騒音の苦情を手紙で伝えたい! 書き方のコツや例文まで紹介
騒音問題について直接伝えることが難しい場合は、匿名の手紙を相手のポストに投函する方法もあります。文章であれば感情的になることもなく落ち着いて伝えることができるため、余計なトラブルを回避できるかもしれません。
では手紙にはどういった内容を記載するべきか。この記事では、騒音の苦情を手紙で伝える際のポイントを説明していきたいと思います。
管理会社に相談しても解決しない場合は手紙で伝えてみる
騒音のトラブルは住民にとって深刻な悩みのひとつで、ストレスもたまります。解決するには、苦情を伝えるしかないことも少なくありません。
方法としては直接伝えたり、管理会社などに相談したりなどの方法があげられます。口頭で苦情を伝えるほうが手っ取り早いように感じますが、一方で、リスクもあるといえます。例えば、つい感情的に苦情を伝えてしまい相手と口論になる可能性もありますし、逆恨みによる嫌がらせに発展するかもしれません。
適切な方法としては、管理会社か理事会などに相談し、該当する住人に苦情を伝えてもらうと良いでしょう。それでも解決しない場合は、冒頭でも紹介した通り、匿名で手紙を書いて警告する方法もあります。
手紙で苦情を伝えるメリットとは?
手紙で騒音の苦情を伝えるメリットを、まずはまとめてみました。
【メリット1】匿名で伝えられる
逆恨みや嫌がらせなど、不要なトラブルを避けるためにも、苦情の手紙は匿名で出すのが賢明。特に相手がどんな人かわからない場合はなおさらです。
手紙の内容は、簡潔かつ具体的に書くことを心がけましょう。例えば「近所の住人ですが、深夜の音楽がうるさくて迷惑しています。配慮をお願いします」といったイメージです。
また手紙だと、苦情を伝えたい相手のポストに投函するだけなのでいつでも簡単に実行できますよね。
【メリット2】落ち着いて伝えられる
口頭での苦情となると、感情的になって相手を傷つけたり、相手の態度を硬化させたりする可能性があります。これでは、騒音を止めてもらいたいだけなのに、無用な人間トラブルに発展してしまう恐れもあるでしょう。
管理会社か管理組合に伝えてもらうにしても、こちらの深刻さが伝わっていない場合も少なくありません。また、匿名を希望しても、うっかり個人情報が漏れてしまう可能性もあります。
その点、手紙であれば冷静に自分の伝えたい内容を書くことができますし、第三者のミスで個人情報が漏れる心配もありません。
苦情の手紙を書くときに押さえておきたいポイント
手紙で苦情を伝えても、解決しないようでは意味がありません。相手の機嫌を損ねてしまい、かえって騒音がひどくなる可能性もあるかもしれませんので、手紙を書くときに押さえておきたいポイントも整理してみました。
【ポイント1】差出人の名前は書かない
前述した通り、手紙なら匿名で伝えることができます。そのため名前を記載しないことで、逆恨みされたり嫌がらせのために騒音がひどくなったりするなど、余計な人間関係のトラブルを避けることにつながるでしょう。
【ポイント2】相手に寄り添い、冷静な文章で
苦情の目的は相手に反省を促し、騒音に気をつけてもらうことです。相手がどんな人かわかっている場合は、どういう伝え方が最も効果的かを考えてみると良いでしょう。要するに、相手の家庭の事情や立場に寄り添うことを忘れてはいけません。
例えば、小さいお子さんがいる家庭なら、ある程度大きな声で騒いでしまうのは仕方がないところもあります。「お子さんはどうしても騒いでしまうものなので、仕方ない部分もありますが」など相手の家庭に共感できる気持ちも添えてお願いできると、伝わりやすいかもしれません。
なお相手に明らかに非がある場合でも、感情を害するようなきつい文章で表現することは避けましょう。赤ペンで強調するなど、感情的な表現は避けてください。強調すべき点はあっても、必ずしも強い表現が相手に伝わるとは限りません。不快な気持ちにさせてしまえば、より事態が悪化する可能性もあります。
【ポイント3】いつ、どんな音で困っているかを明確に
手紙で伝える場合は、長いと読まれない可能性があるため、簡潔かつ具体的に伝えたほうが良いでしょう。
単に「生活音」「うるさい」といった抽象的な言葉では、相手に自覚がない場合、正しようがありません。ですから「日中の子どもの走る足音や騒ぎ声が響いてくることもあり」と、時間帯も含めて具体的に説明したほうが良いでしょう。
【ポイント4】相手に配慮しながら具体的な解決案も伝える
具体的にどうして欲しいのか、こちらからも具体的な解決方法を提案できるとなお良いでしょう。単純に言い分ばかりを主張するのではなく、相手に理解してもらう、お願いするという気持ちが大切です。
例えば、早朝や深夜は配慮してもらうなど、折衷案を伝えてみるのも良いでしょう。相手に与える印象も違ってきますし、気分を害されて逆効果になる可能性も少なくなりそうです。
騒音があまりにもひどくてペナルティーを課すにしても「警察に通報する」といった大げさな表現ではなく、「管理会社に連絡します」など、第三者に協力を仰ぐような内容にしたほうが良いでしょう。同じマンションに住んでいるということを踏まえ、気まずさが残らないようマナーや配慮も忘れずに伝えるよう心がけてみてください。
騒音の苦情を手紙で伝えるときの文章例
実際に、手紙にはどのような内容を記載すべきなのか。丁寧なパターンと、少し強めに伝える2パターンを紹介します。
【丁寧に苦情を伝える手紙の例文】
令和〇年〇月〇〇日
〇〇〇号室 〇〇様
お忙しいところ、突然のお手紙で申し訳ございません。
このたび、〇〇様にお願いしたいことがあり、お手紙を書かせていただきました。
深夜、〇〇様のお宅より掃除機や洗濯機の音が聞こえることがあります。
〇〇様の事情もあるかと存じますが、23時以降は、ご配慮願えませんでしょうか。
一方的なお願いで恐縮ではございますが、何卒宜しくお願い致します。
【少し強めに伝える手紙の例文】
夜間における騒音の注意喚起
〇〇様の騒音に耐えかねて、お手紙を差し上げることにいたしました。
状況
〇月〇日 〇〇時〇〇分~〇〇時〇〇分
内容:振動を伴う足音
〇月〇〇日 〇〇時〇〇分
内容:洗濯機、掃除機などの生活音
〇月〇〇日 〇〇時〇〇分~〇〇時〇〇分
内容:カラオケ
〇月〇〇日 〇〇時〇〇分~〇〇時〇〇分
内容:テレビの音
以上の騒音により、睡眠に障害が生じております。事情がおありかと思いますが、こちらの事情もお汲み取りのうえ、夜間の騒音には十分に配慮していただけますでしょうか。
改善が見られない場合は、管理会社に通報したいと考えております。何卒、宜しくお願いいたします。
騒音の手紙は冷静・簡潔・具体的に
騒音の苦情は直接伝えるのではなく、まず管理会社や理事会に事情を伝え、解決できないか相談してみると良いでしょう。それでも解決しない場合、匿名で手紙を書いて相手のポストに投函してください。
手紙なら冷静に伝えることができるため、相手を傷つけて逆恨みされるなど、余計なトラブルを避けることができるでしょう。
ただ、手紙を書くにしても相手に寄り添い、丁寧にお願いする文章を心がけてみてください。騒音の状況を簡潔かつ具体的に伝えることも大切です。