マンション総会の出席率が低い……出席率を上げる6つの方法を解説!
理事会で話し合った内容に最終的な意思決定を下す総会。少なくとも毎年1回は総会を開催することが、「区分所有法」というマンションに関する法律で定められています。
総会は基本的に区分所有者(マンションの購入者)全員の参加が求められるもの。しかし「出席率が低い……」と悩んでいるマンションもあるでしょう。そこで今回は、総会の出席率を上げる方法について紹介していきます。
実際に総会へと足を運ぶ人は約30%!
国土交通省の「2018年マンション総合調査」によると、委任状や議決権行使書提出者も含めた総会への出席割合は平均82.1%となっています。
ただ、この数字は委任状や議決権行使書提出者を含む、つまりは実際に足を運んでいない人の数もカウントされるわけです。
同調査によると、実際に総会へ足を運んで出席している人の割合は平均32.9%。実情は、3割程度しか総会に参加していないといえるのです。
大規模マンションは出席率が低い傾向に……
総会への出席割合をマンションの総戸数規模別に見てみます。
すると、規模が51戸~71戸になると30.4%へ下がり、501戸以上となると14.3%まで低下。つまり規模が大きいマンションほど、総会へ出席せずに委任状や議決権行使書の提出で済ませている人が多いといえるでしょう。
総会の出席率を上げるメリットとは?
改めて、総会の出席率を上げるメリットは何か。
まず、総会参加者が増えることで、議論が活性化することが挙げられます。参加者は、マンションの運営にも関心を持ちやすくなるでしょう。
また、さまざまな視点から議論を行うことで、偏りのない公正な方針を決定することにもつながります。
そのほか総会に出席した本人も、議案書からは読み取れなかった事情を知ることができたり、他者の意見を聞くことで管理組合の抱える課題を深く知るきっかけになったりするでしょう。
総会の出席率を上げる6つの方法
【方法1】参加しやすい日程に調整する
確実に出席率を上げる方法はないものの、地域の小中学校の行事がある日は、総会の開催を避けるなどの工夫は効果的かもしれません。
また総会の議案書を配付する前に、先に日程だけでも通知すると、予定を調整しやすいでしょう。
【方法2】ほかのイベントと合わせて開催する
ほかのイベントもかねて総会を開催することで、関心を持ってもらいたいところ。
例えば、総会後に懇親会などを設ることで「せっかくの機会だから、ほかの住人さんとも話したい」と思う方の参加も期待できるでしょう。
【方法3】出席特典を配布する
出席者に対して特典を配布するのも、有効です。例えば、総会に参加してくれた方限定で、お弁当や防災備蓄品を配布するなどが考えられます。
とはいえ、特典に力を入れすぎて、総会そのものの準備がおろそかにならないようにしましょう。
【方法4】資料の事前配布や説明会を実施する
総会に関心を持ってもらうためにも、図や写真を盛り込んで視覚的に理解しやすい資料を配布しておくのも、有効な方法の一つ。
また、「参加したけど勝手がわからないし……」という方に向け、総会の流れや決議方法に関する説明会を実施しても良いかもしれません。
【方法5】代理人を立ててもらう
仕事や子育ての関係上、どうしても参加できない人はいます。
そのため、委任状を使って代理人を立てるなど、参加できない人のためのルールを設定しておきたいところ。
代理人の対象範囲はどこまでか、管理規約などで定めておきましょう。
【方法6】出欠通知書を早めに回収する
委任状や議決権行使書の提出期限が開催前ギリギリだと、未提出者へ提出を促す時間がありません。
そのため、早めに提出期限を設け、未提出者へ催促できる時間を確保しておきたいところ。
出席の呼び掛けは理事会役員を中心に、直接お願いして回っても良いでしょう。
総会出席率の向上が資産価値の維持につながる
委任状や議決権行使書の提出者を含めると、8割近くとなる総会の出席率。一方で、実際に総会へと足を運ぶ人は3割程度と、低い傾向にあります。
総会の出席率を上げることができれば、マンションの運営に関心を持つ人が増えます。それがひいては健全なマンション管理につながり、資産価値の維持にも貢献するかもしれません。
そのため総会の後に懇親会を設けたり、出席特典を配布したりなど、出席率を上げるための工夫をぜひ実践してみてくださいね。