンテナンスの契約方式には2つの種類がありますので、それぞれどのような内容か、併せて確認しましょう。

POG契約

POGとは、パーツ(P)、オイル(O)、グリース(G)の頭文字を取ったものです。こちらの契約では定期点検の他に、各種消耗部品の交換やオイルの補充、清掃を行ってもらうことができます。しかし、POGに当てはまらない部分については点検の対象外となるため、注意が必要です。

フルメンテナンス契約

フルメンテナンス契約ではPOG契約の内容に加えて、エレベーターを吊すワイヤーやカゴ(エレベーターの人が乗る部分)の整備もメンテナンス対象に含まれます。

特にワイヤーはエレベーター自体を支えるために重要なパーツですので、定期的にメンテナンスを行うフルメンテナンス契約での点検の方が安全性が高いです。しかし、点検範囲が広い分、当然POG契約よりも費用は割高となります。

以上、今回はエレベーター修繕について解説しました。万一、事故が起きてしまえばマンションの資産価値にも大きく影響を及ぼします。安全の観点からも資産価値の観点からも、しっかりとエレベーターの修繕を行っておきましょう。

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この連載について

【連載】ついにやって来た!大規模修繕

約12年に一度の周期で訪れるマンションの大規模修繕。住まう人々が安心して暮らすため、また、建物としての価値を維持するために、とても大切なイベントです。とはいえ、修繕工事などと言われてもピンとこない方がほとんどでしょう。この連載では、そのような方に向けて、修繕工事に向けた準備の進め方の一例を順を追ってレクチャー!みんなが納得できる工事となるように、しっかりと準備を整えましょう!

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