大規模修繕

マンションに床暖房は必要? 種類やメリットを紹介

2024.12.26
マンションに床暖房は必要? 種類やメリットを紹介

床面の冷たさは、エアコンやストーブなどではなかなか解消しにくいもの。

そんなお悩みは、床暖房の設置を検討しましょう。空気を汚すことなく火も扱わないので、健康や安全にも優しい暖房設備です。

今回は、マンションに設置できる床暖房の種類やメリット・デメリット、注意点などを解説します。

マンションに住んでいて床暖房を設置しようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

マンションの床暖房の種類

温水式床暖房

床下に温水を循環させて温める方法

温水式床暖房とは、床下に配管を設置し、温水を循環させて部屋を暖める床暖房のこと。配管や熱源機を設置する必要があるため初期費用は高くなりますが、電気式床暖房と比較すると電気代やガス代などの維持費は抑えられる傾向にあります。

マンションの「温水式床暖房」は、お湯にするための熱源としてガスを利用することが一般的です。オール電化のマンションでは、エコキュートを利用して温水を循環させる場合もあります。部屋が暖まるまで30分から1時間はかかるので、エアコンなどの暖房機器と併用するのがおすすめです。

電気式床暖房

電気ヒーターで温める方法

電気式床暖房とは、床下に電気ヒーターを設置し、通電によって部屋を暖める床暖房のこと。温水式よりも小面積で設置できるため、リビングの一部や寝室などに導入したい場合におすすめです。

ただし、電気代が高めな点には注意が必要です。スイッチを付けてから温度上昇が速い反面、多くの電力を必要するので、ランニングコストは高めと考えておきましょう。

マンションの床暖房の部材構成

仕上げ材分離型

仕上げ材分離型は、床暖房システムと床仕上げ材が分離されているものを指します。

仕上げ材を自由に選択できるので、フローリングやカーペット、フロアタイルなどインテリアにあわせて選べる点が大きな魅力です。

ただし、発熱部にあたるパネルヒーターが故障した場合は、床暖房パネルの修理と床材の交換が必要になるため、費用は高くなる傾向にあります。

仕上げ材一体型

仕上げ材一体型は、床暖房システムが仕上げ材に組み込まれているものです。

床暖房システムと床面との距離が近いことから、分離型よりも熱が伝わりやすい特徴があります。床暖房システムと床仕上げ材を各々施工する必要がないため、スピーディーに加工できる点もメリットです。

ただし、仕上げ材の種類が限られているデメリットがあります。分離型よりもインテリアにあわせにくくなる可能性があるので、あらかじめデザインのバリエーションを確認しておくとよいでしょう。

マンションの床暖房のメリット

部屋全体が暖かくなる

床だけでなく室内全体が暖かくなる

床暖房の大きなメリットは、床だけでなく部屋全体が暖かくなることです。こたつや電気ストーブなどは暖まる範囲が限定されますが、床暖房は部屋全体を暖かくしてくれます。

そのため部屋の中を行き来するときも暖かさを感じられ、適度に体を動かすことができるでしょう。また足元から暖かくなるので、スリッパや靴下を履いていなくても暖かく過ごせます。

安全性が高い

床暖房は火災や火傷の危険性がない

床暖房は火を使用しないので、ストーブやヒーターと比べると火災のリスクが少ない点がメリットです。床面に触れても火傷をする心配がないことから、小さな子どもやペットも安全に使用できます。

またエアコンのように、ほこりや繊維くずなどのハウスダストが舞う心配がないのも魅力です。乾燥もしにくいため、健康面においても安心度が高いといえるでしょう。

収納場所が必要ない

床暖房は床下に設置するため、収納場所いらずで、生活スペースを圧迫しないのもメリットのひとつです。

基本的にストーブやヒーターなどは、暖かい季節になるとクローゼットに収納しますが、大きさによってはかなりのスペースをとることも少なくありません。特にマンションは収納スペースに限りがあるので、収納場所の必要がない点は大きなメリットになるでしょう。

メンテナンスがほとんどいらない

床下に床暖房システムが設置されているため、わざわざ床材を外して掃除をしたりメンテナンスをしたりする必要はほとんどありません。

ただし温水式床暖房の場合は、循環水が減った際に水道水を補充する必要があります。補充が必要かどうかはエラーコードで知らせてくれるので、定期的に確認するようにしましょう。

また寒冷地に住んでいる場合は、水が凍らないように不凍液の交換や補充も欠かせません。適切に扱うことで長く快適に使い続けられるので、必要に応じて対応していきましょう。

マンションの床暖房のデメリット

設置費用が高い

8畳の部屋で50~100万円が目安

床暖房の大きなデメリットは、設置費用が高い点です。

「温水式床暖房」と「電気式床暖房」どちらを選んでも、ストーブやヒーターを設置するよりも高額になります。コンセントに繋げば完了ではなく、工事も必要となるため本体代とは別に工事費用もかかるのが床暖房の特徴です。

目安としては、8畳の部屋で50~100万円ほどかかります。他の暖房器具に比べると手軽さがないので、設置のハードルは高いかもしれません。

暖まるまで時間がかかる

部屋全体が暖まるまで時間がかかるのも、床暖房のデメリットです。

エアコンやファンヒーターの場合は、電源を入れれば概ね10分程度で暖かくなります。

しかし床暖房の場合、完全に暖かくなるのは電源を入れて30分~1時間ほど経ってからです。起床時や帰宅時に暖かい部屋で過ごしたい場合は、タイマーの予約機能を活用したりアプリを使って電源を入れたりと、賢く使いこなすことをおすすめします。

トラブル発生時の対応が難しい

床暖房はフローリングの下に設備を設置するため、点検や部品交換など少しのメンテナンスであっても、フローリングを外す必要があります。その手間や時間がかかる点ではデメリットといえるでしょう。

しかしメンテナンスを怠ると大きなトラブルに発展し、使い続けるのが難しくなる可能性があります。

軽度のトラブルであっても放置せず、安全に使用するためにもメンテナンスをすることはとても大切です。

マンションに床暖房を後付けするときの注意点

マンションに床暖房を後付けする際は、まず管理規約を確認しましょう。床の張り替えが許可されているか、遮音等級に関する規定があるかを確認しておかないと、規約違反となってトラブルが発生する可能性があります。

特に床暖房を後付けするために、床材の種類の変更が必要な場合は注意が必要です。マンションによってはフローリングを禁止していたり、承認されているものの遮音等級の高いものでなければならないなどの制約があることも少なくありません。規約内容を確認した上で、施工業者とプランを考えるようにしましょう。

作業の手間も含めて設置を検討しよう

マンションに床暖房を設置すると、足元から部屋全体が暖かくなったり火災や火傷の心配をすることなく使用できたりと、さまざまなメリットがあります。ただし、地域によっては不要に感じるケースもあるなど、高額な導入費用とあわせて、床暖房のメリットやデメリットをよく考慮した上で検討することが大切です。

特に寒冷地では不凍液の交換が必要になります。ほかの地域と比べてメンテナンスに手間がかかることから、作業や費用の負担も視野に入れなければなりません。

マンションの管理規約によっては、そもそも床暖房を設置できない場合もあるため、あらかじめ確認しておくようにしましょう。

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