意外と高額な外壁塗装の相場。内訳や見積書の見方も解説!
外壁塗装工事の「良い見積もり」を見極めるポイントとは?
工事の内容把握や業者選びの過程で、多くの場合、見積もりをもらって検討すると思います。しかし「もらいはしたが、どこを見たら良いのかわからない」と思ったことはありませんか?
そんな方のためにこの記事では、見積書に記載してある項目の見方や確認するときのポイントを解説してきます。
外壁塗装の第一歩は見積もりから!
マンションの外壁塗装工事を行うにあたってまずは専門業者に「見積もり」を依頼をするわけですが、このとき、できれば決まった1社だけにするのではなく、複数社に依頼をしたうえで比較検討するようにしましょう。比較することで、工事金額はもちろん見積書の書き方など、差異が浮き彫りになります。
複数社に募集をかける方法としては、建設業界紙で「公募」を実施するなどがあげられます。まずは見積もりを比較し、その後はプレゼンテーションで説明を得る方式が一般的です。
一般的に見積書に記載している項目については、次から解説していきます。見積書に対する理解を深めていきましょう。
見積書の項目について順番に確認していこう!
【項目1】足場
マンションの外壁塗装は高い所での作業となるため、通常は足場を組み立ててから作業しますが、この足場の設置には別途費用がかかります。国土交通省が2017年に行った調査によれば、足場の設置を含む仮設工事費用の割合は、大規模修繕全体の工事金額のうち約2割を占めるといったデータもあるようです。
そして足場の組み立てが終わると、後の作業で使う塗料や水が飛び散らないように、飛散防止マットで足場の周りを覆います。なお足場の組み立てや作業に必要な事務所・簡易トイレの設置だけでなく、後述する養生作業などもまとめて「仮設工事」と記載する見積書もあるようです。
【項目2】高圧洗浄
外壁に汚れや古い塗料がこびりついたままでは新しい塗料が定着しにくいため、塗装前に壁の洗浄を行います。そのための費用が、「高圧洗浄」となります。
【項目3】下地処理
外壁のひび割れの補修や劣化した塗料の除去、外壁の隙間を埋めるために使用されるコーキング材の打ち替え作業、サビや汚れ落としなどをまとめて下地処理と呼びます。
この工程をおろそかにすると、塗装の耐久年数を低下させてしまう可能性があります。
【項目4】養生
窓やガラスには、当然ですが塗料は塗りません。また、車や隣の住宅に塗料が飛び散ってしまうと補償やトラブルの原因となってしまいます。そこで汚れて困る場所や作業範囲以外に塗料がつかないよう、マスキング用のシートやビニールなどを被せて保護をするのが養生の目的です。
足場の項目で紹介した飛散防止マットも、養生のうちの1つです。
【項目5】下塗り・中塗り・上塗り
外壁の塗装は通常、下塗り・中塗り・上塗りと、3回に分けて行われます。
見積書ではそれぞれを分けて記載する場合と、「塗り×3」とまとめて記載される場合の両方があります。なかには、下塗りを複数回行ったり、上塗りの後に仕上げ塗りをしたりするなど、3回以上塗装を行う場合もあります。
下塗りとはシーラーやフィラーといった下塗り材を塗って、後の作業で使用する塗料の密着性や耐久性を向上させる作業です。そして中塗り・上塗りでは、防水など外壁保護の役目のほか、見た目の美しさも担う塗料を使用していきます。
見積書で確認する5つのポイントもチェック!
見積書に記載された項目はほとんどが「専門用語」ですが、理解を投げ出してはいけません。
複数社の見積書を比較して確認することで「必要な工程が欠けていないか?」「不必要な工事が含まれていないか?」「用途不明の料金が追加されていないか?」などが分かってくるはずです。また、だいたいの相場感なども把握できてくるでしょう。
ここでは、は見積書を見るときに確認したい大事なポイントを紹介していきます。
【ポイント1】塗料のメーカーまで書かれているか
塗料の商品名やメーカーの名前が書かれている場合、メーカーのホームページなどで塗料の特徴を調べることができるため、アレルギーを引き起こすような成分が含まれていないかどうかを事前に確認することができます。
また複数の種類の塗料を使用する場合、それぞれの塗料の耐久年数に差がないかも確認しておいたほうが賢明です。耐久年数の低い塗料を塗った箇所だけ短いスパンで別途工事をする、もしくは全体の塗装工事を行うタイミングを、最も耐久年数の低い塗料の周期に合わせる、などの必要がでてくるかもしれません。
このように別々で工事をしなければならないなどの作業の発生を省くためには、可能な限り、マンション全体で使用する塗料の耐久年数は合わせた方がよいでしょう。
【ポイント2】塗りは3回行なっているか
塗りの回数も見積書を確認する際のポイントの1つです。
外壁の塗装は3回に分けて行うのが基本と説明しましたが、回数を減らしてしまうと、塗料が本来の耐久年数よりも早く劣化してしまう可能性があります。
また塗る箇所と塗らない箇所について、きちんと明記がされているかどうかも確認したほうがよいでしょう。「事前の報告なしに、見積書に記載のない箇所の塗りが発生して追加費用を請求された」「塗装してもらえると思っていった箇所が塗装していなかった」など、後のトラブル回避にもつながります。
【ポイント3】工程が細かく書かれているか
「下地処理一式」や「塗装一式」など、作業内容が「一式」としてひとまとめに書かれている見積書には気をつけましょう。
コーキング材の打ち替えなどが見積もりになかったりすると、その作業は行われない可能性があります。
「諸経費」としてまとめられている項目も、注意が必要です。本来は不必要な費用まで含んでいる場合がありますので、諸経費には何が含まれているのか、具体的な説明を求めたほうがよいでしょう。
【ポイント4】足場の費用が無料になってないか
「足場代はサービスです」とアピールする業者は、他の部分でその費用を上乗せしている可能性もあり、確認が必要です。
マンションの外壁塗装工事では、足場の費用は全体費用の約2割を占めるといわれています。足場は安全性を担保するために、組み立てなどにも相応の工数が必要なもので、無料で実施できることではありません。
【ポイント5】工事後の保証はあるか
一回の工事が高額になってしまう外壁塗装だからこそ、工事後の保証の有無も確認しておきましょう。
塗装業者による「工事保証」の内容としては、定期的な点検と施工ミスによる不良の修復が含まれていることが一般的。保証期間は何年なのか、どの程度まで保証してくれるのか、一度確認しておくと安心です。
外壁塗装で失敗しないために見積書は最低限確認しよう!
見積書の確認1つで、手抜き工事や余計な費用の支払いなど、外壁塗装工事でありがちなトラブルを回避できる可能性があります。
見積もりの内容や書き方に注目し、疑問があればその都度質問しながら、お互いに納得のいく外壁塗装工事を目指していきましょう。
見積書の作成書式などに決まったルールはありませんので、素人にもわかりやすく、さらに詳細に書いている業者の方が丁寧だといえるのではないでしょうか。
外壁塗装の相場は下記の記事でも解説しているので、参考にしてみてください。
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