理事・管理

マンション管理のルールを定めた「マンション管理適正化法」とは?

2020.05.19
マンション管理のルールを定めた「マンション管理適正化法」とは?

2001年8月1日に、日本で初めてマンション管理に関する法律として誕生した「マンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下、マンション管理適正化法)」。管理組合の理事なら知っておくべきマンション管理に対する姿勢や管理会社の義務などが規定されています。

そこでこの記事ではマンション管理適正化法内で定められているさまざまなルールについて、管理組合の理事が最低限理解しておくべき内容をピックアップして説明します。ぜひ、マンション管理の参考にしてみてください!

マンション管理適正化法ができた背景とは?

言うまでもなく、マンション内の管理や修繕は住民が快適に暮らすために非常に重要な業務。ですが、実は2001年8月1日にマンション管理適正化法ができる前は、建物内の所有権に関する規定(区分所有法)はあったものの、管理や修繕に関する明確な規定やルールは存在しませんでした。

マンション管理適正化法が施行された背景には、1990年代の集合住宅の急増とともに、居住者間の意識を合わせるためのルールがなければ、適切な管理や修繕を行うのが難しくなったという現状がありました。

例えば共用廊下の電球ひとつ交換するのにも、ルールがなく、気づいた人がやるのでは不公平感が生じます。交換する人がいなければ、共用部分の管理は放置されたままかもしれません。このような一部の入居者の善意の働きかけに頼る管理体制のままでは、将来的に居住環境が悪化するマンションが出てきても不思議ではありません。

そこで国が先導するかたちでマンションの管理に関するルールを法制化し、管理組合や住人、さらにはマンション管理業者に対して管理に関するそれぞれの義務を明確に定めることになったのです。

マンション管理の専門資格などを新設!

マンション管理適正化法では、マンション管理の主体は管理組合とマンションの住人であることを前提としています。とはいえ、適切な管理のために場合によっては外部の専門家や専門機関も必要となります。

そこでマンション管理適正化法において「マンション管理士」の資格制度を新設。従来より存在する管理会社については、管理業の登録と「管理業務主任者」という専門資格保有者の設置を義務付けました。

さらに、日常の管理業務などに関する相談窓口として公益財団法人「マンション管理センター」を設置。相談は電話や対面、メールなどにより可能で、マンション管理に関する法律などをもとに中立的な立場でのアドバイスが受けられます。

マンション管理のあるべき姿勢を示す!

マンション管理適正化法では、マンション管理の適正化を図るために「マンション管理適正化指針」を盛り込んでいます(第3条)。このなかで、住人一人ひとりが積極性を持ってマンション管理に関わり、その役割を適切に果たしていかなければならないと定めています。

ではこの指針、具体的にどういった内容なのでしょうか。以降で大事な部分のみ抜粋して、紹介していきます。

マンション管理適正化指針の主要項目6つを要約!

マンション管理適正化指針では、マンション管理に対する管理組合のあるべき姿を6つの項目に分けて規定しています。今回はそのなかでも、特に管理組合が参考にしたい内容のみに絞り込んでみました。

1.マンションの管理に対する基本姿勢
管理組合を主体とした管理を基本とし、必要に応じて第三者(マンション管理会社など)に管理業務を委託する場合は、内容を十分に検討して契約を締結しなければならない。

2.管理組合の注意点
管理組合の運営は、情報を開示し、運営の透明化を図るなど民主的である必要があります。また管理組合は管理規約の作成と改定を適宜行い、長期修繕計画についても策定および適宜見直しを行うことが大切です。

3.区分的所有者(マンションの購入者)の注意点
これからマンションを購入しようとする人は、マンション管理の重要性を十分認識し、区分所有者として管理組合への参加と管理規約を守ることが必要です。

4.管理業務を委託する際の注意点
管理組合が管理会社を選ぶ際には、事前に資料を収集し、住人に対してその情報を公開しなければなりません。万が一、管理会社による業務に問題が生じれば、管理組合は業者に対して解決を求める必要があります。

5.専門家の活用について
管理組合はマンション管理の適正化をはかるため、必要に応じてマンション管理士など専門知識を有する者の知見を活用していきましょう。

法律で定められた管理会社の義務とは?

管理会社

マンション管理適正化法では、管理組合や住人のみならず、管理会社が果たすべき義務も規定しています。以降で代表的な義務の一部を紹介しますので、委託している管理会社がしっかりとこのルールに沿って業務を行っているか、照らし合わせてみましょう。

【義務1】マンション管理者として国土交通省に登録

マンション管理業を営むには、国土交通省が管理する「管理業者登録簿」に登録されなければなりません。登録の有効期間は5年。5年を過ぎたときには、更新手続きが必要となります。

【義務2】規模に応じて管理業務主任者を設置

管理会社は、業務の委託を受けた管理組合に対して30組合につき1人以上、専任の管理業務主任者を置かなければなりません。ただし、居住者が5人以下の管理組合については管理組合数にカウントしないものとします。

ここで、管理業務主任者とは「管理業務主任者試験」に合格し、かつ2年以上の実務経験、あるいは登録実務講習の修了試験に合格した場合に得られる国家資格のこと。資格の有効期間は5年で、更新には申請による手続きが必要です。

なお、管理業務主任者はマンション住人の申し出に応じて、主任者証を提示する義務があります。

【義務3】業務内容に関する住人向けの説明会を実施

管理会社と管理組合が委託契約を結ぶ際、管理業務主任者からマンション住人に向けた説明会を行わなければなりません。説明会の内容としては、管理業務の内容や財産の管理方法など。

説明会の開催日時と場所は、開催1週間前までにマンションの全ての住人に告知し、事前に説明会の内容を記載した書面を渡しておく必要があります。

【義務4】委託契約の成立時には書面の交付が必須

管理組合と委託契約を結ぶとき、管理会社は契約内容を記載した書面を交付しなければなりません。書面には、管理業務主任者の記名と押印が必要となります。

【義務5】会計などの基幹事務については他に委託できない

管理会社は管理組合の会計業務などの基幹事務については、一括して他人に委託することはできません。

逆にいうと、基幹事務以外、例えば清掃や草木の剪定、設備の修繕・維持などの業務については、第三者に委託することも可能といえます。

【義務6】管理業務の報告

管理会社は管理組合に対して、定期的に管理業務主任者から管理業務に関する報告をしなければなりません。「定期的」というのは、「管理組合の事業年度終了後、遅滞なく」とされています。

【義務7】書類の開示に応じる

マンション住人から業務内容や財産状況の書類の開示を求められた場合、それに応じなければなりません。

マンションの適正管理は、住人・管理組合だけでなく管理会社の協力も不可欠

マンション管理適正化法からもわかる通り、マンションの管理は管理組合とマンションの住人のみならず、管理会社などの第三者の協力も不可欠。必要に応じてマンション管理士やマンション管理センターなどにも相談しながら、健全なマンション管理を実施していきましょう。

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