マンション理事長の決め方4選!決まらないときの対処法も紹介
「管理組合の理事長が決まらない…」「どんな決め方がいいの?」
そんな悩みがあるマンションのために、今回はオススメな理事長の決め方を紹介します。
マンション理事長の適切な決め方はある?
マンション管理組合の理事長は、組合の代表として通常総会・臨時総会の招集や議長を務めるなどの重要な役割を担っています。
その選び方について、マンション標準管理規約の役員に関する条文では「理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事の互選により選任する」と記載されており、具体的な選出方法が規定されているわけではありません。
多くのマンションの管理組合は、この標準管理規約に則っているため、適切な選出方法がわからず、理事長がなかなか決まらないことがあるかもしれません。
そこで今回は、オススメする4つの選出方法を解説していきます。
理事長の決め方4選
立候補
理事会の役員のうち、立候補した人から選出する方法です。
基本的に理事長の職務に前向きな人物が立候補を行うため、組合の運営が円滑に行われることが期待できます。
しかし、一般的に理事長の職務は面倒であるというイメージが強いため、数多くの立候補者は見込めず、場合によっては理事長のなり手がいなくなってしまうことに注意しましょう。
輪番制
役員のなかから順繰りに理事長を選出する方法になります。
利点として、理事長になる候補がいなくなってしまうことや特定の役員の意向で理事長が決まってしまう事態を防げることが挙げられます。
しかし、必ずしも理事長の仕事に前向きな人物が選ばれるとは限らず、意欲のない人が就任すれば管理組合の運営に支障をきたしてしまう恐れがあることを覚えておきましょう。
なお大規模なマンションの場合は、特定の居住区域に理事長選出者が偏らないよう、棟やフロアでグループ分けを行い、バランス良く理事長が選ばれるようにしましょう。
推薦
役員が話し合って、理事長候補を選出する方法です。組合での発言や職務の遂行状況、人間関係などを考慮して「推薦したい」と思える人物を選ぶことになります。
客観的に見て理事長職に適していると思われる人が選出される場合が多いので、立候補で選んだ場合よりも、さらに円滑な組合の運営ができる可能性があります。
しかし理事長職が面倒だと感じる役員が理事長職を押し付けるためだけに、よく考えずに推薦してしまう場合があることや、一部の役員が結託して互いに推薦し合い、理事長職を独占してしまう恐れがある点に気をつけましょう。
くじ引き
これまで挙げてきた立候補や輪番制、推薦による選出結果が理事の理解を得られない場合、用いる手段の一つになります。
輪番制と同じく、理事長の仕事に意欲がない人物が選ばれる可能性があることに注意しましょう。
理事長が決まらないときは?
理事長がどうしても決まらない場合は、理事長担当者への報酬を検討することも一つの手です。
マンション標準管理規約では「役員は、別に定めるところにより、役員としての活動に応ずる必要経費の支払と報酬を受けることができる」と定めており、理事会での承認が得られれば報酬制を導入することが可能です。
しかし、理事長への報酬制を採用している事例は少なく、そのことを理由に理事会で承認が得られない場合があるので注意しましょう。
国土交通省が実施した平成30年度マンション総合調査結果では、理事長に対して報酬を設定しているマンションは、調査対象全体の1.1%しかいないことがわかっています。
理事長を辞めさせることはできる?
適切な選出方法が採れなかった場合、理事長に不適任な人物が就任してしまい、職務怠慢であったり組合を私物化してしまう恐れがあります。
そのため、問題のある理事長を辞めさせることができるように解任方法も知っておきましょう。
基本的に理事の互選によって選任される理事長は、理事による過半数の決議によって解任することが可能です。
また、理事長は理事が就任するものなので、理事職そのものを解任することで辞めさせることもできます。その場合は、組合員総数および議決権総数の5分の1が請求することで開催される、総会の決議で解任が可能となります。
理事長は「半数改選」で引き継ぐのがおすすめ
理事長も含めた理事全員が改選されるようなことがあれば、役員のほとんどが理事会の運営に関与したことがない人物となる可能性があり、業務の継続性が損なわれてしまう事態に陥ることがあり得ます。
こうした事態を防ぐためにも、理事は2年ごとに役員の半数を交代していく「半数改選」というシステムを採用するのがオススメです。
これにより、これまでの議論や活動の経緯がわかる理事が半数残るので、円滑な理事会運営につながります。
理事長の選出方法は管理組合によって異なる
理事長の選出方法は明確に決まっていないため、任意の方法で決めることになります。立候補、輪番制、推薦、くじ引きといった決め方があることを覚えておきましょう。
どうしても理事長を決めることができなかった場合、理事長の職位について報酬制を検討してみるのも一つの手です。
もしも職務に前向きでなかったり、暴走してしまったりするような人物が理事長に就任してしまった場合は、解任するという選択肢も検討してみましょう。