理事・管理

マンション管理会社に業務委託するメリットとは? 発生する費用も解説

2023.02.24
マンション管理会社に業務委託するメリットとは? 発生する費用も解説

建物や設備の点検、共用部分の清掃などの管理業務は、本来であれば管理組合が責任を持って行うべきもの。しかしマンションの管理業務は多岐にわたり、専門知識も必要なため、管理組合ですべて行うのは難しいことが多いでしょう。そこで多くのマンションでは、管理会社に業務委託して負担を軽減しています。

今回はマンション管理会社に業務委託するメリットや、そのとき発生する費用などを解説します。

マンション管理会社とは?

委託を受けてマンションの管理を代行する会社

マンション管理会社とは、分譲マンションや投資物件の管理を代行する会社のことです。建物のメンテナンスや清掃、入居者対応などの業務を請け負います。

分譲マンションの場合は、区分所有者によって構成される「管理組合」が建物のメンテナンスや清掃などの管理をしています。そのためマンションの一室を購入すると、自然とマンション管理の当事者となります。しかし管理組合だけでマンションの管理業務をするのは難しいもの。マンション管理会社に委託料を支払って、代わりに管理業務をしてもらうのが一般的です。

賃貸アパートなどの投資用物件の場合は、オーナー自身が入居者を募集したり建物のメンテナンスを手配したりと、管理業務の当事者となります。オーナー自身で行える業務もありますが、委託費用を支払ってマンション管理会社に頼むことも可能です。

マンション管理会社に委託する業務は2種類

【1】建物管理業務

快適な暮らしのための設備メンテナンスなどを行う

建物管理とは、マンション全体のハード面の管理です。定期的な点検や清掃でマンションを清潔に保ち、安全に暮らせるように管理します。

(例)
・建物の点検や補修
・長期修繕計画の作成
・共用部の清掃(共用廊下やエントランスの掃き掃除、草むしりなど)
・設備の保守点検(エレベーター、給排水管、消防設備、機械式駐車場など)

管理項目によっては、建築基準法や消防法などで頻度が決められているものも。項目が非常に多いため、すべてを管理組合のみで運営するのは難しいかもしれません。マンション管理会社に委託することで、すべての項目を適切に管理できます。

【2】賃貸管理業務

投資用物件では、入居者募集や契約などのソフト面の管理も必要になります。

(例)
・入居者の募集、契約更新、解約
・家賃の集金、家賃滞納者への催促
・入居者からのクレーム、トラブル対応
・退去時の立ち会い、クリーニングや修繕の手配

いくら建物がきれいに管理されていても、入居者募集や家賃回収がうまくいかなければ赤字になってしまうことも。またクレームなどはいつ発生するかわからないため、マンション管理会社に委託することでオーナーの負担を軽減できます。

マンション管理会社に業務委託するメリット

【メリット1】マンション管理の負担が減る

管理組合やオーナー自身ですべての管理業務を行うのはなかなか難しいもの。長期修繕計画の作成や修繕業者への依頼、日常的な清掃など、すべてを自分たちでやるとなると大きな負担になります。

居住者もそれぞれ本業で忙しいケースも多いため、マンション管理会社に委託して負担を下げられるメリットは大きいでしょう。

【メリット2】資産価値の維持につながる

マンション管理会社は、建物管理のプロ。その建物に必要な点検・修繕をきちんと把握しています。適切なメンテナンスを実施することで、建物の資産価値の維持にもつながるでしょう。

【メリット3】入居者の満足度向上につながる

共用廊下やゴミ捨て場がきれいに清掃されていることは、入居者の満足度に直結します。また入居者のクレームやトラブルに迅速に対応してもらえるので安心です。投資用物件では、適切な管理が入居率の上昇にもつながるかもしれません。

マンション管理会社に業務委託するとかかるコスト

業務委託には管理費用の支払いが必要

【1】日々の管理業務に対する「管理委託費」

マンション管理会社へ、日々の管理業務の対価として支払われるのが管理委託費です。

平成30年度マンション総合調査によると、毎月住民から集める管理費の平均は1戸あたり月額1万5,956円。そのうち大部分が「管理委託費」としてマンション管理会社へ支払われます。

投資用物件の場合は「家賃収入の何パーセント」という形で管理委託費を決めるのが一般的です。

【2】入居者が決まったときの「仲介手数料」

投資用物件で発生するのが仲介手数料です。マンション管理会社に入居者募集を依頼して、契約が成立したときに支払います。管理委託費のように毎月コンスタントに支払うものではありません。

仲介手数料は法律で上限が決められており、賃貸の場合は「家賃1ヶ月分+税」が上限。これは借主と貸主からもらう仲介手数料を足した金額です。そのため双方が0.5ヶ月分ずつ支払うケースもあれば、どちらか一方が家賃1ヶ月分を全額支払うケースもあります。

約7割のマンションが管理会社に委託している

平成30年度マンション総合調査によると「基幹事務を含めて管理事務の全てをマンション管理業者に委託」しているマンションは72.9%。ほとんどのマンションが管理業者にすべての管理業務を委託しているということがわかります。

しかし、マンション管理の当事者は、あくまでも管理組合です。点検や清掃などの実務はマンション管理会社に手を借りながら、当事者意識をもって予算管理や業者選びを実施することが大切です。

マンション管理会社をうまく活用しよう

マンション管理会社には、建物管理業務と賃貸管理業務の2種類を委託できます。清掃業務や設備のメンテナンスなど、部分的な業務のみを委託することもできますが、多くのマンションでは全ての業務をマンション管理会社へ委託しています。

管理会社へ委託することで、業務負担の軽減や入居者の満足度向上などさまざまなメリットはありますが、その一方でコストがかかるのも事実。管理組合が当事者意識をもって、どの管理会社を選ぶのか、どのような業務を委託するのかを検討することが大切です。

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