修繕積立金は経費にできる?計上可能ならいつ算入する?
将来の大規模修繕に備えて、管理組合に毎月支払う修繕積立金。賃貸用にマンションを区分所有している方ならば、経費として計上して収益にかかる税金を減らしたいところですよね。そこで今回は、修繕積立金を経費にできるのか、可能なら計上時期はいつになるのかなどを解説します。
修繕積立金を必要経費として計上可能
結論からいうと、賃貸用にマンションを区分所有する人は、管理組合に毎月支払う修繕積立金を必要経費として計上することができます。
なぜなら、経費とは事業のために支払う費用であり、大規模修繕は賃貸事業の継続に欠かせない行為だからです。
ただし原則として、実際に大規模修繕が行われた年の経費として計上する必要があります。その理由は、修繕積立金が将来の修繕のために預けているだけのものであり、工事を行って初めて支出したことになるためです。
しかし、次に紹介する要件を満たせば、支払った年ごとに経費として計上できます。
毎年の経費計上が認められる4つの要件
修繕積立金の支払いは管理組合の規約に従い、以下の要件のもと行われていれば、負担した年ごとの経費計上が可能です。
・区分所有者が、管理組合に対して修繕積立金の支払い義務を負っている
・管理組合は区分所有者に対して、修繕積立金の返還義務がない
・修繕積立金が修繕等のために使用され、ほかに転用されることがない
・修繕積立金が、合理的な方法で算出されている
修繕積立金は多くの管理組合で強制的に、返還されないことを前提として徴収されます。明確な用途や概算費用も決まっている支出に対して、支払った年の経費にできないのはあまりにも不合理であるため、上記の要件のもと特例が定められているのです。
修繕積立金に消費税はかかっている?
経費は消費税がかかっているか否かで会計処理の方法が異なりますが、修繕積立金の支払いは消費税の課税対象外となっています。
なぜなら、区分所有者は支払いによって、管理組合から何かサービスを受けているわけではないからです。
ちなみに、管理組合が修繕事業者に行う支払いには対価性があり、消費税が発生します。
経費として適切に会計処理しよう
基本的に支払い時点での経費計上が認められていない修繕積立金。組合の規約で納付義務が定められている場合などには、例外的にその年の経費にできることを覚えておきましょう。
また、修繕積立金の支払いには対価性がなく、消費税の課税対象にはならないことも注意すべきポイントです。
収益物件の節税のためにも、修繕積立金は経費として、適切に会計処理できるようにしたいですね。