大規模修繕

大規模修繕前のベランダの片づけ、やらなきゃダメ?自力自費って本当??

2020.08.17
大規模修繕前のベランダの片づけ、やらなきゃダメ?自力自費って本当??

大規模修繕の際には、ベランダに業者が出入りする可能性もあります。そのため、置いてある私物は事前に片づける必要があることはご存じでしょうか。

この記事では、大規模修繕前に片づけておきたい荷物例や、私物を移動させるときの注意点などを紹介していきます。

大規模修繕にはベランダの工事も含まれる

ベランダは共用部分に含まれるので、大規模修繕の対象となる

区分所有法では、ベランダは専有部分ではなく共用部分に該当するため、大規模修繕の際の工事範囲に含まれます。

床の防水性能や室内側の壁の劣化が進みやすいため、定期的に修繕を行う必要があるのです。

ベランダで行う工事とは?

大規模修繕の期間はマンションの規模や天候によって前後しますが、3ヵ月〜半年ほどかかります。実際にベランダで行われる工事を見ていきましょう。

【工事1】防水補修工事

ベランダやバルコニーでは、主に床面の「防水補修工事」が行われます。防水の目的は、ベランダの床部分に雨が浸透するのを防ぐためです。

ベランダの防水は多くの場合、下地である床材のうえに塗料を重ねて塗ることで「防水層」を作り、その表面にさらに防水層を守るための「コーティング専用の塗料」を塗ることで構成されます。

材質によって異なりますが、繊維強化プラスチック(FRP)を使った防水加工の場合、まずは床面を清掃しプライマー(接着剤)を塗ります。次に防水用樹脂塗料を塗布。その後表面をサンドペーパーなどで整えて、トップコートをかけたら作業終了です。

ただ、一度施工すれば効果が永続的に保たれるわけではありません。紫外線や風雨にさらされることでコーティング部分や防水層が劣化していくため、定期的に防水工事を実施する必要があるのです。

【工事2】室内側の外壁塗装

ベランダの外壁にひび割れの箇所などがあれば、樹脂で埋めて外壁を塗り直したり、タイルを貼り替えたりします。

塗料の強い匂いによって気分が悪くなってしまう人もいるかもしれませんが、現在は弱溶剤系塗料や水性塗料など匂いをおさえた塗料もあります。

主に用いられる塗料は、価格と耐用年数が高い順に、フッ素塗装、シリコン塗装、ウレタン塗装、アクリル塗装です。

もし、塗料の匂いがきつく感じる場合や具合が悪くなった場合には、すぐに病院に行くとともに、管理組合に連絡しましょう。

【工事3】窓やサッシの修理・交換

国土交通省が定めているマンションの標準管理規約によると「窓枠及び窓ガラスは専有部に含まれないものとする」とされ、大規模修繕の対象になります。

ただし、窓ガラスについてはマンションによって「専用使用権を有している共有部」としている場合も多く、普段の生活で割れてしまったガラスの交換は個人負担となるケースが一般的です。

大規模修繕前にはベランダの片付けが必要

共用部分にあたるベランダの工事。床の防水工事や壁面の塗装工事などが行われるため、施工業者が立ち入ります。工事期間中は基本的にベランダに入れず、壁面の工事をしている間は窓も開けられません。そのため、工事がはじまる前に荷物を片付けておく必要があるのです。

「そもそも私物をいつ片付けるのか?」については、施工業者から事前に告知があります。

各住戸のベランダの工事を実施する場合、施工業者は事前に各家庭へのアンケート調査を行い、工事日程を調整するのが一般的。日程を調整後、工事を実施する住戸ごとに「いつまでに荷物を片付けておいてください」と告知文書を配布します。

文書が配布されるのは、工事開始の2〜3週間前。ただ、大規模修繕の計画自体は総会でも議題にあがりますので、おおよその時期はそれよりずっと事前に把握できるでしょう。

大規模修繕に向けて片づけておきたい荷物例

では告知文書が届いた後、どういった物を片づければ良いでしょうか。例外も含めて、具体例を以降でまとめてみました。

【荷物1】植物(植木・観葉植物)

観葉植物

工事中、観葉植物やベランダ菜園のプランター、植木などは処分するか室内に入れておきましょう。

また、一時保管場所としてベランダの荷物を置いておけるスペースを共用部分に確保するケースもあるようです。

室内に入れることができなかったり、マンションでスペースを確保していなかったりする場合、友人や知人に預けるのも1つの手でしょう。

【荷物2】物置

物置

ベランダに設置している物置も室内に片づけなくてはいけません。植木などと一緒に、一時的に置いておけるスペースが用意されていれば、そちらへ移動させましょう。

【荷物3】BS・CSアンテナ

アンテナ

衛星テレビを受信するためにアンテナを各家庭で設置している場合、撤去や再設置も行う必要があるかもしれません。

ただ大規模修繕の内容によっては、撤去の必要がないこともあります。そのため、事前に工事内容を確認しておきたいところ。

もし撤去の方法がわからない場合は、設置を依頼した業者に相談してみましょう。

【荷物4】タイルや人工芝

芝

居住者によっては、ベランダやバルコニーにタイルや人工芝を設置している方もいるかもしれません。工事の際には、こちらも撤去が必要な可能性があります。

【荷物5】網戸

網戸

マンションに取り付けられた網戸も、共有部分に該当します。工事の際には、工具が引っかかって破れたりする可能性もあるため、取り外す必要も出てくるかもしれません。

【荷物6】物干し竿掛け

物干し竿

もともとマンションの設備として備え付けられていた物干し掛けなどは、施工業者が撤去や再設置を行ってくれます。

しかし、自分で設置した自立式の物干し掛けなどは、居住者が移動・撤去を行う必要があるでしょう。

【例外】室外機

室外機

ベランダに設置されたエアコンの室外機は、簡単に取り外すことはできませんので撤去は不要。工事の際、移動させる必要がある場合は、施工業者が移動させて工事を行うことが一般的です。

なお、室外機を別の場所へ移動させた場合には、一時的にエアコンが使えません。また、移動の有無にかかわらず、床の防水工事を行う際にはエアコンの使用ができなくなります。

ベランダの私物を片づける際の注意点

ベランダの私物を片づけるときの注意点について、改めて以降でまとめてみました。

【注意点1】私物の撤去は居住者自身で行う

マンションのベランダやバルコニーは、専用使用ができるものの共有部分に該当します。大規模修繕の工事範囲となるため、施工中は私物を移動させる必要が出てくるでしょう。

移動や撤去に費用がかかってしまうこともあり、日頃からサイズの大きい物はあまり置かないほうが良いといえそうです。

【注意点2】撤去や廃棄はすべて自費

ベランダに設置してある私物は、当然ですが自費で撤去や廃棄する必要があります。

なお、必要以上に物が置いてあると避難経路としての役割を果たせないために、マンションによっては私物を置くこと自体を規制しているケースもあるようです。

【注意点3】保管場所を確保する

撤去や廃棄を行わない場合は、基本的に自宅で保管します。マンションによっては管理組合が仮置き場を設置することもあるようですが、住民の共有スペースになるため、高価な植木や生き物のいる水槽などは置けません。

ベランダの荷物を片付ける前に、部屋の中で置き場所があるか確認しておきましょう。

ベランダに荷物を戻せるのは1〜3ヵ月後

実際に立ち入り自体が制限されるのは、下地補修工事や防水工事、塗装工事などの期間。床面の防水に用いられる素材の硬化を含めて1〜2週間程度です。その後はベランダへの立ち入りが許可される場合もあります。

ただし、荷物をベランダに戻せるのは、ベランダ工事が全て済んだあと。足場の仮設終了時点から施工会社による工事のアンケートも含めて、3ヵ月ほどは荷物を戻せません。

ベランダには日頃から不要な物を置かないのがベター!

大規模修繕において、各住戸に設置してあるベランダが工事対象になるときは、私物などはすべて移動もしくは処分する必要があります。また、そもそも消防法の観点から、規約で物品の放置が定められているマンションもあります。

そのため、普段からあまりサイズの大きな物は置かないようにしておくと安心です。

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