暮らしの悩み

退去時のトラブル解決に役立つ「原状回復ガイドライン」の内容とは?

2020.03.16
退去時のトラブル解決に役立つ「原状回復ガイドライン」の内容とは?

敷金が全額戻ってこなかったり、高額な費用を請求されたりなど、入居者と住戸を貸す側でトラブルになることも多い原状回復。

この原状回復について、国土交通省がガイドラインを定めてくれていることはご存知でしょうか。そこで今回は、ガイドラインで定められている内容のなかで特に大事な部分を抜粋して紹介。原状回復に関するトラブルを未然に防ぎましょう。

ガイドラインによって原状回復の定義が決まった!

マンションを借りて住む場合、はじめに貸す側と借りる側の両方の合意にもとづいて賃貸借契約を行います。つまり合意のうえで契約を行ったわけですが、退去時の原状回復の費用について借りた側と貸す側のどちらが負担すべきなのか、しばしばトラブルになることがあります。

国民生活センターに寄せられた原状回復のトラブルに関する相談件数をみると、2018年は1万2489件。1日に約34件のペースで相談があることを考えると、非常に多いケースと考えられます。

そこでこうしたトラブルを未然に防ぐことを目的に、国土交通省は原状回復において入居者が負担すべき範囲を定義した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(以下、原状回復ガイドライン)」を公表しています。

では、どう定義されているのでしょうか。

まず前提として建物の価値は居住の有無に関わらず、時間の経過により下がっていくため、通常の生活を送っていた場合でも多少の損耗は生じます。そこでこういった経年劣化による建物の汚れや損傷については、住戸を貸す側の費用負担としました。一方で家具の移動中に壁を傷つけたなど、通常の生活を超える範囲で発生した損傷などに関しては入居者の費用負担とし、原状回復することを明確化しました。原状回復とはあくまでも、経年劣化を考慮せずにそっくりそのまま住戸内を入居時の状態に戻すことではないのです。

なお原状回復ガイドラインは裁判になった場合の参考的な基準に用いられることはありますが、あくまでも指針であり、法的な拘束力はありません。しかし判決を下すうえで、原状回復ガイドラインが参考になるケースは多いようです。

建物の消耗の度合いを細かく区分し、費用負担の範囲を明確化

ガイドラインのなかでは、建物の消耗の度合いを大まかに次の2つに区分しています。

1.経年変化・通常損耗 (時間の経過にともなう自然の劣化や入居者の通常の使用により生じる損耗など)
2.その他(賃借人の故意・過失善管注意義務違反、その他通常の範囲を超える様な使用による損耗など)

このうち2については、住戸を借りた側(入居者)に原状回復にかかる費用を負担する義務があると定めています。

とはいっても明らかな損傷以外、1と2のどちらに含まれるのかの判断があいまいになる部分も多いでしょう。

そこでガイドラインでは、上で紹介した1と2の消耗度合いをさらに以下のように区分しています。

A:入居者が通常の住まい方や使い方をしていても発生するもの
B:明らかに通常の使用による結果とは言えないようなもの
A+B:基本的にAであるが、入居者の使い方が悪かったために、損傷や汚れが拡大したもの

このうちBとA+Bに関しては、入居者の費用負担で原状回復を行う義務があるとしています。

新品に取り替える場合は経過年数を考慮して負担額は軽減

ただし上で紹介したBとA+Bに該当する場合であっても、その消耗のなかには経年劣化変化や通常消耗など、本来であれば住戸を貸す側の負担となる部分も含まれます。例えば壁紙などは耐用年数が6年といわれており、消耗品なので使えば使うほど自然と価値は下がります。それにも関わらず、原状回復にともなう張り替えを行う際に、新品の値段をまるまる入居者に負担してもらうのはおかしいということです。

そこで新品の値段に「1-(居住年数÷耐用年数)」をかけた費用を、入居者に負担してもらう旨がガイドラインには記載されています。

例えば移住年数3年で退去し、張替面積30㎡、費用は1000円/1㎡の壁紙へと原状回復を行うとすると、以下の金額が入居者に請求されるということです。

3万円×(1-3年÷6年)=1.5万円

このように「原状回復にかかる費用全部ではなく、経年劣化変化分を考慮したうえで入居者には請求を行うべき」といった考えを、ガイドラインでは定めています。

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