連載:これで解決!マンション暮らしのトラブル

「害虫」のトラブルを解決したい!

2022.01.27
「害虫」のトラブルを解決したい!

マンションでよくある困った問題をテーマに、その解決方法を紹介していくこの連載。今回は「害虫」のトラブルに目を向けたいと思います。

マンションに住んでいても、ゴミの放置や建物の劣化があると自宅に害虫が発生する恐れがあります。自宅で害虫が発生してしまうと、健康被害だけではなく、場合によっては賠償金の支払いを求められる事態になりかねません。

では、害虫が発生してしまったらどのように対処すれば良いでしょうか。そもそもマンションにおいて害虫が発生してしまう原因とともに解説します。

害虫が発生する原因

害虫が発生する原因を知っておこう

マンションに住んでいても害虫の被害に遭うケースは少なくありません。どういった場合に害虫が発生してしまうのか、原因を見ていきましょう。

【原因1】建物の老朽化

建物が老朽化していると劣化部分に隙間が生じている可能性があります。コンクリートであっても、経年で水分が抜けると亀裂が入るため、そこからシロアリが侵入し床下の木材を食べてしまうのです。

室内にシロアリが侵入すると、フローリングや柱が食べられ損傷してしまう恐れがあります。

【原因2】排水管の詰まり

屋外と繋がっている排水管は、ゴキブリなどの害虫が侵入してくる可能性のある場所です。

排水管には「排水トラップ」という害虫が侵入しないようにする仕組みが備えられており、配管をS字やP字の形状にすることで、常にその部分に水が溜まるようにして害虫の侵入を防止しています。

しかし、長期間空室になっている部屋では排水トラップの水が蒸発している場合もあり、定期的に水を流すなどのメンテナンスを行っていないと、室内に害虫が入り込む可能性があります。

【原因3】ゴミの放置

室内でのゴミの放置はもちろん、隣室や共用部分でゴミが放置されているために、自宅まで害虫が入りこんでしまうケースもあります。

また、ベランダや廊下など外に面している場所にゴミを放置していると、害虫だけではなくカラスが集まってしまい、余計にゴミを荒らされる事態にもなりかねません。

【原因4】ガーデニング

ベランダで家庭菜園やガーデニングをしていると、どうしても虫がやってきてしまいますよね。とくに、アブラムシやダンゴムシ、毛虫などはガーデニングで発生しやすい害虫です。

毎日のように手入れをしていれば大きなトラブルにならずに済みますが、隣や階下の住民に被害がおよぶ可能性があることは覚えておきましょう。

害虫の発生で起きるトラブル

害虫を原因として起きるトラブルは大きく3つの種類に分類される

害虫の発生はどんなトラブルや被害に繋がるでしょうか。ここでは、主な3つのトラブルについて説明します。

【トラブル1】建物の劣化の進行

害虫の発生原因として「建物の老朽化」をあげましたが、放っておくとさらなる劣化を招きます。発生原因が老朽化ではなく、例えばガーデニングによるものだとしても、フローリングや柱への侵入によって建物の損傷に繋がってしまいます。

【トラブル2】健康被害

刺されると命に関わる恐れもある「ハチ類」や、感染症やアレルギーを引き起こす「ダニ・ゴキブリ」など、身体の健康を脅かす害虫もいます。

皮膚がかぶれてしまったり、呼吸障害が発生したりと生活に支障をきたすトラブルになりかねません。

【トラブル3】賠償金の支払い

自宅で発生してしまった害虫によって、マンションの基幹に関わる部分損傷や隣家への健康被害を引き起こしたケースでは、賠償金の支払いを求められた事例もあります。

賠償金ほど大事にならずとも、駆除や清掃費を担う可能性は非常に高いです。

害虫が発生した場合の対処法

自分で対処するのが難しい場合は業者に相談しよう

では、害虫が発生してしまった場合にはどのように対処すればいいでしょうか。原因が住居のゴミやガーデニングなどにある場合と、建物の老朽化や共有部分に問題がある場合に分けて解説します。

【ケース1】入居者に過失がある場合

入居者に原因がある場合というのは、ゴミの放置やガーデニングの手入れ不足が主な理由です。ほかには、カビや排水管の詰まりが原因となるケースもあります。

入居者に過失がある場合、基本的には入居者自身で駆除や清掃が必要です。加えて、ほかの住民や建物自体への被害が認められると、損害賠償を請求される可能性もあります。

市販の駆除剤を手に入れて対処することもできますが、「原因が分からない」「自分で対処できない」という場合には、駆除業者や清掃業者に依頼しましょう。

また、隣人がゴミなどを放置しているために自宅へ害虫が侵入してきた場合には、その当事者である隣人が駆除や清掃費用を持つのが一般的です。

【ケース2】大家さんや管理会社に過失がある場合

建物の劣化状況を定期的に確認していなかったり共用部分の清掃を怠っていたりと、運営管理に過失が認められる場合は、大家さんや管理会社が責任をもって駆除・清掃業者に依頼します。

床下や配管、共用のゴミ捨て場に害虫が発生した場合には、まずは大家さんや管理会社に連絡しましょう。

以上、今回は害虫をテーマに、トラブルの原因とその対処法を紹介してきました。

ゴミやカビの放置はもちろん、建物の老朽化も害虫の発生原因となります。自宅を清潔に保つよう心がけ、害虫を見つけたら早めに市販の駆除剤などを使用しましょう。

もし共用部分や建物の基幹部分から害虫が発生していると分かった場合には、大家さんや管理会社に連絡することが大切です。

イラスト:カワグチマサミ

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この連載について

【連載】これで解決!マンション暮らしのトラブル

複数の世帯が生活を送る分譲マンションでは、共用スペースの使い方やペットの飼育、ゴミ捨て場における利用マナーなど、思いがけないトラブルに遭遇する可能性があります。そこで、本連載『これで解決! マンション暮らしのトラブル』では、マンションでよく起こる困った問題の解決方法をテーマごとにご紹介。トラブル発生の防止や、万が一起こってしまった際の対応マニュアルとしてもご活用ください!

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