マンション大規模修繕費用 簡易見積(β版)
大規模修繕の見積もりは複数社に依頼を! 依頼のポイントも紹介
日本国内には、さまざまな場所にたくさんのマンションが建てられています。そのため、マンションの維持に不可欠な大規模修繕工事に対する需要は多く、修繕事業を展開する施工業者の数は少なくありません。
大規模修繕の実施にあたって、数ある業者から1社を選ぶための重要な指標となるのが見積もりです。管理組合は見積もりの内容で工事を依頼する業者を決めるので、見積もり依頼をする際のポイントはしっかりと覚えておきましょう。
大規模修繕の見積もりは5社以上に依頼するのがベスト
大規模修繕の時期になると、管理組合は数ある施行業者の中から1社を選んで修繕を依頼します。施行業者によって金額や工事の品質がまちまちなので、業者の選定は重要です。複数の業者に見積もりの作製を依頼して、各社の提案内容を比較しながら検討しましょう。なるべく、多くの業者に問い合わせるのがポイントです。
見積もりを取る目安は5社。5社以上に声をかけると各社の提示する費用から、工事内容に対する相場の金額を判断できます。これにより、相場よりも見積もりが高額な施工業者を見つけるのが容易になるでしょう。
反対に、1社にしか見積もり依頼をしないパターンは要注意。比較対象がなければ、見積もり金額が相場よりも極端に高額であっても気づけなくなってしまいます。「忙しくて5社も問い合わせるのは難しい」という管理組合も、最低でも2社には声を掛けてください。
簡易シミュレーターを利用してみるのも手。例えば「カシワバラコーポレーション」では、AI技術を取り入れた「マンション大規模修繕 AIシュミレーション」のサービスを実施中です。マンションの情報を入力すると、カシワバラコーポレーションが過去の大規模修繕工事の実績で積み上げてきたデータをもとに、AIが情報を分析して概算見積を算出してくれます。
大規模修繕の見積もりを依頼するときのポイント
事前に建物診断を実施する
建物診断とは、建物の劣化状況を把握するための調査です。住宅の劣化状況に精通したプロの検査員が、屋上防水の漏水や外壁タイルの浮き、鉄部の錆びなどの不具合が発生していないか、さまざまな調査を通して建物の劣化状況を確認し、どの部分にどのような修繕が必要かを判断します。
業者の選定に先だって建物診断をしておくと、マンション内で優先的に修繕するべき箇所や早急に処置しなくてもよい部分を把握できるため、無駄な作業を減らして必要な修繕だけ実施できます。不要な作業を削減すれば、修繕費用の減額にも効果的です。
ただし、建物診断の実施にも料金はかかります。金額はマンションの規模に応じて変動しますが、1回につき20万〜100万円程度が目安です。
検査員の目視や壁面の打診による調査だけでなく、専門機器などを使用する高度な調査を実施する場合は、調査費用が高額になります。
同一条件で見積もりを取る
先述の通り、見積もりは複数の業者から取得するべきですが、業者ごとに見積もり条件に違いがあると、各社の比較が困難になってしまうので注意が必要です。
内容にばらつきがでないようにするためにも、あらかじめ実施する修繕の項目や施工面積などの条件を統一したうえで、各社に見積もり依頼しましょう。
大規模修繕の専門業者の見積もりを取る
修繕工事を請け負う業者は、企業の特徴ごとにそれぞれ「管理会社」「ゼネコン」「大規模修繕の専門業者」の3つのタイプに分類されます。
「管理会社」は、施工部門を有する管理会社に修繕工事を依頼するパターンです。日々の管理業務を委託している管理会社であれば、信頼度が高く、マンションの状態も詳しく理解しているので、安心して任せられるでしょう。
総合建設業者である「ゼネコン」も修繕工事を依頼する際の選択肢の1つです。ゼネコンは大手企業が多いので、ネームバリューの高さが安心につながります。
「大規模修繕の専門業者」は、大規模修繕工事を専門としているため、修繕についての知識が豊富で、技術力の高さに期待ができます。
管理会社やゼネコンは、自社で施行を行わずに、下請けの業者に実際の作業を依頼するケースが見うけられます。この場合、下請けへの依頼分の仲介手数料が発生するため、工事費用が高額になりがちです。一方、大規模修繕の専門業者は受注した工事は自社で施行するため、仲介手数料が発生しません。そのため、比較的料金が安価になる傾向がります。
費用相場を把握しておく
業者から出される見積もりが適正かどうかを判断するために、事前に修繕費用の相場を把握しておきましょう。
相場を知るのに適した資料に、国土交通省が実施した「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」があります。この調査結果では、戸あたりの工事金額は「100~125万円/戸」が最も多い結果となりました。2位は「75〜100万円/戸」、3位は「125~150万円/戸」となっており、そのぐらいの金額が相場と呼べそうです。
この資料には、大規模修繕の回数別の戸あたりの金額なども掲載されていますので、これから大規模修繕工事を控えている管理組合は参考にしてください。
業者の担当者と見積もりの詳細を確認しておく
施工業者の良し悪しは、見積もりの金額だけでは判断できません。料金を見て終わりにするのではなく、自社に任せるメリットをプレゼンテーションしてもらうなど、サービスの詳細も業者の担当者と確認しましょう。
見積もりが高いと感じる業者であっても、工事後のアフターフォローが充実しているなど、ほかにはないメリットを持っているかもしれません。
また、施工業者の問い合わせ窓口となる、担当者の人柄も見るべきポイントです。担当者の人柄を「問題が発生した際にしっかりと対応してくれそうか」「いざという時に連絡を取りやすいか」といった観点でチェックしましょう。
大規模修繕の見積もりを取るときの注意点
価格だけで業者を選ばない
修繕費用は安ければ安いほどよいと思われがちですが、相場から著しく安価な見積もりには注意が必要です。
極端に見積もりが安い業者は、その金額でも工事ができるように人件費や建材費を極端に削減しているかもしれません。人と物のコストを削減すると、その分工事のクオリティが低下するので、施行の品質が下がってしまうでしょう。
そのため、あまりにも見積もりが安い場合は、相場と較べて安い金額となっている理由をしっかり業者と確認しておきましょう。
材料や数量の項目にも目を通す
業者から出される見積もり書は、細部までしっかりと確認してください。例えば、数量の単位を「一式」として、おおまかに記載されている場合は注意が必要です。このような曖昧な表記であると、工事後になって施工業者が「見積もり額を超えた作業が発生した」と主張して、追加費用を請求できてしまうので、必ず見積もりの内訳は明確に教えてもらいましょう。
追加費用が発生する場合であっても、事前に明確な基準を双方で確認し合っておけば、トラブルにはならないでしょう。
また、施行で使用する塗料なども事前に確認するべきポイントといえます。なぜなら、施工業者が工事費用を抑えるために、安価で品質の良くない製品を使用するかもしれないためです。見積もりの段階で、塗料のメーカーや品番など、工事に用いる製品の情報もしっかりと押さえておきましょう。
見積もり依頼は必ず1社以上に依頼する
大規模修繕は区分所有者が高額な資金を出し合って実施する重要なイベントなので、見積もりはしっかりと確認してください。
見積もり依頼は5社を目安として、どんなに少なくても2社には声をかけましょう。業者のタイプは施行の知識と技術に優れていて、仲介手数料が発生しない大規模修繕の専門業者がおすすめです。
「なにから始めたらいいのかわからない」という場合は、まずは、手軽に見積もりが確認できるカシワバラ・コーポレーションの簡易シミュレーターを利用してみるのが賢い手といえます。