管理費と修繕積立金の相場は1万円前後! 用途ごとに集められる!
マンションの修繕積立金の相場は? 不足した場合の対応も解説!
マンションを購入すると住宅ローンの返済以外に「修繕積立金」と「管理費」を負担しなければなりません。この2つの費用はマンションの管理組合が管理しているわけですが、「何に使われるお金なの?」と、疑問を持つ人もいると思います。そこで今回は、とくに金額も大きく、仕組みも分かりづらい「修繕積立金」に焦点を充てて、相場や適正価格、さらに不足した場合の対応なども解説していきます。
修繕積立金が不足した場合は計画の見直しから始める
万が一、修繕積立金が不足する事態になった場合、最も単純明快な対応方法が値上げに踏み切ることです。しかし区分所有者の合意を取り付ける必要があるために、簡単ではありません。
そこで検討したいのが、長期修繕計画の見直しです。「建物診断」などで現在の劣化状況を把握し、急ぐ必要のない一部の工事を延期することで、当面は大規模修繕に必要な費用を抑えられる可能性があります。管理会社に相談すれば建物診断を行ってくれる業者を紹介してくれるケースもあるでしょう。ネットで住宅診断士などの資格を持つ事業者を見つけて相談するのも一つの手です。
ほかにも、管理会社との契約の見直しなどで費用を削減するなどの処置も検討しておきましょう。
さらにこれらの対応を行った結果、それでもまだ足りない場合は、マンションの修繕に利用できるローンも検討したいところ。代表的な商品としては、住宅支援機構が提供する「マンション共用部分リフォーム融資」などがあります。このローンは屋上防水や外壁塗装工事などの共用部分のリフォーム工事費用が対象となっています。
修繕積立金は経費計上できる
修繕積立金の支払時点では実際に修繕が行われているわけではないため、経費計上ができません。
ただし、下記の項目を満たしている場合には経費計上が可能となります。
・区分所有者は管理組合に対して修繕積立金の支払義務を負っている
・管理組合は修繕積立金を区分所有者に返還しない
・将来の修繕等のためにのみ使用され、ほかに流用しない
・修繕積立金の金額は、長期修繕計画に基づいて合理的な方法で算出されている
一般的なマンションであれば上記の条件を満たしているため、おおむね経費として扱うことができます。
また、修繕積立金に消費税はかかりません。管理費と同様、会費のような位置づけであり、「事業の対価」としてもらう費用ではないからです。
修繕積立金の預け先として注目される「マンションすまい・る債」
入居者から集めた修繕積立金は、管理組合が管理するわけですが、預け先に頭を悩ませる理事会役員の方もいるはず。ちなみに全体としては、どういった預け先が一番多いのでしょうか。
国土交通省が行った調査によれば、修繕積立金の預け先として最も多いのは、全体の78.7%を占める銀行の普通預金だといいます。確かに一般の人にとっては、普通預金などは手軽な預け入れ先に思えます。しかし大手銀行でも利息は0.001%程度で、万が一銀行が破綻した場合に保障される金額が1000万円までといったリスクがあることも、頭に入れておかなければなりません。
そこで近年、修繕積立金の預け先として注目を集めているのが「マンションすまい・る債」です。事実、住宅支援機構が行った調査によれば、2019年は応募口数が過去最高を突破。途中の増減はあれど、年々増加傾向にあることがわかります。
そもそも「マンションすまい・る債」とは、住宅支援機構が管理組合向けに発行している債券のこと。1口50万円から購入でき、10年後にはこれまで購入した分の元本が返還される仕組みとなっています。マンション全体から集める修繕積立金(年間)の範囲内まで、毎年積み立てることも可能です。
毎年4〜9月に募集を開始し、翌年2月には債券が発行されます。さらに債券を保有している期間は毎年利息が支払われ、2020年2月に発行予定の債券の平均利率は0.102%(税引前・10年間)となっています。大手銀行の普通預金が0.001%程度であることを考えると、利息も高いことがわかります。せっかく大きなお金を預けるのであれば、少しでも増える預け先を検討してみましょう。
修繕積立金は”マンション暮らしを快適にする”ための費用
修繕積立金は、大切な資産であるマンションの価値を維持するための費用です。金額が低ければ、その金額に見合った修繕工事しか行うことができなくなるため、将来の資産価値を損ねてしまう可能性もあるのです。
今自分の住んでいるマンションでの暮らしを快適に過ごすための費用であることをみんなが理解して、修繕積立金が不足しないような管理・運営を行っていきましょう。
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