理事・管理

マンション総会の「委任状」の書き方は? 委任できるケースと注意点も解説

2021.07.02
マンション総会の「委任状」の書き方は? 委任できるケースと注意点も解説

年に1回の開催が義務付けられているマンションの「総会」。原則として、区分所有者全員の参加が求められますが、予定があって参加できない場合もあるかもしれません。そこで「委任状」を提出すれば、代理人が議決権を行使できます。

ただ「誰に託せばいい?」「どうやって書けばいい?」と、疑問を持つ方もいるでしょう。そんな方に向け、この記事では委任状が有効なケースや書き方について解説していきます。

総会で有効な委任状。理事会はどう?

そもそもマンションの総会とは、共用部の工事予算の承認や理事会役員の任命などを行う場。一方で理事会は、管理組合から選出された人が集い、マンション内の問題について話し合う機関です。両者の関係を整理すると、理事会で議論された内容について、総会で最終的な決定を下すという流れになります。

総会については、「区分所有法第39条2項」に「議決権は、書面で、又は代理人によって行使することができる」とあり、委任状の有効性が認められています。

一方で、理事会での委任状は原則無効。理事会役員として任命されるのは「特定の個人」であり、委任・代理が認められていないのです。ただ、管理規約で代理人の出席が認められている場合、委任状が有効なケースもあるようです。

委任する人は誰でも良いの?

委任相手の条件は?

誰でも委任できるのかと言うと、そうではありません。「標準管理規約第46条第5項」によると、委任状できるのは、下記の人物に限られます。
・配偶者(パートナー)
・同居の親族
・他の組合員(理事長や議長など)

総会は管理組合の意向を最終決定する場ですから、まったく関係のない外部の人物には委任できません。いずれにしても、自分の代わりに議決権を行使してもらうことになるので、信頼できる人に委任するのが良いでしょう。

委任状の書き方

委任状が有効なケースについて解説したところで、実際の書き方を見ていきましょう。

【パターン1】指定の委任状に書く

多くの場合、総会が開催される際、運営側から議案書とともに「出欠の確認を問う用紙」が届きます。同封された委任状にはすでに本文が記載されており、ここで当日の出欠と、欠席の場合、委任する代理人の氏名を通知するのが一般的です。

【委任状の例】
委任状
私は○○号室・○○○○(代理人氏名)を代理人と定め、○年○月○日に開催される第○回○○会において議決権を行使することを委任いたします。
○年○月○日 ○○号室・○○○○(本人氏名)・印

なお、マンションによっては委任状だけでなく、「議決権行使書」が記載されていることもあります。これは、代理人に議決権を委任するのではなく、本人が議案ごとに賛否を選ぶことができる書面です。

【パターン2】委任状・議決権行使書を自作する

書面は必要に応じて自作

基本的には届いた用紙に記入するのがベストですが、出欠しか記入できない書面もあります。どうしても代理人を立てたい場合、委任状を自作しましょう。

管理規約に指定用紙を使うよう明記されていない限り、自作の委任状は有効です。手書きでもWordでも問題ありません。

また、代理人に委任せずに、自ら議案ごとに承認・反対を通知したい場合、議決権行使書を自作することもできます。ただし、せっかく議決権行使書を作成しても、それが採用されるとは限りません。組合員が多い場合などは、細かい要望まで受け入れてもらえないケースもあるためです。

どうしても細かい要望や賛否を伝えたい場合、前もって理事長や議長に確認しておきましょう。

代理人を記入しないとどうなる?

議案書とともに送られてきた委任状。もし、委任する相手を明記せず空欄のまま出してしまったら、その委任状は無効になるのでしょうか。

委任相手の記載がない委任状は「白紙委任状」と呼ばれます。議長へ委任したとみなされ、有効となるケースが多いようです。議長に委任されると、多数決の多いほうに入れられたり、議長の票として扱われたりします。

ただし、規約によっては白紙委任状は無効となる場合もあります。議長に委任したい場合、委任相手として議長の氏名を記入するなど、空欄は避けたほうが良いでしょう。

委任状には信頼できる代理人の氏名を書く

マンションの総会に出席できない場合、委任状を提出すれば、代理人に議決権を行使してもらえます。委任できるのは、配偶者、同居の親族、他の組合員です。

多くの場合、総会の前には議案書とともに出欠表や委任状が届くので、その用紙に記入することで欠席の旨と委任相手を通知できます。マンションによっては、議案ごとに賛否を選択できる議決権行使書が記載されている場合も。用紙の指定がなければ、自作した書面でも問題ありません。

委任状を提出する際、代理人を空欄にしてしまうと白紙委任状となります。白紙委任状は議長に委任するとみなされるケースがほとんど。ただし、無効になる場合や自分の意思とは反する使われ方をするリスクもあります。そのため、やはり信頼できる人物に委任するのが良いでしょう。

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