連載:これで解決!マンション暮らしのトラブル

「オートロック」のトラブルを解決したい!

2021.09.28
「オートロック」のトラブルを解決したい!

マンションでよくある困った問題をテーマに、トラブルの解決方法を紹介していくこの連載。今回は「オートロック」のトラブルに目を向けたいと思います。

「鍵を自宅に置いたまま出かけてしまった」「紛失してしまった」といった鍵のトラブル。特にオートロックのマンションでは、鍵がないとエントランス内にも入れません。

では、こうしたオートロックのトラブルが起きてしまった場合、どのように対処すれば良いでしょうか。よくある事例と対処法を解説します。

マンションのオートロックにはどんなタイプがある?

エントランス部分にオートロックを採用しているマンションは多い

一般的にマンションのオートロックというと、エントランス部分のオートロックを指すことが多く、自動ドアや解錠後手動で開けるタイプのドアがあります。

解錠方法としては、鍵を差し込む方式、暗証番号式、カードキー式、指紋認証式などがあり、最近ではスマホなどから遠隔で解錠できるものもあります。

エントランスがオートロックであっても、多くの場合、自宅部分はオーソドックスな差し込むタイプの鍵が使用されています。最近では自宅部分もカードキー式や暗証番号式となっていたり、IoT住宅としてスマホでの開閉を売りにしているマンションもあるようです。

オートロックでよくある3つのトラブル

鍵にまつわるトラブルや、オートロックマンションだからこそ生じる問題を解説します。

【トラブル1】鍵や暗証番号を忘れてしまった

鍵の紛失はよくあるトラブル

鍵に関するトラブルで多いのが、「忘れてしまった」「失くしてしまった」という問題。ちょっと近所まで出かけるつもりで鍵を持ってこなかったり、急いで家を出たために忘れてしまったりと、起きやすいトラブルの一つです。

また、「会社や出先に置いてきてしまった」「盗まれてしまった」というトラブルも少なくありません。

オートロックのない家に住んでいる場合には自宅に鍵がかかっていないだけですから、セキュリティの問題はあってもマンション内に入れなくなるという問題はありません。エントランスがオートロックのために入れなくなってしまった際は、誰かに解錠してもらう必要があります。同居人がいる場合には解錠をお願いする、もしくは帰宅を待つことで解決できますが、単身の場合や同居人と連絡がつかない場合もあるでしょう。

そんな時、一番に思いつくのが、ほかの住民の帰宅時に一緒にエントランスに入ることです。ただし、ついて来られた住民から不審に思われる可能性があります。セキュリティの観点から考えても、勝手に後をついてマンション内に入るのは控えましょう。もし、ほかの住民のあとに続く場合には、「●号室の○○という者ですが、鍵を忘れてしまったので一緒に入っても良いですか?」などと声をかけるのが良いですね。

また、この方法で入れるのはエントランス部分のみ。自宅部分の解錠が必要な場合、管理人か鍵業者に依頼して開けてもらうことになります。

なお、鍵を紛失したり盗難されたりした場合には、作り替える必要もあります。自宅の鍵を失くしただけとはいえ、オートロックのマンションでは建物自体の立ち入りにも影響します。セキュリティ上、全戸の鍵の変更が必要になることもあるかもしれません。いずれにしてもまずは管理会社に連絡をして判断を仰ぎましょう。

【トラブル2】システムが反応しない

鍵は無くしてはいないが、システムが反応せずにドアが開かないといったトラブルもあります。オートロックの機械やドアに問題がある場合、自分だけでは対処のしようがありません。他の住民も困っている可能性があるため管理会社に連絡をし、一時的にオートロックの設定を解除してもらうなどの対処をお願いしましょう。

カードキー式の場合、付属している磁気テープやICチップに情報が記録されています。そのため、磁気がダメになっているといった理由でシステムが反応しなくなっている可能性も考えられます。他の電子機器の影響で反応が鈍るケースもあるため、スマホや他のICカードとカードキーは分けて持ち歩くと良いでしょう。

スマホなどを使って遠隔で解錠できるタイプの鍵は、通信状況が悪かったり、充電が無ければ反応しません。念のため現物の鍵も所持しておくと、もしもの際に備えられます。

【トラブル3】エントランスが開きっぱなし

せっかくのオートロックなのに、他の住民がドアを開けたままにしているというトラブルもあります。特に、自動ドアではなく、鍵や暗証番号による解錠後に手動で開閉するドアで開けっぱなしにされているケースがあるようです。

引っ越し作業でもないのにドアが開け放されていたり、気づいて閉めてもまた開けたままになっていたりするなら、管理会社に連絡して張り紙等で注意喚起をしてもらいましょう。

もしドアを開け放している住民が誰か分かったとしても、直接注意しにいくとトラブルになる可能性もあります。第三者的な立場で判断できる管理会社等に介入してもらうほうがスムーズに話し合いが進行する可能性があります。そもそもドアを開け放しているのが大家や管理会社である可能性もありますので、まずは管理会社に状況を伝えましょう。

トラブルが起きてしまった際の対処法

【対処法1】管理会社(管理人)へ連絡

まずは管理会社へ連絡

「鍵を忘れてしまった」「オートロックが反応しなくなってしまった」といった鍵の紛失や不具合、ドアの開け放しなど、いずれのトラブルにおいてもまずは管理会社への連絡が先決です。

自宅に鍵を忘れただけでエントランスにさえ入れれば問題ないのであれば、管理会社や駐在している管理人に開けてもらうこともできます。ただし、24時間管理会社が対応してくれるとは限りません。夜遅い時間帯や土日には、管理会社ではなく警備会社の人が駐在していることも少なくありませんので相談を。また、日頃からご近所の方と仲良くしていれば、エントランスから呼び出して解錠してもらうこともできるでしょう。

注意しておきたいのが、管理会社がエントランス部分の解錠しかできないという場合があること。かつては管理会社が各部屋の合鍵やマスターキーを保管していましたが、最近のマンションでは防犯上、合鍵やマスターキーを持ってはいないケースがあるようです。その場合、自宅の鍵を開けるには自ら鍵業者に依頼して解錠してもらう必要があります。

また、紛失・盗難の場合には鍵を変えなくてはならない可能性もあります。失くした鍵が自宅だけではなくエントランスも解錠できる場合、マンション全体のセキュリティに関わります。場合によってはマンション全戸の鍵を取り替える必要もありますので、管理会社に連絡し、鍵の取り替えを行うのかどうか、費用負担はどれくらいかなど今後の対応について判断を仰ぎましょう。警察へ遺失物の届出を出すことも大切です。

【対処法2】鍵業者へ連絡

自宅の鍵が開かないという時には、鍵業者に連絡して開けてもらいましょう。

エントランスは共用部分であるため個人が鍵業者に依頼して開けることはできませんが、自宅は専有部分にあたるため解錠を依頼することができます。

業者によっては夜間も対応していたり、カードキー式や暗証番号式に対応しています。数千円〜1万円程度で解錠できる業者が多いようですが、出張料や鍵の種類によっては追加料金がかかる場合もあるので、事前に電話で確認しておくと良いですね。

なお、自宅の解錠をする際は、現住所が記載してある身分証の提示が必要です。身分証を持ち合わせていない時は、警察の立ち会いのもとであれば解錠することもできます。

以上、今回はオートロックをテーマに、トラブルとその対処法を紹介しました。

鍵の忘れ物や紛失は、いつ起きてもおかしくないトラブルです。思わぬタイミングで自宅に戻れなくなり、焦ってしまうかもしれません。まずは落ち着いて、管理会社へ状況を伝えることが大切です。

特に紛失・盗難が疑われる場合には、他の住民の安全も脅かす可能性があります。管理会社へ連絡するとともに、警察へ遺失物届けを提出しましょう。

イラスト:カワグチマサミ

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この連載について

【連載】これで解決!マンション暮らしのトラブル

複数の世帯が生活を送る分譲マンションでは、共用スペースの使い方やペットの飼育、ゴミ捨て場における利用マナーなど、思いがけないトラブルに遭遇する可能性があります。そこで、本連載『これで解決! マンション暮らしのトラブル』では、マンションでよく起こる困った問題の解決方法をテーマごとにご紹介。トラブル発生の防止や、万が一起こってしまった際の対応マニュアルとしてもご活用ください!

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