もううんざり! ゴミ捨て場のカラス被害に悩まされない方法とは?
「ゴミ捨て場」のトラブルを解決したい!
マンションでよくある困った問題をテーマに、その解決方法を紹介していくこの連載。今回は「ゴミ捨て」に関するトラブルに焦点をあてて、解説していきたいと思います。
多くのマンションに設置されている、住民専用のゴミ捨て場。日常生活に欠かせない設備ですが、臭いや不法投棄、カラスが荒らすなどのトラブルにつながってしまうケースもあるために管理体制を整えることが大切です。
今回は、そんなゴミ捨て場のトラブル例から対処法まで解説していきます。
よくあるゴミ捨て場のトラブル例
ゴミ捨て場ではどのようなトラブルが起こりうるのか、事前に知っておくと対策も立てやすいでしょう。まずは、ゴミ捨て場で起こりがちなトラブル例を紹介していきます。
【トラブル1】カラスにゴミを荒らされた!
カラスに毎回荒らされるゴミ捨て場に、頭を悩まされる方も多いかもしれません。
対策を行うためにも、以下のカラスの生態を知っておくと良いでしょう。
日の出前に活動する
人間よりも目が良い
記憶力が高い
鳥類に共通した習性ですが、カラスは人間がまだ寝静まっている時間帯である、日の出前に主に活動します。そのため、夜間にゴミを捨ててしまうと、明け方にはカラスに荒らされている可能性も。可能な限り収集日の当日朝にゴミ袋を出したほうが良いでしょう。
また、カラスの視力は人間の5倍程度。遠くからでもエサの場所を認識します。人間よりも色の感覚が鋭く、人間に見える赤・青・黄の三原色に紫外線を加えた4色の組み合わせで色を判別するといわれています。例えば人間は虹を7色と判断しますが、カラスは14色かそれ以上の色数で見えている可能性もあるそうです。
そのため遠目から見て、明らかに食べ物と分かるようなゴミの捨て方は避けたい。残飯などは紙袋や新聞紙でくるんで捨てるという手段が、有効といえそうです。
さらにカラスは記憶力も高いと言われており、エサのあるゴミ捨て場所を何十箇所も覚えて、巡回することもあるといいます。一度でもカラスの被害に遭ったら、これまで以上に万全な対策が必要となるでしょう。
こうしたカラスへの対策方法は以下の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
【トラブル2】ゴミ捨て場に住民以外のゴミが!?
マンションの敷地内に設置したゴミ捨て場は、本来、入居者のみが使用する場。しかし、近隣住民や通行人など、住民以外の方がゴミを捨てていくトラブルも起きる可能性があります。
ゴミが散らばったり不法投棄された粗大ゴミの処分に困ったりと、住民にとっても管理者にとっても非常に迷惑な行為。とはいえ犯人の特定は難しい。有効な対策としては、事前に防犯カメラの設置することや、常にゴミ捨て場を清潔に保つことなど、不法投棄されにくい環境をつくることが大切です。
【トラブル3】臭いがひどい……
分別しないで出したゴミが回収されずに放置された結果、腐って悪臭を放つトラブルもあります。住民だけでなく、近隣への迷惑にもなりかねません。
とくに夏場は腐るスピードも早くなるため、いつも以上にゴミ捨て場の清掃回数を増やし、清潔に保つ必要があるでしょう。また、ゴミ捨て場の設置場所や回収ボックスも検討し直してみましょう。未回収ゴミが悪臭の原因になるケースでは、住民に分別のルールを知ってもらう機会を設けることが大切です。
【トラブル4】入居者がぜんぜんルールを守らない!
「ゴミがきちんと分別されていない」「収集日を守らない」など、住民のマナー違反によるトラブルもしばしば起きます。
分別や回収時間などのゴミ出しルールは、自治体やマンションの管理規約によって異なります。そのため引っ越してきたばかりの方だと、ルールを勘違いしているかもしれません。また分別ルールが複雑で、面倒だからと守らない方もなかにはいるでしょう。
住民への注意喚起やルールの周知は、ポスターの利用、ゴミ捨て場への掲示や掲示板の活用、各住戸へのチラシ配布などの工夫で、効果的に伝えていきましょう。
トラブルを防ぐためにできる管理方法は?
ルール違反や不法投棄などのトラブルを防いでゴミ捨て場をみんなで気持ちよく使えるようにするには、どうしたら良いのか。以降でまとめてみました。
【方法1】警告の張り紙・看板の設置
比較的簡単なのが、「不法投棄は発見し次第、警察に通報します」などの張り紙・看板を設置する方法での管理。ほかにも「5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金です」などと、具体的に罰則を示すと、不法投棄などの抑止力となるでしょう。
【方法2】ネットなどで覆う
カラス被害に困っている場合は、カラスよけネットをゴミ袋に被せるなども、一般的な方法です。
ただ、カラスよけネットも使用法を誤ると効果を発揮しません。注意点は、カラスが侵入する隙間を作らないこと。集まったゴミ袋の一部がはみ出してしまわないよう、大きいサイズのネットを用意しましょう。
また網目の大きなネットだと、カラスはくちばしでつついて中身を荒らしてしまう場合もあります。網目は5mm以下で、簡単に破れないような頑丈な素材を選んだほうが良いでしょう。
【方法3】開閉式・鍵付きのゴミ捨て場を導入する
「カラスよけネットも効果がない……」という場合は、ゴミ捨て場そのものを開閉式のケージ型に換える方法もあります。費用やスペースなど設置のハードルは若干高いかもしれませんが、カラスを物理的に遮断することが可能です。
また鍵付きのゴミ捨て場であれば、簡単に不法投棄もできません。「管理人がゴミ出し時間に合わせて開閉する」「ダイヤル錠をつけて入居者のみに暗証番号を教える」などの方法でゴミ出しを行いましょう。
【方法4】センサーライトや防犯カメラを設置
とくに不法投棄などを防ぐためには、センサーライトや防犯カメラを設置し、監視体制をアピールする方法も有効です。
人の動きに反応して自動点灯する「センサーライト」を設置すれば、夜間の不法投棄を防ぐことができるかもしれません。
また、防犯カメラを設置し、目立つところに「防犯カメラ作動中」のステッカーを貼ることで、さらなる抑止力が期待できそうです。ダミーでも効果は望めますが、万が一不法投棄されてしまったとき、実際にカメラ映像があれば物的証拠にもなります。
そのほかにも、管理人や住民の目が届きやすい場所にゴミ捨て場を設置するなどの方法もあるでしょう。
【方法5】清掃業者に依頼する
ゴミ捨て場の管理が行き届いていなければ「どうせ誰も気にしていないし」と、さらなるマナー違反が増えてしまいます。そのため、常にゴミ捨て場を清潔に保つことで、不法投棄や分別ルールが破られにくい環境をつくっていきたいところ。
ただ、ゴミ捨て場をきれいに保つには未回収のゴミを分別して整理したり、こまめに清掃したりと何かと手間がかかります。
管理会社や理事会だけの管理が難しいようであれば、別途、外部の清掃業者に依頼するのも手。費用はかかりますが、管理組合の負担を減らしながら常にゴミ捨て場を清潔に保つことができるでしょう。
以上、今回はゴミ捨て場のトラブルや対処法について解説してきました。不法投棄やカラスの被害を防ぐためにも、防犯カメラの設置や開閉式のゴミ捨て場の導入、また清掃を通じて常に清潔な環境を保つなどの方法が有効です。
次回、9回目となる連載は「NHK受信料」をテーマに、契約形態ごとのNHK受信料の違いをはじめ、衛星契約を行う必要があるのかなどについて解説していきます!
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この連載について
【連載】これで解決!マンション暮らしのトラブル
複数の世帯が生活を送る分譲マンションでは、共用スペースの使い方やペットの飼育、ゴミ捨て場における利用マナーなど、思いがけないトラブルに遭遇する可能性があります。そこで、本連載『これで解決! マンション暮らしのトラブル』では、マンションでよく起こる困った問題の解決方法をテーマごとにご紹介。トラブル発生の防止や、万が一起こってしまった際の対応マニュアルとしてもご活用ください!