大規模修繕

マンションの顔をきれいに保つ「外壁塗装」ってどうやるの?

2020.03.16
マンションの顔をきれいに保つ「外壁塗装」ってどうやるの?

マンションの顔ともいえる外壁は、新築から十数年経つと劣化が進んでいくため、定期的に塗装工事を実施する必要があります。一方ではじめて外壁塗装を経験する場合、「どうやってやるの?」「費用はだいたいどのぐらい?」といった疑問が湧いてくる方もいらっしゃるでしょう。そこでこの記事を通して、外壁塗装のそもそも必要性から相場、実施手順などを理解していきましょう。

助成金や補助金の活用で費用負担が抑えられる!

マンションの外壁塗装で利用できる助成金や補助金は、もちろん返済不要で、工事終了後にお金を受け取ることができます。

なお「助成金」に関しては遮熱機能を持った塗料を使うなど、条件を満たしていれば基本的に誰でも受け取ることができます。一方で「補助金」の受給は、審査に合格した場合のみ。一般的に補助金の方が審査の条件が厳しいため、その分支給額は高めに設定されています。

各自治体ごとに助成金や補助金の金額は異なる

外壁塗装に関する助成金や補助金のシステムは各自治体が定めており、受給できる金額はマンションが建っている地域によって異なります。また自治体によっては、「壁全面を塗装する場合に限り費用の一部を補助する」など、工事内容の条件を細かく定めているところもあるようです。

マンションの建っている地域に外壁塗装に関する助成金があるかどうかは、各市町村の公式ホームページ、もしくは一般社団法人住宅リフォーム推進協議会が運営している「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(令和元年度版)」で調べることができます。

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遮熱塗装や断熱改修などの省エネ対策が対象条件

助成金や補助金を受け取るためには、断熱や遮熱など、省エネ対策を目的とする塗装工事であることが条件としてあげられる場合がほとんど。先ほど紹介した通り塗料の種類は大きく分けて4種類あるわけですが、さらにそこから断熱効果や遮熱効果など、性能をプラスした塗料を使用することが条件となります。

断熱を目的した工事(断熱改修)とは、室内の保温性能を高める効果を得るためにする工事のこと。冬に室内の温度を暖かく保ったり、夏に温度上昇を抑えたりする効果があります。一方で遮熱を目的とした工事(遮熱塗装)とは、室内の温度が上がるのを抑えて涼しく保つのに有効で、夏を快適に過ごすための工事といえるでしょう。

助成金や補助金を申請するにはこういった省エネ対策を目的とした工事であること以外にも、細かい条件が設定されている場合もあるため、詳しくは各自治体の公式ホームページを確認してみましょう。

外壁塗装が完了するまでの大まかな流れも知っておこう!

ここまで外壁塗装の必要性や相場、助成金などについて紹介してきましたが、では実際にどうやって工事を行っていくのでしょうか。

ここでは大まかな流れについて、順を追って説明していきます。

1.塗装時期を検討する

まずは管理会社などと相談しながら、マンションの外壁塗装を実施する時期を検討しましょう。人気の塗装業者ほど先の予約まで埋まっていることがあるため、実施する時期を決めたうえで、そこから逆算して早めに業者選びをスタートさせたいところです。

なお工事を実施するベストシーズンとしては空気が乾燥しており、天候も安定している「春(4〜5月)」か「秋(9〜10月)」だといわれています。なぜなら、塗料はしっかりと乾燥させなければ機能が低下するためです。

2.工事してくれる業者を探す

外壁塗装工事を行ううえで、とくに重要なのが業者選びです。どんなに良い塗料を使ったとしても、しっかりとした塗装技術で施工されていなければ、塗料メーカーが保証する耐用年数より短くなってしまうようなこともあります。

選ぶ際のポイントとしては、ネットなどで調べて選んだ1社だけに依頼するのではなく、複数社に見積りをお願いしたうえで比較検討すること。比較するなかで、外壁塗装の適正な価格も見えてくるでしょう。

比較するためにはまず、建設業界紙で「公募」を実施するなどの方法が有効です。その際、複数の業者に見積もりだけでなく施工方法に関するプレゼンテーションもお願いできれば安心です。また、業者の比較検討を促してくれるウェブサービスなどを利用するのも1つの方法といえるでしょう。

3.希望する塗料を選ぶ

同じ種類の塗料であっても、メーカーやグレードによって耐用年数に違いが出ることがあります。また例え同じメーカーのシリコン塗料でも、油性と水性に分かれることがあり、基本的には油性の方が耐用年数は長いといわれています。

なお、前述の通り外壁塗装は足場や人件費のほうが工事費用の多くを占めます。そのため頻繁に塗装工事を実施しなくても良いように、可能な限り耐用年数の高い塗料の使用を検討したいところ。あわせてメーカーが公表している耐用年数はあくまでも目安であって、確実にこの年数まで持つという数値ではないことも知っておきましょう。

4.見積書を受け取って業者を決定する

塗装を行う業者に見積りを依頼して、実際に見積書が送付されるまではだいたい1~2ヵ月程度の時間がかかります。

なお提出された見積り金額が先ほど紹介した相場を大きく超えるようであれば、工事内容を業者によく確認し、お互いに納得できる金額かどうかの擦り合わせを行いましょう。

5.工事の実施について住民に説明後、施工開始

施工開始前から完了までの基本的な流れとしては、まず工事を行うことに関して管理組合主導でマンション住民への説明会を実施し、掲示板などでも告知をします。その後、必要に応じて作業員の休憩所や仮設トイレなどを設置。外部の足場の設立や塗料を付着してはいけない部分をシートで覆うなどの作業を経たうえで、実際の塗装工事をはじめる、という流れになります。

定期的な外壁塗装の実施でマンションの資産価値を保とう

人間の肌のコンディションを保つためにスキンケアを行うように、マンションの顔ともいえる外壁を健全に保つためには、定期的な外壁診断と塗装工事が必要です。

マンションの機能を損なわないためにも、資産価値を維持するためにも、外壁塗装の必要性やある程度の基本的な知識を理解し、そのうえで信頼できる業者を選び、依頼をしましょう。

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