大規模修繕

【第3回】施工会社を選ぶ

2020.06.17
【第3回】施工会社を選ぶ

大規模修繕を控えた皆さんに向け、修繕工事までの道のりについて順を追って説明していくこの連載。前回は「コンサルティング会社の選定」をテーマに、修繕前から修繕後までをサポートするコンサルティング会社の役割や、選ぶときの3つのポイントについて紹介しました。

続く第3回目となる今回は、いよいよ「施工会社の選定」について。施工会社を選ぶ方法について解説していきます!

そもそも施工会社へ依頼する方法は3つある

一口に施工会社に発注するといっても、その方法は主に3つあります。

第2回で紹介したように、コンサルティング会社に依頼して施工会社を選ぶ方法は、一般的に「設計管理方式」と呼ばれます。良いコンサルティング会社を選ぶ手間はかかりますが、後述する「管理会社にすべてを任せる方法」よりも、修繕にかかる費用を抑えられる可能性があります。

一方で、コンサルティング会社に依頼しておらず、入居中のマンションの管理会社にすべてを任せる方法もあります。これを「管理会社施工方式」と呼び、窓口を一括で管理会社にできる分、管理組合の負担を軽減できます。

しかし、ネックとなるのが「金額」です。

すでに管理会社から発注する施工業者が決まっている場合、競争原理が働かないのはもちろん、管理会社に支払う中間手数料も発生。その結果、工事金額が相場よりも数千万円以上高額になるケースもあるといいます。

最後の3つ目は、管理組合が自分たちで修繕業者を選ぶ「責任施工方式」という方法です。これまで紹介した2つの方法と比べると、最も修繕費用を抑えられる可能性があります。しかし正確な見積もりを依頼するために必要な設計書(主にマンションの修繕箇所を示した書類)の作成や、適切な施工会社の見極めなど、大規模修繕が初めての管理組合にとってはハードルが高いといえるでしょう。

ここでまで紹介した3つの方法について、以下で改めてメリット・デメリットを整理してみたので、ぜひ参考にしてみてください。

表

これら3つの方法のなかでも、今回は設計管理方式もしくは責任施工方式を取り入れる、つまりは自分たちで施工会社を選ぶ前提で話を進めていきます。

複数業者の比較で修繕費用は抑えられる!

施工会社に見積もりを依頼する際に必要となる設計書が完成した後、いよいよ工事を請け負ってもらう会社を選ぶにあたって最初は建築業界紙で公募を行い、書類選考で絞るのが一般的です。

書類選考の方法は一例をあげると、決算情報やこれまでの業務経歴、アピールポイントなどに関して事前に質問を設定したうえでその回答に対して点数付けを行い、評価の高い上位数社に絞り込むなどの方法があるようです。

そして書類選考で厳選した後は、各施工会社に見積もりやプレゼンテーションを依頼することになります。

プレゼンテーションではコンサルティング会社に依頼している場合は担当者にも同席してもらい、都度アドバイスをもらいながら施工会社を見極めていきましょう。多くの場合コンサルティング会社は、修繕工事が始まったら、工事が適正に行われているかどうかを第三者的に監理する役割なども担います。つまり、担当するコンサルティング会社が過去に仕事をしたことのある施工会社も含まれていれば、工事の出来栄えに関する意見なども参考になるはずです。

なお、マンションでは「施工会社の選定も管理会社に任せる」という場合も多く、複数の業者から相見積もりを取る機会はそれほど多くないというのが現状です。「管理会社施工方式」の部分でも紹介したように、管理会社推薦の施工会社が提示した修繕費用は価格競争がおきにくいため、相場よりも数千万円以上も高額になるケースがあります。

一方で、ただ純粋に複数の施工会社を比較検討するだけでも、結果的に修繕費用を抑えられる可能性があることは覚えておきましょう。

優良業者を選ぶポイントは、この3つ!

ここでは気になる施工会社を選ぶ際のポイントについて、3つに絞ってみました。

【1】プレゼンテーション内容

プレゼンテーションでは、工事の内容や体制はもちろん、住人に対するケアやセキュリティ対策、保証・アフターフォローなど、工事に対する姿勢や考え方を詳しく確認することも目的となります。

例えば住人に対するケアであれば緊急連絡先の設置はもちろん、掲示板への全工程の提示や、定期的な進捗報告などのコミュニケーションが可能かどうかを確認。セキュリティ対策については、足場を使って住戸に侵入される危険性を回避するため、夜間施錠やセンサーライトの設置の有無などもチェックしましょう。

なお、保証・アフターフォロー体制に関しては事前にざっくりとした概要を調べることもできるしょう。ただ念のためプレゼンテーションの場でも、定期点検の頻度や万が一不具合が生じた際の保証はどのくらいしてもらえるのかなど、確認しておきましょう。

そのほか、
・ISO9001取得による高品質な施工管理をしているか
・防犯設備の設置や落下物防止措置など安全・防犯対策ができるか
など、品質管理や安全面の配慮に関する事柄まで確認できると安心です。

ここまで紹介した確認事項に関して、質問した際にスムーズでわかりやすい回答を得られるようであれば、信用できると考えて良いのではないでしょうか。

【2】経営状態

マンションの大規模修繕が1回目を迎えた後も、さらに十数年の周期で修繕の機会がやってきます。その度に施工会社を一から選び直すのは面倒ですし、何よりも建物の勝手を分かっている会社に発注したほうが、大規模修繕もスムーズに実施できるのではないでしょうか。そのため、経営状態をもとに数十年以上存続可能な会社かどうかも確認しておきましょう。

確認の仕方としては会社のホームページで資本金や従業員数、沿革など基本的な情報を知ることはできるものの、経営状態まで判断するのは難しいといえます。そこで役に立つのが、帝国データバンクなどの企業信用調査会社です。帝国データバンクでは業歴や資本構成、規模や損益などの項目で点数を付けており、その会社の経営が上手くいっているか、経営基盤が強いかどうか、判断材料のひとつとなるのではないでしょうか。

【3】過去の施工事例

当たり前のことかもしれませんが、現在お住まいの建物と同程度、もしくはそれ以上の規模のマンションに関して施工事例があるかどうかも選ぶ際のポイント。ホームページなどに掲載されている、過去の施工事例も確認しておきましょう。

そして施工会社が無事決定し、予算や工事のスケジュールがほぼ確定した後は、臨時総会で組合員の承認を得ていよいよ工事がスタート! 次回は工事期間中に住人や修繕委員会が注意すべき点や、コンサルティング会社に依頼している場合の連携の仕方などについて紹介していきます。

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