マンション植栽の基礎を解説! 信頼できる業者選びのポイントも紹介
マンションで重要なのは建物だけではありません。敷地内にたくさんの自然の草木があれば、より多くの人にとって住み心地の良い環境となるでしょう。
植栽スペースへの手入れが行き届き、高い美観を維持しているマンションは、それだけでマンション内外の人々から魅力的に映るものです。
今回は、そんなマンションの植栽について、業者選びのポイントや、作業実施時の注意点などを解説していきます。
植栽は美観と機能を維持するために行う
植栽とは、草木を栽培して、空間を美しく機能的に構成する行為を指す言葉です。
代表的な作業としては、
・木の葉や枝の形を整える剪定作業
・雑草、害虫の駆除
・薬剤の散布
・土へ肥料を与える
などの内容があげられます。
草木が整備された植栽スペースでも、植物はどんどん育っていく、あるいは枯れてもいくので定期的なメンテナンスが必要です。
植栽の管理は専門業者に委託するのが一般的。プロに管理をしてもらえば、植栽スペースの美観と安全性を高く保てるでしょう。
植栽管理を行う2つのメリット
資産価値の維持・向上に繋がる
マンションの資産価値は、建物だけでなく敷地内の自然環境の状態にも影響を受けます。
植栽スペースが、花や木々が季節の移ろいに合わせて変化していき、四季折々の景観が楽しめる場所であれば、そのマンションの大きな魅力となるでしょう。このような植栽スペースは、マンションの資産価値にプラスの影響を及ぼす期待がもてます。
資産価値の維持・向上を目指す管理組合は、植栽にも力を入れていきましょう。
景観を綺麗な状態に保てる
草木の適切な管理がされず、枝葉が伸びきったままの状態で放置されれば、マンションの美観を損ね、さらに不快な印象を与えるかもしれません。
手入れをしない期間が長くなれば、植物の病気や倒木、害虫の発生など、どんどん悪化が進み、住民からのクレームや空室リスクの原因にまで発展する可能性も考えられます。
マンションの見栄えを向上させるためにとせっかく作った植栽スペースが、そのような逆効果になってしまうと非常にもったいないですよね。
専門業者に定期的に作業を行ってもらえば、植栽スペースを綺麗な状態のままキープできます。
植栽管理を委託する業者の選び方
それでは、ここからは植栽管理を委託する業者の選び方を見ていきましょう。
この記事では、大きく2つのパターンについて解説します。
【パターン1】管理会社と提携している業者に委託
1つ目は、建設時に管理会社が選んだ植栽管理業者への委託を続けるパターンです。
管理組合からすれば、業者選定の手間が省ける点と、管理費用が途中で大きく変動しづらい点の2つのメリットがあります。敷地内に植栽スペースを持つマンションの多くは、植栽管理を委託する業者を建設時から変更していないようです。
ただし、管理組合で選んだ業者ではないので、植栽管理について細かい要望を出しても応じてもらえないかもしれません。管理組合の希望と業者が提供するサービスの間の隔たりが大きいのであれば、業者の変更が余儀無くされるでしょう。
【パターン2】管理組合が選定した業者に委託
もうひとつの方法は、管理組合で業者の選定を行うパターンです。
管理組合主導で進めるので、自分達が優先したい条件に対応可能な業者を選べるでしょう。これまで委託していた業者に支払っていた金額が相場よりも高いのであれば、コストの適正化につながるかもしれません。
注意したいのは、コストだけに着目をしていると、メンテナンスの品質が低下したり、受けられるサービスが限定的になってしまうかもしれないことです。
業者を選ぶ際は金額だけに着目をするのではなく、実施する作業の項目や頻度なども考慮したうえで総合的に判断をしましょう。
植栽管理の費用を抑えるポイント
上記で紹介したように、管理会社と提携している植栽管理業者に依頼するのがスムーズではありますが、長年同じ業者に依頼しているのであれば、あらためて見積を取ることでコストダウンになる可能性があります。
他の業者にお願いするかどうかに関わらず、一度他者と相見積もりを取って比較してみると、現在の実態に即した相場がわかるでしょう。他者の費用を引き合いに出すことで、交渉の余地も生まれます。
また、日常的な草刈りは住民が行ったり、枝を短めに剪定してもらうって作業回数を減らしたりと、作業工程を省いて費用を削減するのも1つの手です。
信頼できる植栽管理業者の特徴
植栽管理業者の選定を行う際には、複数の業者から見積りを取って比較を行いましょう。この見積書の様式が、信頼できる業者を判断するための目安にもなります。
まず確認するべきポイントは、作業の内容や料金の内訳が明確であるかどうか。不明瞭な点がないように丁寧に作成されていれば、良い業者であると考えられます。
そのほかには、連絡の取りやすさも注目したいポイントです。植栽管理を依頼する業者は長い付き合いになる可能性が高いので、担当者と連絡が取りづらいのであれば後々苦労するかもしれません。
また、見積もりとあわせて年間の工程計画を説明してくれたり、枯れ木の植え替えの提案などを積極的にしてくれたりする業者は、信頼できるといえるでしょう。
植栽作業前に確認しておくべき内容2選
騒音が出る作業や薬剤散布を行うならクレーム発生への注意が必要
植栽作業は、実施する内容によっては住民からクレームが出される可能性があります。
例えば、チェーンソーや草刈り機など、大きな音が発生する器具を使用する作業は、クレームが起こりやすい傾向です。また、殺虫剤などの薬剤の散布によって目や喉が痛くなってしまう人が出てくるかもしれません。
このようにクレーム発生の可能性が考えられる作業もあるので、業者と作業内容を事前に確認しておきましょう。クレームが出されやすい作業であっても、前もって住民に周知しておけばクレームの防止に効果的です。
作業の開始時刻もしっかり確認しておく
自宅で仕事をする人が増えた昨今、人によっては音が響く作業をされると迷惑な時間帯もあるでしょう。そのため、作業内容と合わせて「何時から工事がスタートするか」も事前に周知しておくべきです。
また、騒音の出そうな作業は平日の午前中にしてほしい、といった要望がある場合は、あらかじめ業者に伝えておくといいでしょう。
管理組合が作業に立ち会うのであれば、希望を伝えて業者とスケジュールを合わせておくとスムーズです。
ハイクオリティな植栽は資産価値の向上に貢献する
植栽は、どのマンションでも実施されているわけではないので、スペースを有するマンションはそれだけでもセールスポイントにできるでしょう。
マンションの資産価値向上を目指す管理組合は、レベルの高い植栽を実施していけば、管理能力の高さをアピールできるかもしれません。
そのためにも、適切な報告や提案を行ってくれる信頼できる植栽業者選びが重要となります。