管理会社を変更するメリットとは? 失敗しやすいパターンも紹介
マンションの管理費が赤字になった!? 原因と対処法を解説!
築年数が経過するにつれてマンションの管理費の収支が悪化し、赤字になってしまう危険性が出てきます。
今回は、マンションの管理費が赤字になってしまう要因と、どのような点を見直せば良いかを解説していきます。
管理費が赤字になる主な要因は3つ
【1】駐車場の稼働率低下
マンションの管理費を圧迫する要因のひとつに、駐車場があります。
築年数が20年以上のマンションは、駐車場設置率が高い物件も多く、それらの大半は限られた敷地に多くの台数を駐車できる機械式駐車装置を導入していました。機械式駐車装置は電気代や保守・点検費用といった維持費が高いため、マンションの管理費を圧迫しているのです。
また、「車離れ」や「高齢化」による影響もあります。車を所持する居住者が減り、駐車場の空きが増えた結果、「第2の収入源」である駐車場使用料が減り、収支の悪化に繋がっています。
機械式駐車装置は維持にも撤去にもお金がかかります。外部利用者に貸し出したり、業者とサブリース契約を結んだりと、収益性の改善を図りながら長期計画を立てていくことが必要です。
【2】電気料金の高騰
世界情勢の影響や電力需要増加などにより、電気料金も高止まりの状況が続いています。
前述した機械式駐車場のほかにも、エレベーターが複数台ある場合や、共用部分にエアコンがある場合などは、電気料金の影響をより大きく受けます。
明細を確認し、以前より大幅に電気料金がかかっているようであれば、エアコンの稼働台数を調整したり、照明をLEDに切り替えたりなど、節電対策が必要になるかもしれません。
【3】管理委託費の値上げ
全国的な最低賃金の引き上げや、人材不足により、管理員や清掃スタッフの人件費が高騰しています。
そのため、マンション管理の日常業務を管理会社に委託している場合は、管理委託費の値上げが組合の財政悪化の原因になっているケースがあります。
管理委託費の見直しについては、次の項目で詳しく見ていきます。
管理委託費値上げへの対処法
【1】内訳を見直す
駐車場の利用状況や電気料金の見直しとともに、委託費の内訳を見て組合の負担が適正かを確認しましょう。
一部の業務の価格設定が割高になっていたり、委託費の内訳に不明瞭なところがあれば、管理会社の担当者に減額を交渉します。とくに、新築の時から管理会社が変わっておらず、委託先がデベロッパーの子会社であるなど、相見積を取らずに管理会社に委託している場合は見直しの余地があるでしょう。
ただし、あくまで適正ではない支出があるかないかの点検が主目的です。減額と引き換えにサービスの内容や業務品質が低下してしまうと、マンションの資産価値の減少にも繋がりかねないので、サービスの質は保てるように注意して交渉しましょう。
【2】管理会社を変更する
管理会社との交渉が難航した場合は、委託先の変更を検討します。
複数の会社に見積を依頼すれば市場の適正価格が把握できるうえ、管理委託費の減額を見込める点がメリットです。
また、サービスの質や内容も併せて見直せば、マンション設備のメンテナンスなどの管理品質が向上し、マンションの資産価値の維持にも期待できるでしょう。
管理会社を変更するメリットやトラブルの防止方法については、下記の記事でも詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
複数の対策を進めて財政を健全化
マンション管理費が赤字になる主な要因には、「駐車場の稼働率の低下」「電気料金の高騰」「管理委託費の値上げ」が挙げられます。
状況を改善するためには、駐車場をはじめとする共用部分の利用状況や、管理委託費を見直す必要があります。マンションによっては複数の要因が影響している場合もあるので、管理費の収支全体を見直すようにしましょう。
また、管理委託費については、長い間同じ管理会社に依頼している場合は見直しを検討しましょう。価格設定や内訳に不明瞭なところがあれば担当者に確認し、質を維持したまま減額できないか交渉します。
交渉による減額が難しければ、管理会社の変更も検討します。変更する際は管理費が減額できるかだけではなく、管理品質も併せて確認することを忘れずに。
長く快適なマンション暮らしのためにも、マンションの資産価値を維持していくためにも、管理費の収支を改善していきたいですね。