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修繕積立金の消費税・所得税の取り扱いは? 国税庁のルールを解説!

2022.06.21
修繕積立金の消費税・所得税の取り扱いは? 国税庁のルールを解説!

マンションの修繕積立金を納めたり、経費として計上したりする際に気になるのが、税金の取り扱い。

今回は、修繕積立金を納める際に消費税はかかるのか、所得税や法人税を計算する際に経費として扱えるのかについて解説します。

修繕積立金の消費税の取り扱い

修繕積立金の税金はどう扱う?

支払う際に消費税はかからない

消費税が課税されるかは、「対価性があるか」で判断されます。対価性とは取引などで物やサービスを受け取ったり提供したりする際に、金銭を見返りとして受け渡しすることです。

区分所有者が納めた修繕積立金は管理組合が貯蓄し、大規模修繕実施時に施工会社に支払われます。施工会社が業務を提供すると契約し、代金を支払ってもらう相手は管理組合です。そのため区分所有者は修繕積立金で得られる利益(設備の改善)を直接享受していないという扱いになるのです。

したがって、区分所有者が支払う修繕積立金に対価性はなく、消費税の課税対象外になります。

納められた修繕積立金も課税対象外に

マンションの管理組合は、区分所有者で構成される団体であることから、管理組合と区分所有者の間でのお金のやり取りは営業には該当しません。したがって、修繕積立金の徴収は消費税の課税対象外になります。

一方、修繕積立金を大規模修繕の費用として使用する際の支出は、施工会社との契約に対して支払われるもののため、課税仕入れとして扱われます。

ただし、収入を計上する際に消費税が課されておらず「課税対象外の収益」として扱われているため、仕入税額控除が適用されません。支出が課税仕入れになるため紛らわしいのですが、注意が必要です。

所得税や法人税での取り扱い

経費として計上できる

修繕積立金は経費として計上することができます。
大規模修繕のために積み立てられているため、原則として修繕が行われた年の経費です。

しかし、修繕積立金は毎月決まった額を支払う義務があることから、国税庁の定めた4つの基準を満たしている場合は、支払った年の経費にできます。

国税庁が定める4つの基準

修繕積立金を支払った年の経費にするための基準は、以下の4つです。

①修繕積立金の支払いが区分所有者に義務付けられているか
②退去時などに、これまでに支払った修繕積立金が返金されないと記載されているか
③修繕積立金が大規模修繕や建て替え、バリアフリー化や駐車場の増設などに用途が限定されているか
④修繕積立金が合理的に算出されているか

①〜③はマンションの管理規約の記述を確認することができます。特に気をつけるポイントは、修繕積立金の使い道。通常の管理費として使われていると基準を満たせなくなるので要注意です。

④の合理性を確認するには、修繕積立金の金額が「区分所有者の共有持分(マンションの共有部部分に対する区分所有者の所有権の割合)に対応しているか」というポイントに着目して、長期修繕計画をチェックする必要があります。

4つの基準は比較的簡単に達成することができるものです。一度、マンションの管理規約や長期修繕計画を確認してみましょう。

修繕積立金の扱いは税金の種類によって異なる

修繕積立金は、消費税では課税対象外ですが、所得税や法人税を納める際の経費として計上することは可能であり、税金の種類によって扱い方が異なります。

通常の積立金は大規模修繕が行われた年の費用として計上しなければなりませんが、国税庁の定める基準をクリアすることで、支払った年の経費として計上しても良くなります。

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