自治会を退会したい・・・暮らしが不便になるってホント?
「自治会」のトラブルを解決したい!
マンションでよくある困った問題をテーマに、その解決方法を紹介していくこの連載。今回は「自治会」のトラブルに目を向けてみたいと思います。
自治会は各地域住民によって組織・運営されている任意団体です。加入について義務ではないためか、規則があいまいなことも多く、トラブルに発展してしまうことも少なくありません。
この記事では、そんな自治会で起こりがちなトラブルから対処法までを解説していきます!
自治会でよくある3つのトラブル
【トラブル1】自治会の役員を押しつけられた!
自治会の役員になると、休みを返上して会議やイベントに出席する必要があるなど、業務面で負担を感じることが多いかもしれません。
役員の担当が輪番制になっているなら「仕方ない」と感じるでしょうが、高齢化が進む地域だと、体力のある若者が優先的に役員に選ばれることも少なくないようです。
本来は任意団体のはずが、なかには自治会への加入や役員担当を強制されてしまうケースも。地域住民なら「参加して当然」と考える世代と、そうではない若い世代の間でトラブルに発展してしまうこともあるようです。
【トラブル2】高額な寄附金や入会金を要求された!
自治会への加入とともに「入会金」の支払いを求められるケースもあり、数百円ならまだしも数万円以上となると、「本当に支払うべき?」と疑問を持つ方もいるかもしれません。
数万円以上の入会金の支払いを拒否したために、ゴミ出しが制限されてしまう例もあるようです。
なかには公民館の新設工事のために一世帯数十万円もの高額な寄付金を要求され、断ったら自治会から強制的に退会させる(=ゴミが出せなくなる)と、脅されるケースもあるといいます。
【トラブル3】入会を断ったらゴミ出しができなくなった!
これまでも何度かお伝えしていましたが、前提として任意団体である自治会への加入・退会は、基本的に個人の自由です。しかし、自治会への加入を断ったら「ゴミ出しをさせない」などと、ゴミ集積所の使用を制限されてしまう例もあるといいます。
ゴミ集積所の管理などを会員同士で分担しているため、自治会に入らないと、集積所は使えないという言い分が多いそうです。確かに自治会加入者が集積所の掃除当番を持ち回りで担当したり、カラス対策のネットを購入したりする現状はあります。とはいえ、ゴミ集積所の使用を制限されては、入会を断った当事者は普段の生活に支障をきたす可能性もあるでしょう。
そのため、自治会役員などの活動はできないものの、ゴミ出しの掃除や管理にかかる費用のみ負担するといった折衷案を提案するのも一つの方法。後述しますが、それでも問題が解決しない場合、自治体などへの相談も検討してみましょう。
トラブルを回避する方法とは?
では、トラブルを防ぐためにどういった対応をすれば良いのか。以降で紹介していきます。
【方法1】就任をきっかけに自治会の運営方法を見直す
自治会の役員を押し付けられたことは仕方ないと割り切り、業務負担を軽減し、時間の融通が効くように運営方法の見直しを行うのもアリかもしれません。
例えば「毎週この時間に集まるのがルールだから」と、なんとなく集まっていた定例会を廃止し、必要なときだけ役員を招集する。またイベントに関しても、本当に実施したいかどうかの多数決を取り、毎年の恒例行事として残す・残さないを決めても良いのではないでしょうか。
【方法2】思い切って退会する
自治会活動が本業や家族と過ごす時間に支障をきたすような場合、退会も選択肢に入るかもしれません。
もし退会したい場合は、会長もしくは副会長にその意志を素直に伝えましょう。
ただ、「面と向かっては言いにくい……」という場合、書面で退会の旨を伝えることも検討したいところ。自治会に専用の退会届があれば、そこに必要事項を記入して提出することになります。ない場合、特に決まったテンプレートがあるわけではないため、Word(ワード)やExcel(エクセル)などで作成した退会届を自治会の担当者に送付しましょう。
記載する内容例を、以下でまとめてみました。
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〇〇自治会会長 ◇◇◇◇様(フルネーム)
〇〇自治会 退会届
私たちは一身上の都合により〇〇自治会を退会いたします。
退会する年月日
住所
世帯主 △△△△(フルネーム)捺印
退会する家族の名前
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なお、退会すると会員と顔を合わせる機会が減るためにこれまで通り地域や子どもの情報を入手できなくなったり、人間関係が悪くなったりする可能性もあります。そのため、以下の記事で紹介している退会のデメリットも、念のため確認しておいたほうが良いでしょう。
【方法3】「ゴミ出しできない」などの問題は自治体に相談
退会によってゴミ集積所が使えない場合、前述したように集積所の維持管理にかかる料金を支払ったり、持ち回りの掃除などがあれば担当したりするなど折衷案を提案してみましょう。
もし提案が通らなければ、自治体に戸別収集を依頼したり、自ら清掃センターにゴミを持ち込んだりといった方法が考えられます。
そのため、もし自分たちでは解決できないトラブルに遭遇してしまったら、まずは自治体(役所)へ相談するといった流れが基本です。
解決しそうにない場合は、弁護士への依頼も検討したいところ。過去に自治会絡みの案件を担当した実績があるか、事前に確認しておくと良いでしょう。
以上、今回は自治会のトラブルと対処法を解説してきました。強制的に役員を担当させられたり、高額な寄附金を請求されたりと、トラブルに発展する可能性のある自治会。ただ、任意団体である自治会の退会は、あくまでも個人の自由です。もし、ゴミ出しを制限されるなどのトラブルに出会った場合、まずは自治体に相談してみましょう。
次回、11回目となる連載は「在宅勤務」をテーマに、自宅で仕事をする機会が増えたからこそ遭遇してしまうトラブルや、その解決方法について解説していきます!
マンション自治会について役立つ情報をまとめました!
この連載について
【連載】これで解決!マンション暮らしのトラブル
複数の世帯が生活を送る分譲マンションでは、共用スペースの使い方やペットの飼育、ゴミ捨て場における利用マナーなど、思いがけないトラブルに遭遇する可能性があります。そこで、本連載『これで解決! マンション暮らしのトラブル』では、マンションでよく起こる困った問題の解決方法をテーマごとにご紹介。トラブル発生の防止や、万が一起こってしまった際の対応マニュアルとしてもご活用ください!