連載:これで解決!マンション暮らしのトラブル

「ベランダ(バルコニー)」のトラブルを解決したい!

2021.07.16
「ベランダ(バルコニー)」のトラブルを解決したい!

マンションでよくある困った問題をテーマに、その解決方法を紹介していくこの連載。今回は「ベランダ(バルコニー)」のトラブルに目を向けてみたいと思います。

ついつい、自由に使っていい場所と思いがちな、ベランダ。だからこそ布団の干し方やタバコの臭いなどが周りに迷惑をかけ、トラブルにつながってしまう恐れもあります。

では、どんなトラブルがあるのか。具体例から対処法まで見ていきましょう。

ベランダ(バルコニー)で起こる3つのトラブル

【トラブル1】布団の干し方が我慢ならない

布団を干すときは下の階への配慮も必要

天気が良いと、ベランダに布団を干したいと思うかもしれません。

そんなとき、物干し竿だけでなくベランダの手すり部分を使って、布団を干すという人もいるでしょう。ただ、これこそトラブルの原因になることがあります。

例えば「上階の布団の干し方が我慢ならない」というクレームが起こることも。手すりに干していた布団が下の階のベランダにまで到達してしまい、視界を遮ってしまうこともあるのです。

さらに、布団をたたく音やほこりが、クレームの原因となることもあるそう。こうしたトラブルに発展してしまうからか、なかにはベランダでの布団干しを禁止するマンションもあるようです。

【トラブル2】タバコの臭いが気になる

ベランダでは、タバコに関するクレームも多いと言われています。タバコの臭いが洗濯物や布団につくことを嫌ったり、臭いそのものに嫌悪感を示したりなど、パターンはさまざま。

本来、管理規約に「ベランダでの喫煙は禁止」と書かれているなら、禁煙がルールとして決まっていることになります。住人は管理規約を守る義務があると区分所有法で定められていますので、禁止されている場合は喫煙を控えなければなりません。

そのためタバコを吸う人はもちろんですが、煙やニオイに悩まされている方もまずは管理規約にどう記載されているか確認しましょう。

ちなみに管理規約で禁止されていなくとも、体調に悪影響を及ぼすような場合は損害賠償請求の対象となるケースも。「管理規約で禁止されていないから問題ない」というわけではないことは知っておいたほうが良いでしょう。

またタバコではないですが、生ゴミが入ったゴミ箱をベランダに置いており、異臭を放つケースもあります。

きちんと蓋を閉めていても、臭いは出るもの。室内に置くか、小まめにゴミ出しを行いましょう。

【トラブル3】大量の水がたまって部屋の床に届きそう……

大雨が降った日、バルコニーを見ると大量の水がたまっており、今にも部屋に届きそう……というトラブルもあるようです。

原因として考えられるのは、雨水などを排水する管や溝が枯葉やほこりでふさがっているなど。バルコニーにあまり出入りする機会がないと、掃除もおろそかになり、枯葉やゴミがたまって水が溢れてしまう可能性があるのです。あふれ出た雨水は、下階に流れ落ちてしまい、さらなるトラブルに発展することもあります。

とくにベランダでガーデニングを行っている場合、土や枯れ葉が配水管を塞ぐ原因となってしまうため、小まめに掃除をしましょう。

そのほか、育てている野菜や花から虫がわき、周囲に迷惑をかけることも。行き過ぎたガーデニングは避けたほうが良いでしょう。

トラブルはどうやって回避する?

悩ましいトラブルへの対処方は?

では、トラブルに、どう対応をすれば良いのか。以降で紹介していきます。

【対処法1】管理会社や理事会へ相談する

トラブルの対処法としてまず思いつくのが、管理会社や理事会への相談です。

トラブルの種となっている住民と顔見知りの関係なら、直接苦情を伝えるのも難しくはないかもしれません。しかし、それほど親しい関係ではない人にいきなり苦情を伝えるのはハードルが高いですし、逆恨みなどで大きなトラブルに発展する恐れもあります。その点、理事会のような第三者を間に挟むことで自分は顔を出さずに済みますし、相手も冷静に話を聞いてくれる可能性があるでしょう。

【対処法2】管理規約でルールを明確化する

例えばベランダでの喫煙ルールが管理規約で明確化されていない場合、タバコの煙に悩まされていても、なかなか相手に強くは伝えられないかもしれません。

そのため、トラブルを可能な限り回避するためにも、管理規約でルールを明確化するのは一つの手。ベランダで布団を干すときのマナーや、喫煙ルールを明確化しておきましょう。

ちなみに区分所有法では「区分所有者及び議決権の4分の3以上の賛成があれば管理規約の変更が可能である」と定めています。もし、布団の干し方やタバコの煙に悩まされている住人が多くいるようなら、総会で規約の変更を提案するのも選択肢としてありかもしれませんね。

【対処法3】当人同士の解決では妥協案を出してみる

歩み寄る姿勢が大切

理事会や管理会社が対応してくれないなど、どうしても直接の話し合いが避けられない場合もあるかもしれません。そんなときは、隣人との関係を悪化させないように具体的な解決案を提示することが大切です。

例えば相手にタバコを吸う時間帯を決めてもらい、その間は窓を閉めたり洗濯物を干さないようにするなど。双方で歩み寄る解決策を提案すれば、相手も納得してくれるかもしれません。

もしくは、タバコの場合、子どもの健康への影響を心配しているなど、喫煙によって被る害を具体的に伝える。すると、相手にも理解をしてもらいやすくなるでしょう。

以上、今回はベランダ(バルコニー)をテーマに、トラブルとその解決方法を紹介してきました。

ベランダなどの共用部分のルールは、基本的に管理規約に記載されています。しかし「入居以来見ていない」という人も多いかもしれません。

そこで、まずは管理規約を確認する。もしルールが明確化されていないのであれば、まずは管理会社や理事会などに相談してみましょう。

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この連載について

【連載】これで解決!マンション暮らしのトラブル

複数の世帯が生活を送る分譲マンションでは、共用スペースの使い方やペットの飼育、ゴミ捨て場における利用マナーなど、思いがけないトラブルに遭遇する可能性があります。そこで、本連載『これで解決! マンション暮らしのトラブル』では、マンションでよく起こる困った問題の解決方法をテーマごとにご紹介。トラブル発生の防止や、万が一起こってしまった際の対応マニュアルとしてもご活用ください!

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