連載:理事会役員超入門

理事会の運営で頼りになる「マンション管理士」の役割とは?

2020.03.16
理事会の運営で頼りになる「マンション管理士」の役割とは?

「理事会の役員が回ってきた……」

多くのマンションでは立候補制だけでなく、輪番制によって役員が選出されるため、好むと好まざるとに関わらず担当する機会はやってくるもの。そこでこの連載では「理事会役員になったら、まずこれだけは知っておきたい!」ことを紹介していきます。

連載1回目の今回は、「マンション管理士」について。マンション管理は住民同士のトラブルや、騒音・ペットの問題など、管理組合だけではなかなか解決できない問題も珍しくありません。そこで最近では、運営をサポートしてくれる専門家に力を借りるケースが増えているようです。

「マンション管理士って何をやってくれるの?」といった素朴な疑問の答えから、「管理業務主任者」や「宅地建物取引士」などとの業務領域の違いまで要点をまとめて解説していきます。

難易度の高い資格だからこそ信頼できる

管理組合をサポートしてくれるといっても、誰でも資格を取れてしまうのであれば、「マンション管理士」という資格も信頼しづらいですが、国家資格である通り、難易度は高めです。

事実、マンション管理士試験を実施している「公益財団法人マンション管理センター」によれば、2018年度の試験合格率はなんと7.9%。それ以前も合格率は10%を切っており、ごく限られた人しか取得できない難関資格であることがわかります。

試験において問われる内容は主に次の通りです。

・法令や実務
・管理組合の運営の円滑化
・マンションや附属施設の構造と設備
・マンション管理の適正化の推進に関する法律

このように出題は広範囲に及び、マンションの管理会社に勤務している人でさえも取得は簡単ではありません。それだけマンション管理士は専門性が高く、信頼できる資格といえるでしょう。

類似する3つの資格との違いを徹底比較!

マンション管理士に似ている資格として、以下のようなものが挙げられます。

・管理業務主任者
・宅地建物取引士(宅建)
・マンション維持修繕技術者

それぞれの特徴を知り、適切な専門家から助言を求められるようにしておきましょう。

管理会社側の立場で業務にあたる「管理業務主任者」

「管理業務主任者」とは、管理会社がマンション管理に関する業務の委託を受ける際に、管理組合に向けて重要事項の説明や管理に関する事務報告を行う国家資格者です。

マンション管理士との違いは、管理組合と管理会社のどちら側の立場にいるかどうか。マンション管理士が管理組合側に立ってアドバイスやサポートをするのに対し、管理業務主任者は管理会社側の立場で業務にあたります。

なお管理会社には、一定の割合で管理業務主任者を配置することが義務付けられています。オンライン講座を展開する「スタディング」によると毎年の試験合格率は20%前後と、マンション管理士ほどではないものの難易度は高く、やはりマンション管理に関する高い専門性が求められます。

建物の修繕や維持に特化した「マンション維持修繕技術者」

あまり耳慣れた資格ではありませんが、「マンション維持修繕技術者」という資格もあります。

業務内容としては、建物の調査診断や修繕設計など。マンション管理士や管理業務主任者と比べて、建物そのものの修繕や維持に特化した資格といえるでしょう。

試験では、マンションの維持や修繕に関して、一定水準の知識と技術を有していることが問われます。通信教育を提供する「東京リーガルマインド」によると、試験合格率は2018年度で28.4%。管理会社に勤務している人が、管理業務主任者にプラスして取得するのが一般的です。

本当に依頼すべきかは慎重に検討しよう!

マンション管理士は管理組合の立場になって、マンション生活に関する問題解決の総合的なサポートを行う国家資格です。資格取得の難易度が高い分、知識に関しては信頼できる専門家だといえます。

ただ、マンション管理士に業務を依頼するということは、管理会社への委託費などとは別に負担する費用が発生してしまうということです。【業務2】の部分でも触れたように契約内容の見直しによって管理会社に支払うお金は減ったものの、その分、マンション管理士側から思ってもみない高額な費用を請求される可能性もあります。多少のコストを負担してでも本当にマンション管理士にお願いしたほうが良いのか、慎重に検討しましょう。

次回は「マンション管理」をテーマに、マンション管理士だけでなく管理会社の役割などについても紹介していきます!

イラスト:大野文彰

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この連載について

【連載】理事会役員超入門

マンションだからといって、購入後の管理はすべて管理会社にお任せ!というわけにはいきません。ほとんどのマンションにおいて、理事会の選考は立候補制ではなく、メンバーが入れ替わる輪番制。つまり、居住者誰もが理事会を担当する可能性が。というわけで本連載では、理事会役員になったらまず、これだけは知っておきたい!という超入門知識をご紹介。しっかり知識を身につけて、より良いマンションライフを送りましょう!

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