連載:これで解決!マンション暮らしのトラブル

「タバコ」のトラブルを解決したい!

2022.05.27
「タバコ」のトラブルを解決したい!

マンションでよくある困った問題をテーマに、その解決方法を紹介していくこの連載。今回は「タバコ」のトラブルに目を向けたいと思います。

喫煙スペースが少なくなっている昨今、自宅のベランダは最も気軽に喫煙できるスペースかもしれません。しかし、隣人の洗濯物に匂いがついたり、換気扇を通して隣室へと副流煙が流れてしまってトラブルに発展するケースは少なくありません。

そこで、喫煙者と非喫煙者の両者から見たトラブル(困りごと)と、その対処法を紹介します。

喫煙にまつわるトラブル

マンションではタバコに纏わるトラブルが多い

タバコを巡って起こるマンションのトラブルについて、喫煙者と非喫煙者の両者から見た困りごとを紹介します。

【非喫煙者の困りごと】ベランダや換気扇から副流煙が入ってくる

隣人がベランダでタバコを吸っていると、洗濯物に匂いがついてしまったり、窓を開けての換気ができなかったりと、非喫煙者にとって困るケースがあります。

小さい子どもや持病を抱えている家族がいる場合は、特に気になるポイントではないでしょうか。

ベランダは専用使用権が認められている敷地ではありますが、あくまでもマンションの共用部分です。「共用部分での火気厳禁や喫煙禁止」のように管理規約や細則で明示されていれば、規約に則って注意できます。

また、規則では禁止されていなくても、ほかの住民に不利益を与えると知りつつ喫煙を継続した住民に対し、慰謝料請求が認められた事例もあります。

まずは管理規約を確認のうえ、管理会社を通して喫煙を止めるよう伝えてみると良いでしょう。

【喫煙者の困りごと】タバコを吸う場所がない

喫煙できる場所は少なくなってきている

喫煙者からすれば、自宅のベランダくらいでしかゆっくりタバコを吸えないという人もいるでしょう。

ただ、「非喫煙者の困りごと」でも述べたように、マンションの管理規約で喫煙が禁止されているケースもあります。規則で定められていなくとも、複数の住民から繰り返し注意を受けている場合には、最悪の場合、慰謝料を請求されてしまう事態にもなりかねません。

日本禁煙学会でもタバコの煙の到達範囲は直径14メートルと指摘されており、喫煙者が思っているより隣人へ影響が及んでいる可能性があります。

受動喫煙にさらされる機会が多いと、肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群等のリスクが高くなるといった健康への悪影響も分かっています。

さらに、2020年4月からは、「健康増進法の一部を改正する法律」の施行により屋内喫煙が全面的に禁止されるなど、受動喫煙の防止対策がますます強化されました。

周囲の喫煙所が調べられるマップを活用して喫煙スペースへ赴いたり、加熱式タバコなど煙の少ないものに変えてなるべく自室で吸うようにしたりといった工夫を心がけたいですね。

タバコが原因でトラブルになりそうな時は

トラブルにならないように対策しよう

タバコの煙や匂いが原因でトラブルになってしまいそうな場合は、どのように対処したら良いでしょうか。

【対処法1】管理会社へ相談する

隣人にベランダでの喫煙を止めるよう伝えたい場合、まずはマンションの管理規約で禁止されている事項かどうか確認します。

手元に管理規約が無い人は管理会社に問い合わせる必要がありますが、その場合は直接喫煙の可否を尋ねたほうが早いでしょう。喫煙が禁止されているのであれば、管理会社に隣人に喫煙を止めてもらいたい旨を伝え、対応を仰ぎます。

トラブルを防ぐためには、隣人に直接注意するのではなく管理会社を通じて伝えてもらうのが大切です。

【対処法2】隣人にやんわりと伝える

乳幼児や病気の家族がいるため喫煙は控えてもらいたいなど、理由が伝われば配慮してもらえる可能性があります。

基本的には直接不満を伝えてしまうとトラブルが悪化してしまう懸念もあるため、管理会社を通すのがベストです。

しかし、隣人と頻繁に挨拶を交わすなど比較的良好な関係を築けている場合には、理由を明確に伝えるほうが効果的なケースもあるでしょう。関係性を考慮したうえで伝えてみるのもひとつの手です。

【対処法3】管理規約を変更する

管理規約等でベランダの喫煙が禁止されていない場合には、禁止とするよう規約を改訂する方法もあります。

ただし、管理規約の改定には総会で4分の3以上の賛成が必要です。いずれにしても管理会社や理事会に進言し、検討してもらう必要があります。

【対処法4】喫煙時間帯を決める

喫煙時間帯を設定してお互いに歩み寄るという解決策もあります。

例えば、非喫煙者宅の子どもの就寝時間より遅く、喫煙者の帰宅時間頃にあたる19時以降などと取り決める方法です。喫煙を禁止できない場合には、管理会社や隣人との話し合いを通じて提案してみてはいかがでしょうか。

以上、今回はタバコにまつわるトラブルとともに、その対処法を紹介しました。

隣人の喫煙が気になる場合、まずは直接注意するのではなく管理会社を通して伝えてもらいます。何度か注意しても改善されない場合には、規約の改訂や時間帯を制限する交渉も検討してみましょう。

イラスト:カワグチマサミ

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この連載について

【連載】これで解決!マンション暮らしのトラブル

複数の世帯が生活を送る分譲マンションでは、共用スペースの使い方やペットの飼育、ゴミ捨て場における利用マナーなど、思いがけないトラブルに遭遇する可能性があります。そこで、本連載『これで解決! マンション暮らしのトラブル』では、マンションでよく起こる困った問題の解決方法をテーマごとにご紹介。トラブル発生の防止や、万が一起こってしまった際の対応マニュアルとしてもご活用ください!

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