宅配ボックスの設置費用や維持費はいくらか? 種類ごとに紹介!
マンションの「宅配ボックス」で起こるトラブルを解決したい!
マンションでよく起きるトラブルをテーマに、その解決方法を紹介していくこの連載。今回は「宅配ボックス」に焦点をあてて、解説していきたいと思います。
宅配ボックスは、宅配ロッカーとも呼ばれ、不在時でも荷物を受け取ることができるカギ付きのロッカー設備。日中に荷物の受け取りが難しい方はもちろん、荷物の再配達を依頼する手間もなくなり、配達業者にとっても一度の配達で済むなどのメリットがあります。そんな便利な設備の1つでもある宅配ボックスですが、思わぬトラブルにつながる可能性もあるのです。
便利な宅配ボックスでもトラブルは起こりうる!
宅配ボックスのトラブルは、基本的には管理員や管理会社に問い合わせることになるでしょう。ただ、あらかじめトラブル事例を確認しておくと、事前に対策できるかもしれません。
そのためまずは、宅配ボックスで起こりうるトラブル例とその解決方法を紹介していきますね。
【トラブル1】暗証番号がわからない! 間違っていた!
そもそも宅配ボックスには旧型の「ダイヤル式」と、近年主流となっている「電子式」の2つのタイプが存在します。
ダイヤル式は配達員が宅配ボックスに荷物を入れた後に、暗証番号を設定するタイプ。
宅配ボックスのそれぞれの扉にダイヤルが付いており、荷物を入れた後に暗証番号を決め、ロックします。そして配達員は宅配ボックスの番号と、そのとき設定した暗証番号を記載した配達通知書を作成し、郵便ポストに投函します。
一方で電子式は、配達員が液晶パネルの指示に従って荷物を入れる仕組み。固定の暗証番号で解錠するタイプと、磁気カードで解錠する主に2つの仕組みが存在します。
この2種類のなかでも特にダイヤル式の宅配ボックスでは、配達通知書が郵便ポストに入っていない、もしくは暗証番号が記入されていないといったトラブルが発生する可能性があります。
このような場合、まずは配送ドライバーに電話で問い合わせてみましょう。問い合わせ先がわからないときは、購入元の発送通知のメールを確認したり、宅配業者の営業所などに連絡したりすれば、配送ドライバーの連絡先がわかる可能性があります。
なお、配達通知書に記載されている暗証番号が間違っているケースもありますが、この場合も同じく配送ドライバーに連絡。それでも解決しない場合は、マスターキーを持っている管理員か管理会社に相談してみましょう。
【トラブル2】荷物が入っていなかった!
郵便ポストに配達通知書が入っているにもかかわらず、宅配ボックスには荷物が入っていないこともあります。
考えられる理由としては、次の通り。
・宅配業者が荷物を入れる宅配ボックスの番号を間違えた
・宅配業者が荷物を持ち帰ってしまった
・盗難に遭った
・共用の宅配ボックスの暗証番号がすべて一緒になっているなどのため、ほかの居住者が間違えて持ち帰った
【トラブル1】と同様に、一度配送ドライバーに連絡を行い、それでも解決しない場合は管理員や管理会社に相談するしか方法はないといえるでしょう。
【トラブル3】宅配ボックス内に何日も荷物が放置されている!
「宅配ボックスが埋まっていたので荷物を持ち帰りました」という通知が、郵便ポストに入っていることもあります。宅配ボックスは必ずしも部屋ごとにあるというわけではないため、いつも埋まっているケースもあるでしょう。
配送業者からの荷物の受け渡しが多い場合であれば、仕方ありません。しかしなかには荷物が届いているにもかかわらず、何日も宅配ボックスに入れたまま放置されているケースも考えられます。
宅配ボックスを専有化する人が増えることでトラブルに発展するケースもあり、管理組合によっては理事会の際に宅配ボックスの利用状況を確認しているところもあるといいます。
解決策として、共用の掲示板に注意喚起のポスターなどを設置するのはもちろん、管理規約で「1週間連続で同じボックスが使用中となっている場合は、理事会役員・管理会社・管理員立ち会いのもと、ボックスのなかを確認できる」と規定するなどの方法があげられるでしょう。
【トラブル4】子どもが閉じ込められてしまった!
大きな宅配ボックスであれば、小さな子どもが入れるくらいのスペースも十分にあります。東京消防庁によると、子どもたちがかくれんぼをしていて宅配ボックスのなかに隠れたら、ドアが閉まって開かなくなったという事故も発生しているようです。
宅配ボックスは人目につきにくい場所に設置されていることもあり、子どもが宅配ボックスのなかに閉じ込められたら、長時間見つからない可能性もあります。夏場であれば、熱中症になってしまう恐れもあるでしょう。そのため日頃から子どもに事故の危険性を教えるとともに、宅配ボックスで遊ばないように注意を促すことも大切です。
意外とトラブルも多い宅配ボックス、設置するメリットは?
ここまで紹介したように便利な反面、トラブルが発生する可能性もある宅配ボックス。では、改めて設置するメリットは何か。以降でまとめてみました。
【メリット1】再配達を依頼する手間が省ける
不在でも宅配ボックスで荷物を受け取れるため、わざわざ再配達の依頼を行ったり、配達時間帯に家で待機したりといった手間が省ける点は、やはり大きなメリットといえそうです。配達時間帯を気にする必要もなく、ネットショッピングも利用しやすくなるのではないでしょうか。
【メリット2】マンションの防犯性が保たれる
荷物を受け取るために個々の玄関で配達員の対応をする必要がないため、宅配業者を装った悪質なセールスなどが避けられます。1人暮らしなどで防犯面が気になる方には、ひとつの安心要素ともいえそうですね。
【メリット3】24時間受け取り可能
宅配ボックスなら、荷物を受け取るタイミングは自分の都合に合わせることができます。配達時間に合わせて行動する必要もなく、24時間いつでも荷物を受け取れる点もメリットといえそうです。
宅配ボックスの導入費用はどのくらい?
改めてメリットがわかったところで「宅配ボックスを設置したい!」と考える方もいるかもしれませんが、導入にあたってまず気になるのが、費用。いくらぐらいかかるのでしょうか?
追加サービスやオプションによって価格は変動するため、あくまでも一例ですが、12ボックスを設置する際の導入費用の目安は以下の通りです。
月々の維持費については、同じく12ボックスを設置した場合、次の金額が目安となるでしょう。
基本的にダイヤル式の維持費は無料であることが多く、費用が発生するとしても故障時のみといえます。一方で、電子式は電気代や保守管理費用などのコストが継続的にかかるといえるでしょう。
なお、宅配ボックスの設置費用について以下の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
設置費用が高額になるケースも!?
そもそも宅配ボックスを設置するスペースがない場合、郵便ポストなどを撤去する必要も出てきます。この場合、郵便ポストと宅配ボックスの一体型を設置する必要があるため、通常よりも費用が高くなる傾向にあるでしょう。
なお、分譲マンションの場合は宅配ボックスのみの追加工事を行うことはあまりありません。十数年に一度の大規模修繕時に、まとめて設置することがほとんどです。
以上、今回紹介したトラブルの解決方法やメリットなども踏まえて「宅配ボックスがない」というマンションであれば、理事会や総会などを通じて設置を検討してみてはいかがでしょうか。
次回、7回目となる連載は「足音」をテーマに、足音が響く原因や対策方法について解説していきます!
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この連載について
【連載】これで解決!マンション暮らしのトラブル
複数の世帯が生活を送る分譲マンションでは、共用スペースの使い方やペットの飼育、ゴミ捨て場における利用マナーなど、思いがけないトラブルに遭遇する可能性があります。そこで、本連載『これで解決! マンション暮らしのトラブル』では、マンションでよく起こる困った問題の解決方法をテーマごとにご紹介。トラブル発生の防止や、万が一起こってしまった際の対応マニュアルとしてもご活用ください!