大規模修繕

マンションの大規模修繕の保証期間は? 瑕疵に関わる保険についても解説!

2022.03.17
マンションの大規模修繕の保証期間は? 瑕疵に関わる保険についても解説!

マンションの大規模修繕で、忘れずに押さえておきたいのが保証期間と瑕疵保険。工事完了後に施工内容に不備が見つかった場合や、施工業者が倒産するなどのトラブルが発生しても保証が受けられるため非常に重要です。

今回は、大規模修繕での欠陥工事トラブルを回避するためのポイントとなる、保証期間や保険の内容について解説していきます。

欠陥工事トラブルから守ってくれる「瑕疵保証」

工事終了後に欠陥が見つかるかもしれない

マンションの暮らしやすさ、資産的価値などを維持するためには、構造や防水、給排水管路、電気設備などの定期的な大規模修繕が不可欠です。しかし、工事が終わった後で修繕をした箇所に欠陥(瑕疵)が見つかることがあるため要注意。

マンション・ビルなどの工事で瑕疵が見られた場合における、補修費用に対する保証を「瑕疵保証」といいます。施工業者は、依頼主である管理組合に対して「瑕疵保証責任」を持っています。工事内容に瑕疵があった際、保証期間内であれば管理組合は施工業者に対して補修費用の請求が可能です。

瑕疵によるトラブルは、決して珍しいことではありません。確実に保証してもらうためには、施工業者選びの際に、瑕疵保険の加入の有無を判断材料にいれるといいでしょう。

大規模修繕の保証期間の目安

マンションの大規模修繕による瑕疵保証の期間は、工事する箇所や素材によって違いがあります。

保証期間は、数年ごとに実施する定期点検の目安ともなるので、施工業者に詳細を確認しておくと良いでしょう。工事ごとの保証期間のおおよその目安は、次のとおりです。

【一般的な保証期間】
・外壁塗装工事:5~7年
・下地補修工事:3~5年
・シーリング工事:3~5年
・天井塗装工事:2~3年
・鉄部塗装工事:1~3年
・防水工事:5~10年

把握しておきたい定期点検の保証期間

工事終了後も定期的に点検を行いたい

建物は雨や風、紫外線などによって、常に経年劣化が進んでいくもの。そのため、大規模修繕が完了した後も、劣化箇所がないかを定期的にチェックしていくことが重要です。定期点検は、マンションの暮らしやすさと資産価値を保つために不可欠といえるでしょう。

多くの施工業者で、定期点検はアフターサービスの1つに含まれています。定期点検の保証期間は、工事をする箇所や使用されている素材によって年数が異なります。保証期間の目安はおおよそ5~10年の間ですので、工事の内容に合わせて、1・3・5・7・10年の間隔で点検を実施するのが一般的です。

定期点検を行う際は、施工業者から、普段生活をするうえで建物に不安を感じる箇所がないか、住民にアンケートを実施することがあります。点検漏れを防ぐためにも積極的に協力するようにしましょう。

保証を確実にするための大規模修繕の3つの保険

【1】瑕疵保険

前述の通り、工事に瑕疵があった場合は、施工業者は発注者に対して瑕疵担保責任があるため、無償で補修工事を行わなければなりません。

しかし、瑕疵が見つかった時に、施工業者が倒産していた場合、管理組合で補修費用を負担する必要がでてきます。このようなトラブルを回避するために加入するのが「瑕疵保険」です。瑕疵保険に加入していれば、施工会社が倒産していても、管理組合が補修費用を負担しなくてもよくなります。

瑕疵保険は国土交通省の指定を受けた保険会社だけが取り扱うことができる保険です。保険加入者は施工業者となるため、管理組合が保険料を負担する必要はありません。

注意したいのは、施工業者に加入の義務がないという点。瑕疵保険に加入していない施工会社に大規模修繕を依頼した場合は、工事に瑕疵があっても保証を受けられません。施工業者を選ぶ際には、瑕疵保険に加入しているかどうかを確認しておきましょう。

また、瑕疵保険が適用される場合の工事では、一級建築士資格を持った住宅瑕疵担保責任保険法人の検査員によって、工事の前後に検査が行われるというメリットもあります。検査を実施することで、施工業者の手抜き工事を抑止する効果にも期待が持てるでしょう。

【2】工事完成保証

施工業者の倒産などによって、工事がストップしてしまった場合でも「工事完成保証」が適用されるのであれば安心です。

この保証は、工事現場や施工業者の状況を速やかに確認し、引き継いでくれる施工業者を紹介・あっせんしてくれる「役務保証」と、支払った前払金と工事のクオリティが釣り合わない場合に、管理組合が損害を被る差額分を保証してくれる「金銭保証」の2つからなります。

金銭保証については、保証金に上限額が設定されている場合があります。契約時にしっかり確認するようにしましょう。

【3】外壁タイルは瑕疵保険の特約でより安心

外壁タイルは剥落のリスクがあるので保険の特約をつけたい

瑕疵保険で注意したいのが外壁タイルです。

もしも、保証期間中にタイルが剥がれたとしても「防水性能がある」と判断されてしまうと、保険対象外の「美観・美装のための工事」として取り扱われる場合があるためです。

外壁タイルの剝落が不安である場合には、保険の特約で外壁タイルの保証を付ける手があります。保証期間は保険会社によって異なりますが、すべての工事が完了した日から換算し5〜10年間保証を受けることが可能です。

また、一般的な瑕疵保険の対象となるのは、以下の箇所となりますので憶えておきましょう。

・構造耐力上主要な部分
・雨水の浸入を防止する部分
・給排水管路
・給排水設備
・電気設備
・ガス設備
・手すり等の鉄部

大規模修繕・定期点検の保証期間を把握しておく

マンションは長く住み続けていくものですので、大規模修繕完了後を見据えた保険も重要となります。

工事後に瑕疵が見つかった場合でも、保証期間内であれば、施工業者が無償で修繕や損害賠償を行う責任がある「瑕疵保証」があるということは憶えておきましょう。

また、施工業者の倒産などにより、保証が受けられない場合にも注意が必要です。「瑕疵保険」や「工事完成保証」に加入しているかという点も、施工業者選びの際にしっかりとチェックを行いましょう。

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