連載:理事会役員超入門

交換時期のめどはいつ? マンションのインターホン設備更新で注意すべきポイントを解説

2023.07.21
交換時期のめどはいつ? マンションのインターホン設備更新で注意すべきポイントを解説

来訪者対応だけでなく、カメラ・モニター機能などによる防犯対策としても欠かせないマンションのインターホン。24時間365日稼働しているだけに、経年劣化が進んで将来不具合が起きてしまうリスクを考えなければいけません。

設備更新にあたっては施工のタイミングや、どんな機種にするのかなど、意識すべき点が数多くあります。ここでは主なポイントを見ていきましょう。

交換時期の目安はおおむね15年

大手メーカーも15年周期での更新を推奨

インターホンや関連機器業界の発展を目的に活動しているインターホン工業会によると、マンション用インターホンの交換時期の目安は設置から約15年。また、設備の2大メーカーであるアイホン株式会社とパナソニックグループも、15年周期の更新を推奨しています。

理由としては、15年を境に部品の劣化や摩耗などによる故障発生率が徐々に上昇してくる点があげられています。故障はしないまでも、モニターが見えにくくなったり、呼び出し音がならなくなったりするなどの不具合も発生しやすくなる傾向があるのです。

さらに設置から15年以上経過すると、修理自体が不可能となってしまうケースも考えられるでしょう。各インターホンメーカーは、設備性能の維持のために欠かせない部品や基盤の保有・供給期間を生産終了後約7年間としています。

その後もユーザーからの修理要請には可能な限り応えるようにしていると思われますが、15年以上経ってしまっては、必ず直せる保証はないでしょう。

システムは「集合住宅」と「住戸完結」の2種類

交換時期の目安と同時に押さえておきたいのが、マンションにおけるインターホンのシステム構成。主に以下の2種類があります。

集合住宅システム

集合住宅システムでは集合玄関機がエントランスに設置される

マンションの共用部であるエントランスにオートロックを備えた集合玄関機があり、連動したインターホンが各住戸の居室内に備え付けられています。インターホンからはエントランスの呼び出しに応えたり、エントランスの解錠を行ったりすることが可能。なお、管理室にも親機が整備されている場合もあります。

集合住宅システムのインターホンは、マンション全体でひとつのシステムとなっています。インターホンは玄関集合機のみならず、自動ドアや自動火災報知器などと連携している場合も。そのため故障しても、原則として住民の独断で設備更新ができません。

もしも突然故障して早急な交換が必要なら、全戸一斉交換を臨時総会で決議する必要がある場合も考えられます。そのような事態にならないためにも、適切な時期での点検や更新が不可欠でしょう。

住戸完結システム

住戸完結システムでは各住戸の玄関外に子機を設置

エントランスに集合玄関機がなく、各住戸の玄関外に子機を設置。連動する親機として、インターホンが住民それぞれの居室内に整備されています。集合住宅システムとは異なり、管理組合によっては住民独自の判断で更新できる場合があるのが大きな特徴です。

管理組合が更新主体となったほうが安心

このようにインターホンやその関連設備は、区分所有者が保有する専有部のみならず、マンション管理組合が管理する共用部にも整備されている場合があります。誰がどの部分を更新すべきなのか、管理規約で明確にしておく必要があるでしょう。基本的には、以下の3つの方法が考えられます。

【方法1】それぞれの所有分に応じて更新・費用負担する

専有部の親機は区分所有者が自費で更新。共用部であるエントランスに子機がある場合は、管理組合が更新・費用負担を行う方法です。

【方法2】更新主体は管理組合とし、費用負担はそれぞれの持分による

専有部の親機も共用部の子機も管理組合が更新。ただし、管理組合の費用負担は子機のみで、親機の改修費用は区分所有者が支出します。

【方法3】更新・費用の支出をすべて管理組合が行う

専有部の親機も共用部の子機も管理組合が更新し、組合が費用もすべてまかなう。

上記のどの方法をとるかは管理組合の総会によって定められます。ただし、住民が自由にインターフォンを交換できてしまうと、マンション設備全体の統一感がなくなってしまうほか、住戸によって機能に違いが生まれ、全員が安心して使用し続けられなくなってしまう恐れがあります。

そのため、基本的には方法3のように、管理組合の主導・費用負担のもと全戸一斉交換を行った方がよいでしょう。

なるべく最新機種への交換を検討

さまざまな機能を搭載した最新機種のインターホンの導入も検討したい

このほかに注意したいのが、更新先としてどのような機種を選ぶかです。

前述したように、既製品は生産から7年以上が経過するとメーカーが修理対応をしにくくなっていきます。そのため一般的には最新機種を選んだ方が、次の更新時期までの間、メーカーや修理業者から安心したサポートを受けられるでしょう。

また、近年では呼び出しや通話、オートロックの解錠、カメラ・モニターによる来訪者の確認のほかにも、さまざまな機能を搭載したインターホンが発売されてきています。とくに集合住宅システムの場合、ほかのマンション設備と連動して、優れた利便性を発揮する機種があるのです。

・エントランスのカメラと連動し、来客を自動で録画。さらに住宅窓や玄関に不審な動きが あれば、センサーが感知してインターホンに自動通知する。

・建物内で発生した火災やガス漏れを検知し、インターホンを通じて知らせる。

・マンション住民、とくに高齢者の動きを検知するなどして安否を確認。

・無線LAN機能により、インターネットを通じて離れて暮らす家族とビデオ通話が可能。

・スマートフォンと連動し、外出中でも来訪者対応ができる。

・地震などの警報と連動して注意情報を発信する。

・宅配ボックスと連動して荷物が届けられたことのお知らせが届く。

なお、導入にあたっては、住民アンケートで意見を募ったり、管理委託先のマンション管理会社に相談するなどして、必要な機能をあらいだしておくとよいでしょう。

管理会社からの提案以外に複数の見積もりを

以上のように、住民の利便性向上も期待できるインターホン設備の更新。ただし高性能なものほど、導入費用も高くなってしまいます。

費用を抑えるためには、管理会社が提案する機種・施工計画以外に、複数の業者から見積もりを取ることも検討してみましょう。必要以上に高い支出とならないように十分注意しましょう。

イラスト:大野文彰

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