雨漏り発生!原因はどうやって突き止めるのか?
マンションの資産価値はもちろん、居住者の健康にまで影響が及んでしまう可能性のある雨漏り。一体、どういった原因によって引き起こされるのでしょうか。この記事では雨漏りの主な原因や調査方法、対応にかかる費用などについて紹介していきます。
原因特定の方法とおおよその費用感も紹介!
雨漏りは原因を深く調査しないまま修理をしてしまうと、一時的には防ぐことができても、その後再発してしまう可能性もあります。
そこで修理の前に、まずは現地にて原因究明の調査を実施しておきましょう。調査方法は主に4種類あり、発生箇所によって使い分けることが大切です。以下で紹介していきます。
【1】目視調査
目視調査とはその名の通り、屋根裏や窓周辺などを目視で確認することで雨漏りの原因を突き止める方法です。費用としては3万円程度ですが、無料で行ってくれる業者もなかにはあります。
ただあくまでも簡易的な調査であって、原因を完璧に特定することは難しいのが実状です。目視で行うために調査する人の経験や知識に依存することが多く、可能な限り「雨漏り診断士」など、雨漏りの原因や修理に関する専門的な資格を保有している人に依頼しましょう。
【2】散水調査
散水調査は、高圧洗浄機などを使って雨水の侵入口と予想される箇所にホースで水を送り込み、実際に雨漏りが発生するかを再現する方法です。雨漏りの原因と予想される箇所と、雨漏りしている部分が物理的に近い場合に適しています。例えば窓のすき間から雨漏りが発生しているとき、原因が窓回りのシーリング材の劣化であると予想できるケースなどです。
費用は3~20万円程度で、水を送り込むときに使用する水道代は自己負担となります。
【3】発光液調査
発光液を雨漏りの原因であると考えられる部分に流し込み、紫外線を投射させることで光らせて、雨水の侵入経路を把握する方法です。雨水の流れる経路がわかるため、複数箇所で同時に雨漏りしてしまった場合の調査に適しています。
発光液は人体に無害で、かつ数日で発光はなくなるため、建材などの色味に影響を与えることは基本ありません。なお、費用は5~25万円程度といわれています。
【4】赤外線サーモグラフィー調査
赤外線カメラ(サーモグラフィー)によって表面の温度差を色で識別することで、雨漏りの位置を特定する方法です。水が通った箇所は青色っぽくなるため、その色をもとに雨水の浸入箇所を探ります。水を使用するのとは異なり、建物に負荷をかけずに精度の高い調査が可能です。
費用は5〜30万円程度と、ここまで紹介した調査方法のなかでは最も高額になります。
修理箇所別の費用相場
では、雨漏りを修理する場合に必要な費用はどのくらいでしょうか。
【1】窓
コーキングの補修は1mあたり1000円程度。窓枠の補修は1枚当たり3万〜10万円で、サッシの交換は1枚あたり5万〜30万円程度です。
【2】ベランダ
手すりのコーキング材は1mあたり1000円程度で補修されます。手すり自体の交換は3万〜10万円、床下地を交換するとなると、15万〜20万円程度が目安となるでしょう。
【3】外壁
外壁のコーキング材も1mあたり1000円程度で補修されます。ひび割れの補修は1mあたり1000〜2000円程度です。マンションの場合、足場を用意する必要があれば規模に応じて足場仮設費用もかかります。
現地調査から修理までの流れ
依頼したい修理業者に連絡し、現地調査の日程を取り決めます。現地では、上記で紹介したような調査方法を用いて雨漏りの原因を究明します。調査に必要な費用は事前に聞いておくとトラブルを防げるでしょう。
原因がわかったら、修理のための見積書を作成してもらいます。原因と費用に納得ができたら修理へと進みます。円滑に進めば3日程度で工事は終了します。
雨漏りが発生したらすぐに調査と修理を依頼しよう!
雨漏りが疑われたら調査も修理も専門業者にできるだけ早く依頼をしましょう。そのまま放置をしていると建物の強度そのものを劣化させたり、カビによるアレルギーや喘息などの健康被害につながったりと、雨漏りの影響範囲が拡大してしまう可能性があります。マンションの資産価値を保ち、健康的な生活を送るためにも専門業者への迅速な依頼が大切です。
イラスト:大野文彰
この連載について
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