マンションの小修繕工事とは? 実施するタイミングの見極め方とは?
マンションでは長期修繕計画にもとづき定期的な大規模修繕が行われますが、日常的に設備の破損や不具合が見つかることもあります。そんなときには大規模修繕を待たずに、管理費などを使って小修繕工事で対応するのが一般的です。今回はそんな小修繕工事の内容や実施するタイミングについて解説します。
マンションの小修繕工事とは?
小修繕工事は「経常修繕」とも呼ばれ、日常的に発生する小さな修繕を指します。
(例)
・雨漏りや水漏れ事故などの修繕
・共用スペースの電球などの交換
・共用スペースの壁や床などの軽微な破損の修繕
・給水ポンプや自動ドアなどの不具合の対応
・消防設備が故障したときの修繕
小修繕は大規模修繕のようにガイドラインによって定義づけされていないため、物件の状況に合わせて行うのが基本です。また多額の費用がかかるときには修繕積立金を充てるケースもありますが、一般的には管理費から支払われます。
小修繕と大規模修繕の内容は区別する
小修繕も大規模修繕のときにまとめて実施し、経費を削減したいと考える方も少なくないでしょう。しかし小修繕と大規模修繕は、基本的には区別して考えたほうが良いとされています。
なぜなら、大規模修繕は約12年周期という長いスパンで実施されるからです。仮に築8年で不具合がでたとして、大規模修繕とまとめるなら約4年も待たなければなりません。
壁の小さな欠けなど、先延ばしにしても支障のない箇所なら良いですが、放置すると劣化が進んで修繕費が跳ね上がってしまうことも。また、非常灯設備や煙感知器が壊れたままだと、日常生活に支障をきたしてしまいます。
たしかに外壁補修・塗装のように、足場がないとできない工事は、大規模修繕工事として一度にまとめた方が合理的です。しかし、照明・排水ポンプ・消防設備などの修繕は単独でも実施できるため、大規模修繕とは区別してそれぞれ必要なタイミングを見極めたほうが良いでしょう。
小修繕工事を実施するタイミング
大規模修繕は約12年スパンで実施されるのに対し、小修繕工事は毎年のように行われます。しかし修繕の内容も大小あり、細かい修繕まですべてを実施するといくら費用があっても足りません。
以下のような基準を設けて、小修繕のタイミングを検討すると良いでしょう。
【1】マンションの機能が低下するとき
小修繕を見極める一つの基準が「マンションの機能が低下するか?」です。
例えば、給水ポンプや消防設備などが故障すると、日常生活に支障をきたします。こういった設備の不具合は、早急な修繕が必要とされるでしょう。
また異常を早めに察知するため、日常点検・定期点検も大切です。常に設備の状態をチェックしながら、なるべくほかの設備とまとめて修繕することで経費が削減できるケースもあります。
【2】マンションの景観を損なうとき
修繕するか否かの判断に迷うのが、共用廊下やエントランスにできた「景観を損なう傷や汚れ」です。マンションの住民から「ここを直してほしい」と要望が出ることも多いですが、小さな傷まですべて修繕していてはキリがありません。
景観を損なう傷・汚れなのか、明確な判断基準はありません。そのため管理組合の役員で集まり、「マンションの景観・資産性」といった観点から、修繕すべきかどうかを話し合って決めましょう。
小修繕工事を行うときは相見積もりを行う
小修繕は比較的安く済む工事が多いため、業者選びなどを管理会社に一任しているというマンションも少なくありません。しかし一つ一つの費用は少額でも、積み重ねると大きな金額に。できるだけ、中間マージンが発生しないように管理組合主導で、業者を選定したほうが良いでしょう。
業者を選定する際は、複数業者に見積もりを依頼するのがポイント。業者選定時は相見積もりを取るというのを、管理組合のなかでルール化しておくと良いでしょう。
小修繕と大規模修繕は分けて実施するのが基本
小修繕工事は先延ばしにすると日常生活に影響をきたすこともあるため、十数年おきに実施する大規模修繕とは分けて考えたいところ。小さな傷まですべて修繕するとキリがないため、マンションの機能や景観に影響がある場合のみ対応するなど、管理組合のなかで基準を設けておくことが大切です。
工事を実施するときは相見積もりを取り、なるべく支出を抑える工夫も行っていきましょう。
大規模修繕工事費用を自動見積もりする!
気になる大規模修繕の工事費用。「マンションと暮らす。」を運用するカシワバラ・コーポレーションでは、マンションの概要を入力いただければ、大規模修繕費用を自動でお見積もり。大規模修繕を控えたマンション理事会、大規模修繕委員会の方におすすめのサービスです。