連載:ついにやって来た!大規模修繕

マンションの資産価値を保つ超重要工事「外壁塗装」について解説!

2021.03.15
マンションの資産価値を保つ超重要工事「外壁塗装」について解説!

大規模修繕を控えた皆さんに向け、修繕工事のいろはを説明していくこの連載。今回は外壁塗装の相場や実施タイミング、また工事業者を選ぶポイントなどを解説していきます!

外壁塗装の費用は1戸当たり数十万円以上?

まずは、気になる外壁塗装の相場を確認してみましょう。

国土交通省の2017年度調査によると、大規模修繕費用の1戸当たりの相場は75〜100万円が最も多く30.6%、次いで100~125万円が24.7%という割合です。つまり、大規模修繕工事全体では、1戸当たりおおよそ75〜125万円が相場だといえます。

同調査によると全工事金額の内訳のうち外壁塗装の割合は17.3%。そのため、あくまでも単純計算ですが、1戸当たりだと約13〜22万円が外壁塗装の相場だといえそうですね。例えば80戸あるマンションであれば、全体で1040〜1760万円程度の工事費用がかかるわけです。

なお建物の規模や形状、工事内容などによって金額は異なります。そのため、前述した金額はあくまでも目安と捉え、正確な費用は業者に見積もりを依頼して確認しましょう。
補助金や助成金の活用で費用は抑えられる!
外壁塗装を行いたいものの「修繕積立金が足りない……」という場合、補助金や助成金を利用できることはご存じでしょうか。

例えば補助金・助成金を受け取る条件の1つに、環境に配慮した工事であることがあげられます。自治体によっては通常の外壁塗装も対象としているところはありますが、基本的には断熱効果や遮熱効果のある塗料を使用することが工事の条件です。

また、以下のような条件を設定しているケースも多いといえます。
・税金を滞納していない
・居住目的の建物である
・反社会的な組織とつながっていない

補助金・助成金のなかには使用する塗料や業者が指定されることもあり、詳しくは以下の記事も参考にしてみてください。

なお、補助金・助成金制度の詳しい申請条件などは、お住まいの自治体のホームページ、もしくはリフォーム推進協議会が運営する「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(令和元年度版)」で確認すると良いでしょう。

外壁塗装はいつ行うの?

マンションの塗装部分の劣化が目立つのは、新築から10年を超えたあたりと言われており、十数年に一度のペースで外壁塗装を行うのが一般的。マンションで広く使用されているシリコン系塗料の耐用年数が12〜15年程度であることも関係しています。

そのため、基本的には大規模修繕を実施するタイミングで、まとめて外壁塗装の工事も行いましょう。

なお、一般的に使用されるシリコン系以外の塗料を使用している場合、もっと早く劣化する可能性もあります。塗料ごとの耐用年数の違いとメリット・デメリットについては、以下、参考までにまとめてみました。

外壁塗装

見た目で実施時期もわかる?

外壁の表面を触って手に白いチョークの粉のようなものがつくなら、10年を超えていなくとも外壁塗装を行うべきタイミング。白い粉は、雨や紫外線などで塗料の中の合成樹脂が分解され、「白亜化」した状態です。塗装の耐久性を失いつつある状況なので、できるだけ早く対処したほうが良いでしょう。

春と秋が外壁塗装に適した季節!

外壁塗装は、基本的にいつでも専門業者に依頼可能です。とはいえ気温や湿度、日差しによって作業がうまく進まないこともあり、とくに「気温5℃以下、湿度85%以上」になると乾燥が遅れると言われています。雨や雪など気候が不安定な状態では、実施そのものが見送られるケースもあるようです。

逆に言うと、比較的雨が少なく、気候も安定している「春」と「秋」が外壁塗装に適した時期。ただ、業者にとっては繁忙期でもあるため「良い業者がなかなか見つからない」こともあり、早めに予約を行う必要があるでしょう。

塗装業者を選ぶときのポイントは?

では、いざ塗装業者を選ぶにあたって、何に気をつければ良いのか。ポイントを5つ、紹介していきます。

【ポイント1】複数社に見積もりを依頼する

塗装工事を行うにあたって、まずは専門業者に見積もりを依頼し、費用を確認しなければいけません。このとき、できれば1社だけではなく複数社に依頼し、比較検討したいところ。比べると適正金額が分かるのはもちろん、後ほど紹介しますが、見積書の書き方に関する良し悪しも分かるようになってきます。

【ポイント2】塗りは3回行なっているか

外壁の塗装は「3回に分けて行う」のが基本です。そのため見積書に記載してある塗装の回数を念のため確認しておきましょう。回数が少ないと、塗料が本来の耐久年数よりも早く劣化してしまう可能性があるためです。

また塗る・塗らない箇所について、きちんと明記がされているかどうかも大切。「見積書に記載のない箇所の塗りが発生し、追加費用を請求された」「塗装してもらえると思っていた箇所が塗装していなかった」など、後のトラブル回避にもつながります。

【ポイント3】工程が細かく書かれているか

「下地処理一式」や「塗装一式」など、作業内容が「一式」としてひとまとめに書かれている見積書も要注意。工程が細かく書かれていない分、何に費用がかかっているのか不透明であったり、作業内容に不足があったりする可能性があります。

「諸経費」としてまとめられている項目も、本来は不必要な費用まで含んでいる場合があるため、具体的な内容の説明も求めたほうが良いでしょう。

【ポイント4】足場の費用が無料になってないか

「足場代はサービスです」とアピールする業者は、ほかの項目でその費用を上乗せしている可能性もあり、なぜ無料なのかを念のため確認しておきましょう。

マンションの外壁塗装工事において足場は、全体費用の約2割を占めるといわれています。安全性を担保するために、組み立てなどにも相応の工数が必要なため、無料で実施できることはほとんどありません。

「無料という言葉には裏がある」という前提で、見積書の内容を慎重に確認したほうが良いでしょう。

【ポイント5】工事後の保証はあるか

一回の工事が高額になりがちな外壁塗装だからこそ、工事後の保証の有無も確認しておきたいところ。定期的な点検と施工ミスによる不良の修復が含まれているかどうかに加え、保証期間は何年か、どの程度まで保証してくれるのかを一度確認しておくと良いでしょう。

以上、今回は大規模修繕において重要な工事の一つである、外壁塗装について紹介していきました。全工事金額の内訳のうち17.3%を占める、外壁塗装。費用が高額になるからこそ、複数社に見積もりを依頼し、慎重に工事業者を選定しましょう。

次回は、大規模修繕全体の費用の2割を占めると言われる「足場工事」について、相場やコストを抑える方法などを紹介していきます!

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この連載について

【連載】ついにやって来た!大規模修繕

約12年に一度の周期で訪れるマンションの大規模修繕。住まう人々が安心して暮らすため、また、建物としての価値を維持するために、とても大切なイベントです。とはいえ、修繕工事などと言われてもピンとこない方がほとんどでしょう。この連載では、そのような方に向けて、修繕工事に向けた準備の進め方の一例を順を追ってレクチャー!みんなが納得できる工事となるように、しっかりと準備を整えましょう!

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