自治会を退会したい・・・暮らしが不便になるってホント?
日頃の生活ではなかなか自治会の活動にメリットが感じられない、もしくは役員の業務負担が大きいと、退会を検討している方もいるでしょう。とはいえ、一度加入した自治会は転居でもしない限り退会できないものなのでしょうか?
この記事では退会に関する疑問を明らかにするのと同時に、退会の方法などについても解説していきます。
自治会の加入や退会は自由!
前提として自治会は任意団体ですので、加入や退会は基本的に個人の自由です。区分所有者であれば自動的に加入者となる管理組合とは異なります。
そんな自治会について、退会するメリットとデメリットをまとめてみました。
自治会を退会するメリットとは?
退会するメリットをあげると、主に次の3つが考えられるでしょう。
・会費を払わなくて良くなる
・役員の業務負担から解放される
・人付き合いや会議への出席がなくなる
高額な支払いというわけではありませんが、毎月もしくは毎年の会費の支払いがなくなるほか、夏祭りや運動会の際に求められる寄付など、金銭面での負担はなくなります。
また、役員を引き受けたことによる業務の負担もなくなることでしょう。定期的に開催される会議などへの参加も不要となることで、人付き合いが回避できる点も、人によってはメリットになるかもしれません。
退会にはデメリットもある
一方で、退会したときのデメリットは次の通り。
・子どもや地域に関する情報が入手しにくくなる
・災害時の対応で困る可能性がある
・人間関係が悪化する
自治会に加入すると、ご近所との交流が増えることから子どもや地域に関する情報などが人づてで届きやすくなります。しかし、退会するとなると地域の方と会う機会が減ってしまい、これまで通り情報を入手することは難しくなるかもしれません。
また災害時の備えや防災訓練、安否確認などを自治会が主導で行っているケースもあり、災害時の対応でわからない部分も出てくるでしょう。最悪の場合、自治会役員との人間関係が悪くなってしまう可能性も考慮しなければなりません。
引き留めは強制できない! 脅迫や嫌がらせは罪に問われることも!?
退会の申し出に対して、次のような条件を引き合いに出し、引き留められることも予想されるでしょう。
・イベントに参加できなくなる
・ゴミ集積所が使えなくなる
・子どもたちの交流の場がなくなる
・災害時に避難所が利用できなくなる
なお前述したように自治会は任意団体ですので、仮に規約のなかで加入を義務づけていたり退会を禁止したりしていたとしても、無理やり従わせるような法的な拘束力はありません。過去には従わせるために脅迫や嫌がらせがエスカレートし、「不法行為にあたる」として、損害を賠償する責任を負ったケースもあるようです。
もし退会後にゴミ出しができなくなったら……
とはいえ、退会によって例えばゴミ集積所が使えなくなってしまったら、日常生活に支障をきたしてしまいます。
自治会を退会するもののゴミ集積所は使わせて欲しいといった場合、ゴミ集積所の維持管理にかかる料金の負担分を支払ったうえで、持ち回りで行っている掃除などがあればそれだけは担当することを提案してみましょう。もし提案が通らなければ、自治体に戸別収集をお願いしたり、自ら清掃センターにゴミを持ち込んだりといった方法も考えられます。
自治会との交渉によっては話がこじれて関係が悪化する事態も想定できますので、自治体の相談窓口や弁護士などの第三者に相談することも、あわせて検討してみましょう。
では、退会の手続きはどうすればできるのか?
退会するときは、会長もしくは副会長にその意志を素直に伝えるだけで問題ありません。たとえ規約で退会を認めていなかったとしても、前述した通り自治会はあくまでも任意団体ですので退会することは可能です。
ただ、伝えるにしても「面と向かっては、ちょっと……」と、対面でのやり取りは躊躇してしまう方もいるでしょう。そのため、書面で退会の旨を伝えることも検討したいところ。以降で、退会届の書き方を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
退会届の書き方
もし自治会に専用の退会届があれば、そこに必要事項を記入して提出することになります。ない場合、特に決まったテンプレートがあるわけではないため、Word(ワード)やExcel(エクセル)などで作成した退会届を自治会の担当者に送付しましょう。
記載する内容としては、主に以下の通りとなります。
〇〇自治会会長 ◇◇◇◇様(フルネーム)
〇〇自治会 退会届
私たちは一身上の都合により〇〇自治会を退会いたします。
退会する年月日
住所
世帯主 △△△△(フルネーム)捺印
退会する家族の名前
折衷案の提案で退会するデメリットは軽減できる!
自治会は単身だと人付き合いが億劫に感じたり、共働きだと行事や役員を負担に感じたりする部分もあるでしょう。自治会はあくまでも任意団体ですので、退会したいときは自治会長や副会長にその意志を素直に伝えれば良いだけ。そこまで難しく考えることはありません。
ただ、ゴミ集積所の利用のように、地域によっては自治会に加入することで受けられるサービスがあることも事実。退会後もこれまで通り利用するために、自治会費の負担や持ち回りの掃除当番だけは引き受けるなど、折衷案を提案してみましょう。