理事・管理

マンションの緑化工事の種類は?メリット・デメリットを解説

2024.12.26
マンションの緑化工事の種類は?メリット・デメリットを解説

近年、注目を集めている緑化工事。

都市部での環境問題対策や景観の向上に影響するため、関心が高まっている方法です。

マンションに導入する前に知っておきたい基礎知識から、植物がもたらす効果やメリット・デメリットまで、詳しく解説します。

緑化工事とは?

地球環境のためにも重要な意味を持つ緑化工事

建物の表面に植物を植える工事全般を「緑化工事」といいます。

日本では昔から、暑さをしのぐために建物と植物を組み合わせる工夫が行われてきました。近年、コンクリートやエアコン、車などの排熱が引き起こすヒートアイランド現象が都市部で深刻化しており、その対策として緑化工事への関心が高まっています。

また、一部の自治体では緑化を義務付ける動きもあります。例えば東京都豊島区では、敷地面積1000㎡未満のマンションを建築する際には、敷地の道路に面した部分の60%の緑化が義務です。

マンションの緑化工事の種類

壁面緑化

個性的な外観の演出にもつながる屋上緑化

マンションの外壁を植物で覆う壁面緑化が、近年注目を集めています。

フェンスにワイヤーを設置しつる性の植物を育てたり、植物を植えたプランターを外壁に取り付けたりして、建物全体を緑化させる方法です。

この手法は建物を美しく演出し、人々の目を引く個性的な外観を生み出すため、高い話題性や集客力が期待できます。そのため、オフィスビルなどの商業施設でも採用が広がっている手法です。

屋上緑化

屋上緑化を実施するマンションが増えている

建物の屋根や屋上に芝生や植物を植えて緑化し、地上の庭や公園のような空間を作る屋上緑化。

近年、都市部でのヒートアイランド現象を和らげ、低炭素化を推進する取り組みとして注目を集めています。

地域の環境改善にも貢献できるため、特にマンションの屋上緑化が増加中です。

マンションで緑化工事を行うメリット

環境改善に繋がる

植物は、水と光を利用して光合成を行ったり、二酸化炭素を吸収して新鮮な空気を供給したりする性質があるため、ヒートアイランド現象の緩和や省エネに役立つ遮熱効果を持っています。この効果により、マンション内に新鮮な空気の循環をもたらしてくれます。

さらに、植物から発生するマイナスイオンには、心を落ち着けたり、リラックスさせたりする効能があり、精神的な安定やメンタルヘルスの向上にも効果的です。

また、植物には目に入れるだけで心を安らげる効果があります。

景観が良くなる

見栄えが良くなるとマンションの価値向上につながる

マンションに緑化を施すと、建物自体の魅力が高まり、資産価値向上にも貢献する可能性があります。

緑豊かな建物は住む人だけでなく周囲の人々にも良い印象を与え、街全体の印象アップに効果的です。特に壁面緑化は近隣の建物や道路などマンションの周辺からも視界に入りやすいため、大きな印象を与えます。

緑化の取り組みは建物単体の価値を高めるだけでなく、街全体の印象を向上させる効果があるといえます。

吸音性能・断熱性能がアップする

外壁の緑化には吸音効果があります。

植物自体の吸音性能がそれほど大きくないとしても、植栽の基盤に土が使われている場合、外の騒音が外壁を通って室内に伝わる可能性を軽減できるでしょう。

また、植物は日光を遮るだけでなく、葉の蒸散冷却作用により断熱効果を発揮します。そのため、建物の温度上昇を抑制可能です。

このような緑化による温度調節効果は、冷房などの使用量削減につながり、建物全体の消費エネルギーの削減にも影響します。

マンションで緑化工事を行うデメリット

緑化した外壁には定期的なメンテナンスが不可欠です。適切な手入れを怠ってしまうと、景観の質が低下する可能性があります。

壁面緑化に使用する植物の種類によって、手入れの難度には差があると感じるでしょう。落葉樹を植えた場合、道路脇の排水溝に葉が落ち、詰まりの原因となる可能性があります。また、つる性の植物は成長が早く、近隣の電柱や建物に絡みついてしまうのも懸念点です。

これらの問題を未然に防ぐためには、丁寧な管理作業が必要となりますが、継続的な管理コストが発生します。

緑化工事のメリットは多いがメンテナンスは必須

緑化工事は、環境への配慮や都市景観の向上に効果的であるため、自治体によっては義務化されているところもあります。

緑化の方法は、建物の壁面を植物で覆う壁面緑化と、建物の屋上に植物を植える屋上緑化の2種類です。

これらの緑化には、都市部のヒートアイランド現象の緩和や建物の温度上昇を抑制する省エネ効果など、多くの利点があります。

ただし、定期的な水やりや剪定などのメンテナンスを怠ると、植物が枯れたり、雑草が繁殖したりと、かえって景観を損ねる可能性もあるため注意が必要です。近隣トラブルの原因にもなり得るので、導入する際は植物の手入れのしやすさを考慮し、慎重に検討しましょう。

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