共用部分を破損させた時の対処法は? 報告先や費用負担を解説
「車を停める際、駐車場の柱とぶつかって柱を傷つけてしまった」「子どもが共有部の窓ガラスを割ってしまった」
マンションでの生活では、共用部分を破損してしまう事故は誰にでも起こり得るものです。
そこで、今回は共用部分を破損してしまった際の対処方法や、費用負担がどうなるかについて解説していきます。
共用の設備を壊してしまったらまずは管理会社に連絡
マンションの共用部分を破損した場合は、まずはマンションの管理人か管理会社に連絡します。
管理人や管理会社が被害箇所の応急措置を行うために、報告時には以下の3点の報告が必要です。
1. 事故が起きた場所
2. 事故の発生日時
3. 破損箇所の状況
破損してしまったという焦りや、賠償責任への不安などから連絡をためらってしまうかもしれません。しかし、時間の経過とともに破損箇所の損傷が進行し、さらに大きな事故を招いてしまう可能性もあります。
住民全体の安全のためにも問題を先送りにせず、破損してしまったら速やかに報告しましょう。
共用部分の破損は当事者の自己負担
共用部分の破損を修繕する際の費用は、原則として故意か過失かに関わりなく当事者が負担します。また、子どもやペットが破損させた場合は、監督責任を持つ親や飼い主が費用を負担する必要があります。
共用部分のマンション総合保険に加入しており、破損や汚損が補償の対象となっているマンションも多くあります。しかし、破損した人が判明している場合は、当事者からの損害賠償がマンション総合保険よりも通常は優先されます。
したがって、居住者による共用部分の破損に対してはマンション総合保険が適用されないことがほとんどであり、当事者の加入している保険などから賠償しなければなりません。
個人賠償責任保険が利用可能
共用部分の破損に対して費用を負担しなければいけなくなった場合は、個人賠償責任保険を利用することができます。
個人賠償責任保険とは、日常生活で他人に損害を与えてしまい、損害賠償を被ることになった場合に補償される保険です。保険会社に連絡することで、担当者から書類などを案内され、事故状況などを審査されます。査定を通過すると、損害箇所の復旧費用が補填されるのです。
補償対象には保険に加入している本人と配偶者や子どものほか、同居している両親などの親族も含まれます。日常での事故は広く補償の対象になるため、マンションの共用部分への損害にも適用される可能性が高いのです。
ただし、自動車による駐車場などの共用部分への損害は、自動車賠償損害保険からの補填となります。マンションで駐車場を利用している場合は、そちらの保険内容も確認しておきましょう。
加入している保険の内容を確認しよう
マンションの共用部分を破損してしまった際は、先送りせず管理会社への報告を行う必要があります。
破損箇所の修繕費用は原則自己負担ですが、個人賠償責任保険で費用を補填できる場合も多い。事故後は迅速に保険会社への連絡も行いましょう。
自身の保険内容を確認して、万が一にも対応できるようにしておきましょう。
イラスト:大野文彰
この連載について
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