理事・管理

建物診断の費用相場は20〜100万円! 無料診断についても解説

2022.12.02
建物診断の費用相場は20〜100万円! 無料診断についても解説

マンションの劣化箇所の修繕を行う大規模修繕は、実施前に劣化がどのくらい進行しているのかを調べておくと、より効率的に行えます。建物の劣化状態を調べるために行う調査が「建物診断」です。

今回の記事では、建物診断の実施内容や費用相場についてなど、基本的な内容について紹介していきます。

建物診断でマンションの劣化状況を把握できる

建物診断でマンションの劣化状況を把握できる

マンションは時間の経過と共に、徐々に建物のさまざまな部分で劣化が進んでいきます。新築時から長い年月が過ぎたマンションでは、日常の生活を過ごすうえで何も支障が無いように思えても、実は深刻なレベルの劣化が起きているかもしれません。

しかし、どのくらい劣化が進行しているかを知るには、建物に対する正しい知識や、専門用具を使用した測定などが必要となるため、管理組合だけで対応するのは難しいでしょう。

そこで実施されるのが、「建物診断」です。建物診断では、建物の専門家が多種多様な調査方法を駆使して、マンションの劣化がどのくらい進んでいるかを調べてくれます。

診断によってわかるマンション全体の劣化状況は、優先して修繕するべき部分を知るために非常に有用です。次回の大規模修繕で必ず修繕しなければいけない箇所とそうでない箇所の判断材料や、修繕工事の想定概算工事費用の算出を行うために役立ちます。

専門家による調査から住民アンケートまで実施内容は幅広い

建物診断では、専門家によってさまざまな調査が進められます。代表的な調査方法の1つが、目視調査です。マンションの外壁や屋上、建物内部などの幅広い箇所を対象に、劣化が発生していないかを専門家が目で確認していきます。

目視調査と合わせて実施される機会が多い調査方法が、打診調査です。タイル張りの外壁などを打診棒という専用の棒で叩き、反響音を聞いてタイルに浮きが発生していないかをチェックします。

また、上述の方法よりも詳しく建物の状態を調査するために、専門の測定機器を使用したり、外壁やタイルの一部を剥がして劣化状態を調べる破壊検査を行ったりする場合も。

さらに、専門家による調査以外で建物の状態を知る手段として、マンション住民へのアンケートも行われます。

バルコニーの状態や、各住戸で水漏れが発生していないかなど、普段生活するうえでの気になる点や心配な箇所についての住民からの情報は、隠れた劣化を見つけるための重要なヒントとなるでしょう。

建物診断には無料と有料がある

その道のプロに依頼するため、建物診断は基本的には有料です。しかし、なかには無料での診断を実施している会社もあります。

ここからは無料と有料でどのような違いがあるか見ていきましょう。

無料診断は簡易的な調査のみを行う

無料診断は比較的簡易な調査となる

無料診断では主にマンションの外観や共用部分を対象に、目視調査や打診調査といった比較的簡易な調査が行われるのが一般的です。

配管やコンクリート内部などの状態までは調べられないので、マンション全体の劣化状況を把握するために万全な調査とは言えないでしょう。

無料診断で異常が見られなかったからといって、必ずしも修繕の必要がない状態だとは限らないという点は要注意です。

大規模修繕を実施するべき時期を知るためには有料診断が有効

修繕時期を把握したいなら有料診断を実施

有料の診断では、無料診断で行う目視・打診による調査に加えて、外壁の劣化状況を調べるためのコンクリート中性化試験や、内視鏡を使用しての排水管内部検査など、専用機器を用いたより精度が高い調査を行います。

また、無料診断の調査対象範囲は共用部分だけですが、有料診断は各居住者が住む専有部分も対象になるというメリットも。

無料診断よりも詳細で広域な劣化状況がわかるので、建物の寿命や大規模修繕を行うべきタイミングを調べるためには、有料診断が適していると言えるでしょう。

有料の建物診断の費用相場は20万〜100万円程度

有料の建物診断は、1回につき20万〜100万円程度が費用の目安です。

ただし、規模が大きいマンションの場合は調査を行う範囲が広域となるため、作業の手間が増えて費用も高くなります。そのため、総戸数が200戸以上のマンションともなれば、建物診断の費用が100万円を超える場合も出てくるでしょう。

建物の構造などの条件によっても費用感が変動する可能性があるので、正式な費用を知るためには、実際に業者に見積もりを依頼する必要があります。

建物診断は大規模修繕が必要な時期を見極めるために実施しよう

建物診断を実施するタイミングについては、法律による定めはないため、マンションごとに適した時期を選んで行えます。(ただし、外壁がタイル貼りのマンションは、10年に1度のサイクルで外壁全面打診調査の実施が義務付けられています。詳しくはこちらの記事を参照ください。)

最も効果的な建物診断の活用方法は、大規模修繕工事が必要かどうかを見極める目的で行うことでしょう。

大規模修繕工事は12年程度の周期で実施するのが一般的とされています。ただし、この周期はあくまで目安であり、どのマンションにも当てはまるとは限りません。

建物診断を実施すれば、マンションごとの修繕が必要となる適切な時期がわかるため、不要なタイミングで修繕工事を行って余計な出費を発生させてしまうのを抑止するために効果的です。

また、マンションによっては、大規模修繕計画を実際の劣化状況に合わせてアップデートしていくために、5年に一度の周期で建物診断を実施しているところも多くあります。

建物診断の実施を検討してみよう

今回はマンションの劣化具合を調べるために有効な、建物診断について解説してきました。

大規模修繕を行う適切な時期がわかるので、積極的に活用していきたい建物診断。有料診断の場合は、費用相場が20万〜100万円と決して安くはありませんが、今回の記事で実施するメリットも感じていただけたのではないでしょうか。不要な修繕工事を避けるためにも、診断の実施を検討してみてください。

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