連載:ついにやって来た!大規模修繕

【第2回】コンサルティング会社を選ぶ

2020.04.23
【第2回】コンサルティング会社を選ぶ

大規模修繕を控えた皆さんに向け、修繕工事までの道のりについて順を追って説明していくこの連載。前回は「大規模修繕委員会(以下、修繕委員会)の発足」をテーマに、予算調整や修繕業者の選定など、修繕委員会の役割を紹介しました。

続く第2回目となる今回は「コンサルティング会社の選定」。コンサルティング会社の役割、また選び方などを中心に解説していきます!

修繕の前・最中・後、すべてに関わる

まずはコンサルティング会社がどういった業務を担うのか、見ていきましょう。

前回の連載では修繕業者に見積もりをお願いするとき、正確な費用を知るためには修繕箇所を記載した「設計書」を作成し、提出する必要があることを紹介しました。そこでコンサルティング会社には修繕が必要な箇所の調査を実施してもらったうえで、設計書を作ってもらうわけです。

ただ、コンサルティング会社の業務はこれだけではありません。

多くの場合、大規模修繕工事が始まったら、工事が適正に行われているかどうかを第三者的に監理する役割なども担います。修繕業者の現場監督とコンサルティング会社の担当者とで話し合いながら「ここはもう少しこうして欲しい」といった監理業務を、週1回程度実施していくことになるのです。

といっても一方的に工事が進むというわけではなく、コンサルティング会社は工事期間中も定期的に修繕委員会のミーティングに同席。修繕委員会の「ここはこうして欲しい」といった要望を現場監督に随時相談するかたちで、工事を進めていきます。

このように修繕業者と住民の間を取り持ちながら、修繕後までサポートすることになるのです。

”修繕費用”を軸にメリットを考える

コンサルティング会社に依頼をすることのメリットに、修繕にかかる費用が結果的に抑えられる可能性がある、ということもあります。

ただ、もちろんコンサルティング会社を選ぶ手間を省こうと思ったら、修繕委員会ではなく管理会社が代わって発注するパターンもあります。しかしその場合、当然ですが修繕委員会が直接依頼するよりもコンサルティング費用そのものが高くなってしまう可能性があります。

またコンサルティング会社だけでなく、修繕業者の選定も管理会社に任せてしまうと、修繕自体にかかる費用も高額になってしまうケースがあります。管理会社を通じて提示された大規模修繕の見積額と、修繕委員会自らが選んだ修繕業者から提示された金額とでは、数千万円以上の差があったという話も聞きます。

大切なみんなのお金を無駄に出費してしまわないためには、修繕業者もコンサルティング会社も修繕委員会が主導権を持って選びたいところです。

選ぶポイントは、ズバリ3つ

コンサルティング会社と修繕業者の癒着が問題になるなど、ネガティブな情報も多いなか、ではどうすれば信頼できる会社が選べるのでしょうか。ここでは主に3つ紹介していきます。

【1】実績は十分か

当たり前のことかもしれませんが、十分な実績があるかどうかはコンサルティング会社を見極めるうえで最も重要なポイントといえるでしょう。まずはホームページ等に実績をきちんと掲載しているか、そしてその実績の数や質が十分であるかどうかは1つの判断基準となります。

さらに実績を把握するための具体的な方法としては
・実績と業務内容に関する詳細な資料の提出とプレゼンテーションをしてもらう
・一級建築士やマンション管理士など、所属する技術者や管理者の資格を確認できる資料を提出してもらう
などがあげられます。

【2】長いスパンで付き合える会社か

マンションの大規模修繕は一度やったら終わりではなく、1回目を迎えた後も、さらに十数年の周期で修繕の機会がやってきます。にもかかわらず、修繕のたびにコンサルティング会社を選んでいては非常に手間がかかり非効率です。また建物のこと、管理組合のことなどをすでに理解している会社であれば、大規模修繕もよりスムーズに実施できるもの。その利点は大きいといえます。

そこでコンサルティング会社とは、数十年という長いスパンで付き合いたい。

しかしコンサルティング会社の経営が不安定では、長期的に依頼するというのも難しくなります。数年分の決算書を提出してもらったり、帝国データバンクなどが提供している第三者経営情報の分析を行ったり、またできればその視点で経営者と接してみることで、長く安定して付き合える会社かどうかを確認しておきましょう。

【3】費用はあまりにも安すぎないか

どれくらい費用がかかるのか、はとくに気になるところでしょう。といって安ければ良いというものではありません。事実、2017年に国土交通省が発表した不適切コンサルタントに関する通達には、格安のコンサルティング料金で業務を請け負った会社が、後から修繕業者側からバックマージンをもらっていたという事例もあります。

コンサルタント費用が工事全体に占める比率は、比較的小さなものです。もちろんマンションの規模によって異なりますが、大規模修繕にかかる全体費用の3~5%程度がコンサルティング会社に支払う費用だといわれています。多少コストが高くても、信頼でき、能力や技術がしっかりとしたコンサルタント会社を選びましょう。

なお①で述べたように、コンサルティング会社の選定は、複数社を候補に選んだうえで、それぞれ見積書だけでなくプレゼンテーションを受け、その内容と費用を照らして検討する必要があります。

そして選んだコンサルティング会社に建物の調査を依頼し、その内容をもとに設計書を作成。いざ、修繕業者を選ぶコンペの段階へと移っていくことになります。

そこで次回はいよいよ、コンサルティング会社の協力を得ながら「修繕業者を選ぶ方法」について紹介していきます!

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この連載について

【連載】ついにやって来た!大規模修繕

約12年に一度の周期で訪れるマンションの大規模修繕。住まう人々が安心して暮らすため、また、建物としての価値を維持するために、とても大切なイベントです。とはいえ、修繕工事などと言われてもピンとこない方がほとんどでしょう。この連載では、そのような方に向けて、修繕工事に向けた準備の進め方の一例を順を追ってレクチャー!みんなが納得できる工事となるように、しっかりと準備を整えましょう!

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