理事・管理

建物検査士は住宅診断の民間資格! 資格の取得方法や業務内容を解説

2022.12.02
建物検査士は住宅診断の民間資格! 資格の取得方法や業務内容を解説

建物の劣化状況や不具合の有無を知るために有効となる住宅診断。実施することで、改修や修繕が必要な箇所を把握できるため、定期的に実施していきたい作業です。

そんな建物診断について、一定の知識や経験を持つと認定された人が所有できる資格があるのはご存じでしょうか? この記事では住宅診断のスペシャリスト、「建物検査士」について解説していきます。

住宅診断の専門家「建物検査士」

建物検査士は建物の劣化を判断する専門家

「建物検査士」は住宅診断における民間資格です。有資格者は、建物の劣化や不具合等に関する知識や、劣化状況を調べるための測定方法を熟知した専門家であると証明されます。

資格を取得するためには、特定非営利活動法人日本住宅性能検査協会が実施する所定の講習会を受講し、日本住宅性能検査協会建築士委員会から認定及び登録を受けることが必要です。

講座を受講した後に受けるテストで、一定以上の評価を得ると「建物検査士補」、さらにその中で建築士か施工管理士の資格を所有している人は「建物検査士」として認定されます。

なお、この資格は国家資格ではないため、建物検査士の資格を持っていても、他に適切な資格を所有していなければ建物の構造強度の診断などは行えません。

日本住宅性能検査協会建築士委員会とは

建物検査士の認定・登録を行う、日本住宅性能検査協会建築士委員会とは、どのような団体なのでしょうか。

日本住宅性能検査協会建築士委員会は、不動産取引問題や欠陥建築問題などの解決を目的として、2004年4月に設立された特定非営利活動法人日本住宅性能検査協会の第三者委員会です。

活動内容には、消費者のリテラシーアップに向けた情報の発信や、資格制度の研究、セミナーの開催など。

委員会の構成員は、全員が中立かつ公正な専門家のみとなっています。

建物検査士ができること

検査は公正・公平に行われる

建物検査士の主な仕事内容は、依頼主となる中古住宅の居住者などが抱えている、建物の品質や性能についての不安を解消するために、専門家として物件の検査を行い、結果を報告することです。

公正・公平に業務を行うために、第三者の立場から確認した事実をありのままに報告するという点に重きを置いています。

業務内容には、マンション外壁タイルの剥離や鉄筋コンクリートの劣化状況などを調べる検査業務のほか、建物の定期点検やフラット35(中古住宅)の適合証明といった補助業務も含まれます。

建物検査士と建築士の違い

建物検査士と漢字がよく似た資格に「建築士」があります。建物検査士と必要な知識が共通する部分が多くありますが、両者の仕事内容は大きく異なります。

建築士は主に建物の設計や施工、工事の管理などを行う職業です。建築を行ううえで欠かせない存在であり、建築業界内では最も重要なポジションと言っても過言ではないでしょう。

また、建築士の資格が国家資格だという点も、両者の大きな違いです。建物検査士は民間資格であり、設計や施工監理に関わる業務は行えません。

公平・公正な第三者の立場だから安心して依頼できる

今回は住宅診断の専門資格である、建物検査士について紹介してきました。

特に中古物件の場合は、居住者やこれから売買を考えている人にとって、建物の劣化状況を把握するのは非常に重要です。そのような人にとって、第三者の立場からありのままの状態を検査・報告してくれる建物検査士は頼りになる存在となるでしょう。

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