災害時に頼りになる「自主防災組織」とは?
地震や火事など、非常事態に対処するためには日頃から備えをしておくことが大切。あわせてマンションのような集合住宅では住民同士の助け合いも必要となります。そこで鍵を握るのが、自主防災組織です。
今回は自主防災組織はなぜ必要なのか、そしてどのような役割を担うのかといった内容を中心に解説していきたいと思います。
自主防災組織の運営には補助金が出る!?
住民の自発的な活動で運営される自主防災組織ですが、多くの市がその活動に対して補助金を交付しています。
補助金の対象となるのは主に無線機や照明、救護用具、そのほか避難生活で必要な鍋やテントなどの購入費です。補助金の条件は地域によって異なりますが、一般的には自主防災組織に加入している世帯数によって上限額が設定されていたり、数年に1回など受け取り回数を定めたりしているところが多いようです。
日本全国で増え続けている自主防災組織
自主防災組織の設置率は全国でも増加傾向にあるようです。消防白書をもとにした奈良県の調査によると、2005年から2019年までの増加率は全国平均で18.2%となっています。
では、各都道府県の設置率はどうなっているのでしょうか。以下に、1位から10位までの設置率をまとめましたのでご覧下さい。
1位:兵庫県 97.3%
2位:山口県 97.0%
3位:大分県 95.8%
4位:石川県 95.3%
5位:愛知県 95.2%
6位:高知県 94.7%
7位:静岡県 94.6%
8位:香川県 93.9%
9位:徳島県 93.7%
10位:愛媛県 93.4%
こうしてみると阪神淡路大震災を経験した兵庫県や、南海トラフ地震の可能性があるとされている静岡県や愛知県といった東海地方の設置率が高いことがわかります。
自主防災組織の設置が住民の防災意識を高める
大きな災害時などでは、地域住民がお互いに助け合うことが大切ですが、それを促してくれるのが自主防災組織です。
マンション内で組織を結成する際には、防災委員会などが中心となって防災の必要性についてしっかりと説明し、それぞれの地域や住民に沿った災害対策を実施。必要ならば補助金の利用なども検討し、災害時に強い組織をつくっていきましょう。
イラスト:大野文彰
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