理事・管理

自治会役員への就任を強制された! 断れるの?

2020.09.02
自治会役員への就任を強制された! 断れるの?

単身世帯や共働き世帯も増えている近年では、自治会への加入者も減ってきているといいます。とはいえ、皆が皆自治会への加入を断れるわけではありません。自治会に加入した結果、役員の就任も強制されて困ったという方もいるでしょう。

この記事では、就任を強制されたときの対処法はもちろん、運営側に向けて役員のなり手を増やす方法なども紹介していきます。

自治会役員への就任は強制?

結論から言うと、自治会役員への就任は本来強制することはできません。「役員は順番だから」と言われて困惑する人もいるかもしれませんが、自治会の活動は法律で定められた役割ではなく、あくまでも任意の団体です。そのため、役員への就任も義務ではないわけですね。

しかし、特にマンションの場合は建物内でほかの居住者との接点が少なからずあるため、自分だけが自治会役員を断ったことで気まずさを感じる場面もあるかもしれません。

実情は断りづらくて「仕方なく引き受ける」人が多い……

役員への就任を強制できないことは確かですが、ひどい場合には「引き受けなければ仲間はずれにする」などと脅されることもあり、断りづらいのが実情のようです。

脅されることはなくとも、近所との無用なトラブルを避けるために仕方なく引き受けてしまっている方も多いでしょう。

また「自治会に加入している以上、全員が役員を経験する」ことが当たり前に根付いている場合もあります。年長者から「ずっとこうしてきたから」「こういう決まりだから」と言われて口を挟む余地もなく、渋々引き受ける方もいるのではないでしょうか。

どうしても役員を引き受けられない場合は?

仕事や家庭の事情によっては、役員を引き受けられない方もいるかもしれません。

役員の就任を断る際は、もちろん「面倒くさいから」では、相手も納得しないでしょう。そのため「仕事が土日に突発的に入ることがある」など、引き受けられない事情をできるだけ具体的に説明すると、納得してもらえるかもしれません。

また「今はちょうど仕事の繁忙期と重なっていて引き受けるのが難しい」という場合は、代替案として役員就任のタイミングを後回しにするといった方法もあるでしょう。

もし役員就任を断ったことで、ゴミ捨て場の利用を禁止されるなど生活に支障が出るようなトラブルに見舞われたら、自治体への相談も検討しましょう。

第三者が間に入ることで、話し合いがスムーズに進む可能性があります。

「役員になりたくない!」と思う理由とは?

ここからは目線を変えて、自治会を主に運営する側に向けた話を紹介していきたいと思います。

まず、会員はどのような理由で役員の就任を嫌がるのでしょうか。参考までに以降で、まとめてみました。

【理由1】業務負担が重い……

自治会役員の仕事として、回覧板の準備や広報の配布、会費の集金といった雑用があります。細かい仕事ばかりのように感じてしまうかもしれませんが、重なれば大きな負担になっていくでしょう。

また、自治会では餅つき大会や体育祭といった行事を実施することもあります。イベント開催に向けた準備や運営の業務もやらなければいけません。休日を費やす、もしくは、平日も自治会の会議のために仕事を休む必要が出てくるかもしれません。

【理由2】運営方法が古いまま……

特に地方を中心に住民の高齢化が進むなかで、役員も高齢者の比率が増加している現状があります。なかなか役員のなり手に若手がいないため、年長者が運営を続けてきた結果、これまでの慣習を踏襲している、というケースも少なくありません。

これまでのやり方に固執するあまり新しい意見を聞かず、「本当は新しいやり方で運営を始めたいのに、意見を聞いてもらえないなら役員になる意味はない……」と思うケースも考えられます。

【理由3】「地域のため」ではない活動が多い……

役員同士が集まって会議などを行った後に、遅い時間まで飲み会が行われるなど、拘束時間の長さを嫌がる人もいます。

また地域のための活動というよりも、私的に楽しむことが目的の旅行や映画鑑賞会などに会費の一部が使用されている現状に嫌気が差す人もいるようです。

役員のなり手を増やす方法とは?

最後に、役員への就任を促す方法についてまとめてみました。

【方法1】イベントや行事への参加のハードルを下げる

お祭り

自治会のなかには、役員はイベントや行事への参加を義務としているところもあるかもしれません。しかし、「役員に就任したら強制的に行事に参加させられる」と聞いて「じゃあ役員やります」とはならないでしょう。

役員であってもあくまでも自由参加とし、いたずらに時間を奪わないような環境は整える必要があるかもしれません。

【方法2】若い世代を尊重した自治会運営を行う

オンライン会議

これからの運営を担っていくのが若い世代であることを踏まえると、やはり若い人たちの意見を尊重した自治会の在り方は求められる時代になっていくでしょう。

例えばこれまで直接渡していた回覧板をメール配信に切り替えたり、対面での定例会をオンライン上で行ったり。導入の過程でデジタルツールの扱いに慣れた若い世代が、年長者に教える機会などを設けることで、異なる世代の交流にもつながるかもしれません。

【方法3】本当に必要な行事や定例会のみ実施する

「これまでやってきたから」という理由だけで行われてきた行事や定例会を見直し、本当に必要なものだけを残す方法もあります。

役員の負担軽減につながるのはもちろん、1つひとつの行事や定例会に集中して注力するきっかけにもなりそうですね。

自治会運営側は役員の負担を軽減する環境づくりを!

自治会役員の就任は任意のため断ることもできますが、ただ周囲との人間関係を考慮して、なかなか拒むことができない方もいるかもしれません。どうしても引き受けることができない場合は、事情を説明して納得してもらう。もしくはせめて順番を後回しにしてもらえないか、交渉してみましょう。

なおイベントや行事への自由参加や不要な定例会を見直すなど、自治会を運営する側も役員の負担を軽減するような環境づくりを行っていきましょう。

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