連載:理事会役員超入門

マンションの総会はどうやって進行する? 事前準備や流れを紹介!

2020.06.13
マンションの総会はどうやって進行する? 事前準備や流れを紹介!

分譲マンションにおいて、理事会で話し合った内容に関して「最終的な意思決定を下す」最高機関として位置する総会。招集については原則として理事長が実施し、少なくとも毎年1回は通常総会を招集することが、「区分所有法」というマンションに関する法律のなかで定められています。

今回はこの総会について、事前準備や当日の流れを中心に紹介していきます。

総会の決議は「普通決議」と「特別決議」に区分される

総会では、通常の議案について“議決権総数の過半数”で決定する「普通決議」と、“議決権総数の4分の3以上”で決定する「特別決議」があります。

ここでいう「議決権総数」とは多くの場合、マンションの総戸数(賃貸として貸し出している住戸を除く)と同じ数になります。住戸を1戸所有していれば議決権は「1」となり、例えば「普通決議」であれば、40戸あるマンション(すべて分譲)なら21戸以上の賛成が必要になるということです。

以降でそれぞれの決議において取り扱う内容を、詳しく見ていきましょう。

「普通決議」は収支報告などの一般的な案件を扱う

議決権総数の過半数以上の賛成で決議する普通決議で話し合う内容は、以下の通りです。

・収支決算および事業報告
・次年度の収支予算および事業計画
・管理費等および専用使用料の額ならびに賦課徴収の方法
・役員、管理者の選任・解任など
・管理費・修繕積立金等の改定
・建物の2分の1以下が滅失した場合の復旧
・共用部分等の特別管理のための資金借入など
・原状復帰レベルの大規模修繕

なお総会において区分所有者の出席が少なく、また書面による権利行使や代理人への委任なども行なわれず、過半数の決議要件を満たすことが困難なケースもあります。こうした場合に備え、管理規約のなかでは普通決議の成立要件を「過半数」よりもあらかじめ緩和しておくことも可能です。

「特別決議」は管理規約の変更などの重要案件を扱う

一方で普通決議と比べると要件成立のハードルが高い特別決議では、以下のように扱われる内容も建物の大幅な改良・改善をともなう工事や管理規約の変更など、マンションの暮らしに深く影響するものとなります。

・建物の大幅な改善や改良をともなう工事
・管理規約・使用細則の変更
・建物が大規模(建物の2分の1以上)に滅失した場合の復旧
・義務違反者に対する訴えの提起
・管理組合法人の設立・解散

なお、建物の建替えに関しては区分所有法によると「区分所有者数の5分の4以上」かつ「議決権の5分の4以上」の賛成が必要となるため、さらに成立のハードルは高いといえます。

総会開催までに何を準備する?

書類

では、総会を開催するまでに理事会の役員は何を準備すれば良いのでしょうか。以下で整理してみました。

【1】招集通知書(総会開催案内)の作成・配布

標準管理規約(各マンションにある管理規約のモデル)には「総会を招集するには、少なくとも会議を開く日の2週間前(会議の目的が建替え決議であるときは2ヵ月前)までに、会議の日時、場所及び目的を示して、組合員に通知を発しなければならない。」と定められています。そのため、総会を開催するにあたっては事前に招集通知書(総会開催案内)を作成し、各区分所有者(マンションの購入者)に配布するのが一般的です。

招集通知書の作成にあたっては、以下の内容を記載しておくと良いでしょう。

・発送日時と組合住所
・管理組合名
・招集権者名
・総会の日時(必須)
・場所(必須)
・議題(必須)

なお、区分所有法では「総会ではあらかじめ通知した事項についてのみ決議することができる」と定められています。つまり、総会で決議が必要な議題については、招集通知書などに漏れなく記載しなければなりません。

【2】出席票・委任状・議決権行使書の作成・配布

【1】で作成した招集通知書とあわせて、以下の書類も添付する必要があります。

・総会議案書(議題の具体的内容を記載した書類)
・出席票(出席または欠席するかどうかを示す書類)
・委任状(議決権行使を委任する代理人を指定する書類)
・議決権行使書(通知された各議案についての賛否を示す書類)

招集通知書も含めたこれらの書類は、居住している区分所有者全員に配布し、総会開催前までに出席票・委任状・議決権行使書を回収しなければなりません。不在が多く、なかなか配布できない区分所有者に対しては、建物内の見やすい場所に招集通知書を掲示して発送に代えることも可能です。

ちなみに委任状や議決権行使書の数を含めても議決権総数の半数以上に満たない総会は、「流会」といって後日改めて召集・開催、つまりは延期になってしまうことが標準管理規約のなかで定められています。

総会当日の一般的な流れ

マイク

総会の進行手順に明確な決まりはなく、マンションによって進め方は異なります。一例を挙げておきますが、これを参考に自分たちのマンションに合うようアレンジしてみてください。

①開会の辞
②議長就任
③役員の紹介(役員から簡単な挨拶)
④議事録署名人の指名(管理規約に基づき総会議事録を作成することを宣言、署名人の指名)
⑤総会の成立要件の確認(出席者数、委任状数・議決権行使書提出数の合計が議決権総数の半数以上であり総会が成立する旨を報告)
⑥総会運営においてのルール説明(質問を受け付ける時期、発言の方法など)
⑦各議案説明(収支決算報告、監査報告、各議案の説明など)
⑧質疑応答・採決
⑨新役員の紹介・挨拶
⑩閉会の辞

なお、総会議案書の最初のページに「議事次第(協議する議題の順序を示したもの)」を入れておくと、議長も参加者も進行状況が把握できて便利です。

以降では、総会の流れのなかで特に大事なポイントをまとめてみました。

【1】議長を務める理事長の挨拶

招集通知書に記載した時刻にて、議長にあたる理事会の理事長が総会を始める挨拶を実施。そして各役員の紹介と、それぞれ簡単な挨拶などを行ったうえで総会が始まります。

【2】議事録の作成と署名・押印

区分所有法では総会の議事録作成が義務付けられており、標準管理規約にも「議長及び議長の指名する2名の総会に出席した組合員がこれに署名押印しなければならない」と記載されています。議事録には開催日時や場所、組合員総数や議決権数、議案の決議結果などを記載していきましょう。

【3】総会成立の要件を報告する

前述したように、総会は議決権総数の半数以上の組合員が出席しなければ成立しません。 そのため「総会に実際に参加している人」「委任状を提出した人」「議決権行使書を提出した人」の合計数が議決権総数の半数以上を超えていることを、伝える必要があるのです。

【4】総会の進行を円滑にするためのルール説明

総会をスムーズに進めていくためには、運営のルールが統一されていることが大切です。そのため、以下にあげたようなルールを事前に報告しておくと良いでしょう。

・総会資料は事前に配付しているため、各議案の説明は要点のみとする
・質問は挙手によって行い、指名されたら部屋番号と名前を言ってから質問する
・時間の都合上、質疑を途中で終了することがある

そのほか総会運営のルールに「円滑な議事進行の妨げになると判断した場合、質疑を受け付けない、もしくは退席を命じることがある」と盛り込むことで、自分本位で不毛な質疑を繰り返す人の対策にもなります。

【5】各議案説明や質疑応答、採決の手順を決める

総会を円滑に運営していくためには、各議案説明や質疑応答、採決の手順なども事前に決めておくと良いでしょう。例えば、「議案ごとに説明してから質疑応答を行い、採決する」もしくは「すべての議案の説明後にまとめて質疑応答・採決をする」といった具合です。

また各議案においては、誰がどのタイミングで説明・回答するのか、役員同士で事前に決めておきましょう。採決の方法も拍手や挙手、起立や投票など、事前に実施する方法を決めておくと当日のスムーズな進行につながります。

【6】新役員の挨拶と現理事長へのお礼

次の新理事長候補が決まっている場合は、その人が代表して新役員の紹介や簡単な挨拶も実施しておきたいところ。その後、議長(現理事長)に今期1年間のお礼などの挨拶をもって、閉会とします。

積極的な総会への参加がマンションの住み心地を良くする

マンションの住み心地を良くしたり資産価値を保ったりするためには、維持・管理がきちんと行われなければなりません。

そのためマンションの管理に関する最終的な意思決定機関である総会では、区分所有者一人ひとりが当事者意識を持ちながら参加することが大切。まずは理事会のメンバーが中心となって、総会に参加しやすい環境を整えていきましょう。

イラスト:大野文彰

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この連載について

【連載】理事会役員超入門

マンションだからといって、購入後の管理はすべて管理会社にお任せ!というわけにはいきません。ほとんどのマンションにおいて、理事会の選考は立候補制ではなく、メンバーが入れ替わる輪番制。つまり、居住者誰もが理事会を担当する可能性が。というわけで本連載では、理事会役員になったらまず、これだけは知っておきたい!という超入門知識をご紹介。しっかり知識を身につけて、より良いマンションライフを送りましょう!

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