大規模修繕

大規模修繕のコンサルタントとは? 役割や不正を防ぐ方法を解説!

2020.08.28
大規模修繕のコンサルタントとは? 役割や不正を防ぐ方法を解説!

大規模修繕に向けた準備としては、理事会とは別に修繕委員会を設立して、修繕箇所の検討や施工会社選定などを行うのが一般的です。

とはいえ施工会社の選定や修繕箇所の調査などは、修繕委員会だけで行うには難しい部分もあるため、専門のコンサルタントに依頼するケースがあります。

今回はそんなコンサルタントの業務内容や、業者の選び方について解説していきたいと思います。

コンサルタントの業務内容とは?

大規模修繕における施工会社への発注方法のひとつに「設計監理方式」があります。

設計監理方式とは、管理会社や施工会社とは別に修繕箇所を記した設計書の作成や施工監理をするコンサルタントを入れる方式。コンサルタントは管理組合と施工会社の間に立ち、大規模修繕が円滑に進むようサポートすることになります。

では、コンサルタントはどのような業務を行うのか。以降で詳しく見ていきましょう。

【業務1】調査診断業務

建物調査

そもそも「建物のどの箇所を修繕すれば良いのか」を決めないことには、大規模修繕は始められません。

そのためコンサルタントは居住者アンケートや管理組合へのヒアリングなどを通じて、日常的な不具合や修繕への要望を確認。実際に建物の劣化状況を調査し、どのような工事が必要か、第三者の立場で判断する業務を担います。

なお、大規模修繕工事の詳しい進め方については、以下を参考にしてみてください。

【業務2】改修設計業務

建物の調査結果をもとに、どのような工事を行うのか、工法・仕様などを決定。そして仕様書や図面を作成し、予備費を含めて工事予算をまとめていく作業も担います。

また、工事を行う施工会社の選定をサポートするのも大切な仕事。公募などを通じて募集のあった施工会社の書類選考はもちろん、プレゼンテーションにも同席し、施工会社を選ぶお手伝いをします。

そして設計と修繕工事を別の会社が行うことで、工事内容を客観的に見極め、適正な工事が実施されやすくなる側面もあるでしょう。

【業務3】工事監理業務

施工会社による修繕工事が始まったら、当初の設計書や計画通りに進められているか、第三者的な立場でチェックします。

また、定期的に修繕委員会の打ち合わせにも参加。住民からの要望を施工会社の現場監督に伝えるなど、工事が終わるまで関わっていきます。

【業務4】アフター点検業務

大規模修繕が完了した後も、コンサルタントの仕事は終わりではありません。

施工会社によるアフター点検に立ち会い、管理組合の目線で建物を一緒にチェックします。

コンサルタントを依頼できる会社の種類は主に3つ!

続いて、コンサルタントに依頼するにあたって、どの会社に発注すれば良いのか紹介していきます。

【依頼先1】一級建築士事務所

コンサルタントには、設計の専門家である一級建築士が携わるのが主流です。ただ新築の設計を得意とする建築士事務所も多いため、あくまでも大規模修繕の知識や経験を持った事務所を選びましょう。

【依頼先2】専門コンサルタント会社

大規模修繕のコンサルタントを専門に行う会社もあります。一級建築士やマンション管理士などの専門家が所属しており、管理組合のサポートにあたることになるでしょう。

【依頼先3】管理会社

マンションの管理業務を行う管理会社のなかには、コンサルティング業務まで請け負うところもあります。そして施工に関しては、管理会社の工事部門や、関連会社が行うケースが多いようです。

不適切コンサルタントによるトラブルには注意!

設計監理方式を採用するときに、注意したいのが不適切コンサルタント問題。2017年1月には国土交通省も通知を出し、警鐘を鳴らしています。

一体、どういったトラブルが起こりうるのでしょうか。

【トラブル1】施工会社からリベートを受け取っている

本来コンサルタントは、中立的な立場で施工会社を選ばなければなりません。しかし施工会社からリベート(修繕費用の一部)を受け取り、その会社が工事を受注できるように不適切な工作が行われるケースがあるというのです。

リベートを捻出するためには、不必要な工事を設定したり、工事費を上乗せしたりしなければなりません。そのため一見コンサルタント費用は格安で、費用が節約できるように思えても、結果的に工事費が割高になってしまう可能性もあるでしょう。

またコンサルタントが公募で募集を行った施工会社との「談合」に関与し、工事金額を不当につり上げるなどのトラブルもあります。

適切な見積もりが行われているか見抜くためにも、大規模修繕工事の相場を知っておくことが大切です。

費用の目安については、以下でも詳しく解説しています。

【トラブル2】手抜き工事につながる

コンサルタントと施工会社がつながりを持っていると、工事監理が適正に行われないケースもあります。

工事のチェックが手加減されれば、手抜き工事につながりやすくなるでしょう。

コンサルタントを選ぶポイントとは?

不適切コンサルタントの被害を受けないためには、業者選びが大切。いくつか知っておきたいポイントがあるので見ていきましょう。

【ポイント1】過去の実績・リピート率を確認する

前述した通り建築士事務所であれば、新築が主な業務範囲であるケースも多いため、できるだけマンションの維持保全の経験や実績がある会社を選びましょう。

このとき同じマンションからリピートされているかどうかも、大切なチェックポイント。過去に良い仕事をしてきて、信頼されている証となります。

【ポイント2】有資格者が主要業務を担うかどうか

コンサルティング業務には、当然ですが一定の専門知識や技術力が必要です。管理組合との打ち合わせ・調査・設計・工事監理などの主要業務を、一級建築士やマンション管理士などの有資格者が行うかどうかも確認しておきましょう。

また、コンサルタントは管理組合の意向を汲み取り、施工会社に伝えるパイプ役となります。担当者の人柄やコミュニケーション能力、管理組合との相性も重要なポイントとなるでしょう。

コンサルタントによる不正を防ぐには?

不正

いくら過去実績や資格の有無をチェックしても、不適切コンサルタントか見極めるのは難しいもの。そのため、以降で紹介する不正を防ぐ方法についても確認しておきましょう。

【不正防止策1】多くの住民が大規模修繕に関わる

たくさんの人の目を通して見れば、それだけ不正を見抜ける確率が上がります。管理会社やコンサルタントに丸投げせず、ぜひ多くの住民が積極的に大規模修繕に関わりましょう。

また、大規模マンションではコンサルタントとは別に第三者の一級建築士・マンション管理士がセカンドオピニオンとして採用されるケースもあります。

【不正防止策2】部分的なサポートのみ依頼する

大規模修繕の前・中・後で発生するすべての業務を、コンサルタントに任せる必要はありません。

「施工会社選定だけサポートを頼む」「工事の品質チェックだけしてもらう」など、本当に必要な業務のみ依頼する方法もあります。業務をすべて一社に任せる場合に比べ、不正は起こりにくいといえるでしょう。

【不正防止策3】プロポーザル方式を選択する

プロポーザル方式とは見積もりに参加する施工会社がそれぞれ建物の状態を確認し、工事内容と見積もりを提案する方法です。設計書を作成せずに、各社からさまざまな工法を提案してもらえるうえ、正当な価格競争が起きやすいといわれています。

デメリットは、施工会社の選定に時間と手間がかかる点。不正リスクと手間とを天秤にかけ、どの方式を採用するか選ぶと良いでしょう。

不正リスクを頭に入れて慎重な業者選定を!

コンサルタントは、中立的な立場から大規模修繕工事をサポートしてくれます。とはいえ不正を行う業者もなかには存在するため、過去実績などを確認し、慎重に業者は選びましょう。

特に大規模修繕では、大きなお金が動きます。不正に対する厳しい目を持ち、多くの住民が修繕工事に関わることが大切です。

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